Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン 2014年11月18日 上海香港相互接続に期待することと今後の課題 5ヵ年計画に従って実施されている中国の金融改革の重点項目は、金利の自由化、資本取引の規制緩和、人民元 の自由化などですが、上海と香港株式市場の相互接続により資本取引の規制緩和の進展が期待されます。 香港証取経由の上海株購入、1日当たりの 上限に達する-接続初日 香港と上海の証券取引所による株式注文の相互取り次ぎが 2014年11月17日に始まり、両証取接続を経由した上海株の 購入は1営業日当たりの上限に達しました。香港及び外国投 資家は現地時間午後2時前までに上海株130億元(約2,500 億円)相当を購入し、この日の買い注文受け付けが停止さ れました。中国本土の投資家が香港上場株式を購入する場 合の上限は105億人民元となっています(図表1参照)が、香 港株を約14億人民元相当買い入れています。 どこに注目すべきか 相互接続、事前許可、AHプレミアム指数、IPO 中国の金融改革は5ヵ年計画に従って実施されています。現 在の5ヵ年計画が公表されたのは2012年7月ですが、海外投 資家による中国本土株への投資に道が開けたことで、改革 の重点項目である資本取引の規制緩和が前進しました。 今回の相互接続により、従来、事前許可が必要であった資 本取引が大幅に緩和されました。外国人投資家が中国本土 の上海市場へ投資を行うには、適格外国人投資家(QFII)や 人民元適格域外機関投資家(RQFII、香港市場を経由して人 民元に両替し、中国本土に投資)の認可を事前に受けた海 外機関投資家に限定され、投資上限枠も決められていまし たが、今回投資家の適格条件は大幅に緩和されました。 投資家層が拡大することで、市場の効率化に改善が期待さ れます。上海(A株)と香港(H株)に重複上場した銘柄の割安 度合いを見るAHプレミアム指数は相互接続導入前、H株式 が割高傾向で推移していましたが、接続開始等の報道を受 け、格差は縮小し、足元ではほぼ均衡水準となっています (図表2参照)。中国本土と香港の規制の違いにより、同じ会 社の株価が取引所により異なるという事態が放置される傾 向がありましたが、今後は解消が期待されます。 香港株式市場では株式新規公開(IPO)が活発で、投資機会 が提供されてきています。一方、上海株式市場では株価対 ピクテ投信投資顧問株式会社 策としてIPOに規制がかけられる局面もありました。2012年9 月から2013年12月まで上海株式市場ではIPOが行われてい ません。今回、相互接続により流通市場の活性化は期待され ますが、IPOなど発行市場については今後の展開を見守る必 要があります。 図表1:香港上海相互株式取引制度の概要 香港から上海へ(上海市場) 参加可能な 投資家 上海から香港へ(香港市場) 投資可能銘柄数 香港および外国投資家(機関 中国本土の機関投資家と50 投資家、個人投資家ともに) 万元以上の口座残高を有す る個人投資家 上海180A株価指数構成銘 ハンセン大型株および中型 柄、上海380A指数の構成銘 株指数構成銘柄、A株・H株 柄、A株・H株重複上場銘柄 重複上場銘柄 特別処理指定銘柄、人民元 シンセン取引所とのA株・H 建てではない銘柄 株重複上場銘柄、香港ドル 建てではない銘柄など 568銘柄 266銘柄 約定・決済通貨 人民元約定、決済 対象銘柄 除外銘柄 対象銘柄の1日あ 上海上場A株銘柄の約80% たり売買代金に占 める割合 投資総額上限 3,000億人民元 香港ドル約定、人民元決済 香港上場銘柄の約78% 2,500億人民元 1日あたりの上限 130億人民元 105億人民元 出所:各種報道資料を使用しピクテ投信投資顧問作成 図表2:AHプレミアム指数の推移 (日次、期間:2014年4月10日~2014年11月17日) 105 100 割高・割安 の目安 95 A株割高 H株割高 90 85 14年4月 相互接続初日 AHプレミアム指数 14年7月 14年10月 ※AHプレミアム指数:上海と香港に重複している主要上場銘柄のA株の株価 をH株の株価で除した指数、100より大きいとA株割高、小さいとH株が割高 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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