「ビッグデータが変えるECマーケティング」

2014年6⽉30⽇
⽇本株ファンドマネージャーの視点
「ビッグデータが変えるECマーケティング」
※このレポートでは、⽇本株ファンドマネージャーが注⽬しているトピックや銘柄などを毎週お届けします。
先⽇、⽇本最⼤級のゴルフ場予約サイトを運営する会社に、久々に会社訪問に⾏ってきました。この会社になぜ会社
訪問をしたかというと、最近この会社のゴルフ予約サイトの使⽤感が実体験として以前より快適になったからです。2
年前はページの切り替えが⼤変遅いサイトで予約を途中で⽌めたくなるほどでした。最近はそのような不満を感じる
こともなく、以前よりこの会社のサイトでゴルフ予約することが増えました。
会社四季報を⾒ると、2011年度、2012年度は営業⾚字、2013年度にやっと⿊字になった会社です。これだけの情報
ではインターネットブームに乗って上場した会社がジリ貧になったように⾒え、唯⼀売上⾼が着実に増えていること
が気になるくらいです。
実はあまり⼤きな期待は持たずに会社訪問に⾏ったのですが、実際にIR担当の⽅に話を伺うと⼤変堅実なビジネス
をされている会社であり、⾃分のリサーチ不⾜を反省しました。主⼒事業のゴルフ場予約、ゴルフ⽤品販売とも成⻑
をしており、2011年の苦難を乗り越え復活のステージに⼊りつつあることが理解できました。
2011年は東⽇本⼤震災が発⽣した年で、ゴルフ場の閉鎖や⾃粛ムードでこの会社の事業も全般的にダメージを受けま
した。さらにその年の7⽉の⼤規模システム更新による減価償却費の増加が利益を圧迫しました。2011年はシステム
の初期トラブルの発⽣もあり、利益規模の⼩さな会社にとっては厳しい事業環境となりました。
システムの更新投資は20億円規模と⼤きく、今後10年の社運をかけた投資でした。更新の⼤きな⽬的はインターネッ
トの普及とともに様々な機能追加で肥⼤化したシステムを整理しデータを最適化することで、「ビッグデータ」を活
⽤できるシステムに変えることです。データを適切に整理することで、事業の中核となるECサイトやゴルフ場予約
サイトの検索速度と使⽤感を向上させるとともに、⼤量のデータを分析し有益な情報を取り出し、それを会員データ
ベースと有機的に結びつけることでマーケティングに活⽤することが⽬的とのことでした。
ところで「ビッグデータ」という⾔葉はよくメディアで聞きますが、どのようなデータなのでしょうか。ビッグデー
タの特性はボリューム(⼤量性)、バラエティ(多様性)、ベロシティ(⾼速性)の3つの「V」で特徴づけられま
す。多様で⼤量のデータが次々と⾼速に⽣成されていく環境下で、データの中に秘められた価値ある情報を活⽤する
ことが重要ということです。
2014年に⼊りこの会社の業績も好転してきました。登録ユーザー数は右肩上がりで、ゴルフ場予約、ゴルフ⽤品販売
とも成⻑しています。これはマーケティングの精度向上が⼤きく貢献していると思います。
会社は⻑期展望を持って巨額のシステム投資をしましたが、今はそれをPC、スマートフォンを通じて思う存分に活
⽤する段階に⼊ってきています。私の場合、この会社から⼀⽇4〜6通のメールが来ます。⼀つの会社から1⽇にこれだ
け来るとスパムメールと感じ怒りたくなるのですが、実際は不快と感じずほぼすべて読んでしまいます。理由はメー
ルの内容が買いたいと思って検索したドライバーや、予約しようと思って検索した千葉のゴルフ場の割引情報など、
直近に興味がある商品やサービスのメールだからです。会社に聞くとメールを開けずに削除すればその内容のメール
は来なくなるそうです。
このように個⼈単位で販促ができるのも、ビッグデータを活⽤できるシステムがあるおかげです。こうした⾼い顧客
満⾜度は、今後の成⻑に寄与していくと思います。この会社の進化を⾒ていると、ビッグデータへの対応の有無が今
後のネット企業の命運を決めると感じました。それは消費者へのメリットが極めて⼤きいからです。
会社のIRの⽅に、ユーザーとしてサイトの不満を伝えると、既にそれを最重要課題として修正に取り組んでいると
のことでした。⼤規模投資を終え前向きに事業を営んでいるからこそ、細部まで気配りができる会社であることを肌
で感じました。
株式運⽤部
永⽥ 芳樹
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