マーケットレポート 中国人民銀行が預金準備率を0.5%引き下げ~金融

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2016年3月1日
マーケットレポート
中国人民銀行が預金準備率を0.5%引き下げ
~金融ひっ迫の解消、景気減速や株安への対応を意図~
中国人民銀行(以下、中央銀行)は2月29日、市中銀行の預金準備率を0.5%引き下げると発表しました。追
加の金融緩和は2015年10月に政策金利と預金準備率の双方を引き下げて以来、4ヵ月ぶり。引き下げは3月1
日より実施され、大手金融機関の標準の預金準備率は17.0%となります。
追加緩和の背景
預金準備率、政策金利の推移
中央銀行は中国・人民元レートの急速な下落を回
避するため、元買い・米ドル売りの為替介入を実施し
8
ています。元買いの結果、国内市場で資金が吸い上
7
げられ、金融市場でひっ迫感が強まっていました。ま
6
た中国では鉄鋼や非鉄金属など重厚長大型産業に
5
おける過剰設備の問題が依然として解決されておら
4
ず、製造業の景況感の低迷が長期化しています。
3
中央銀行は今般の預金準備率引き下げで資金供
給を強化し、金融のひっ迫感やリストラなど構造調整
により、痛みを和らげることを狙ったものと見られます。
貸出金利(左軸)
預金金利(左軸)
預金準備率(右軸)
21
4.35%
20
19
17.0%*
18
17
1
12/3
1.50%
13/3
14/3
※2016年3月は3月1日まで
15/3
16
16/3
(年/月)
*預金準備率は3月1日より適用
上海総合指数、中国・人民元(対米ドル)の推移
けており、このタイミングでの決定は株式市場の不安
(2015年12月29日~2016年2月29日、日次)
6.35 (元)
元高
6.40
3,800
3,600
今後の見通し
22
2
また29日は上海総合指数が約1ヵ月ぶりの安値をつ
心理を払拭する意図もあった模様です。
(2012年3月~2016年3月※、月次) (%)
23
(%)
上海総合指数(左軸)
3,400
6.45
3月1日の上海総合指数は前日終値近辺で寄り付き
3,200
6.50
ました。中央銀行が人民元の基準値を前日比で元高
3,000
6.55
方向に設定し、金融緩和に加えて人民元安に配慮し
2,800
6.60
たことが好感された模様です。一方、本日の寄り付き
2,600
前後に発表された1月の製造業PMI(購買担当者指
数)は、政府発表分が前月比▲0.4ポイントの49.0、民
2,400
12/29
6.70
1/12
1/26
中央銀行は人民元動向を注視しつつ、慎重に金融
G20(20ヵ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議で中国
の財政相が「経済成長を支えるための財政余力があ
る」と語ったと報じられており、本日のPMI悪化を受け
本格的な財政出動を伴う景気刺激策への期待が一
段と高まりそうです。
以上
2/9
2/23
元安
(月/日)
製造業PMI(購買担当者指数)の推移
間発表分も同▲0.4ポイントの48.0と悪化しました。
緩和を継続する方針と見られます。また先週末の
6.65
人民元(右軸、逆目盛り)
(2013年2月~2016年2月、月次)
53
52
政府分
51
50
49
48
民間分
47
46
13/2
14/2
15/2
16/2
(年/月)
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
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