タイの 2014年第 4四半期成長率、終わりよければ

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アジア
2015年2月16日
タイの2014年第4四半期成長率、終わりよければ
2014年第4四半期のタイ経済はGDPで前年同期比2.3%増と2014年終わりに来て浮上の兆しが見られます。政府消
費の回復、投資に底打ちの兆しが見られること、観光客が急速に回復していることなどがプラス要因です。
タイ2014年10-12月期GDP:前年同期比2.3%
増と市場予想(同2%増)を上回る
タイ国家経済社会開発庁(NESDB)が2015年2月16日に発
表した2014年10~12月期のタイのGDP(国内総生産)は、前
期比(季節調整済み)1.7%増と市場予想(2.1%増)を下回りま
したが、前年同期比では2.3%増と市場予想(2.0%増)を上回り
ました(図表1参照)。なお、2014年7-9月期は前期比1.2%増
へと修正されました。2014年通年の成長率は0.7%増と市場
予想と一致しましたが、後半にかけ回復の兆しが見られま
す。ただし、2014年5月のクーデター以降も個人消費などに
ついては回復がやや遅れ気味です。
どこに注目すべきか
タイ政府消費、旅客者数、軍事政権
2014年第4四半期のタイ経済はGDPで前年同期比2.3%増と
2014年終わりにきて浮上の兆しが見られます(図表1参照)。
民間投資は回復が遅れているものの、政府消費が回復した
こと、投資に底打ちの兆しが見られること、観光客が急速に
回復していること(図表2参照)、などがプラス要因となりまし
た。ただし、民間投資や個人消費などの本格的な回復には
政治の安定と金融政策の下支えが必要と思われます。
タイ経済を見るうえでの注目点は以下の通りです。
まず、消費動向ですが、政府消費の伸びが個人消費の鈍
化を埋め合わせた格好です。政府消費は実質ベースで前年
同期比5.5%増と回復傾向が見られます。個人消費も同1.9%
増とプラスは確保しましたが、前四半期の2.2%増から鈍化し
ており、本格的な回復には少し時間が必要と思われます。
ただし、注目はタイへの旅行者に回復が見られることで(図
表2参照)市場の予想より早いペースで回復していると見ら
れます。クーデター後の混乱から、観光産業には落ち着き
が戻りつつある様子が伺えます。
一方、回復で気になるのは投資です。タイは現在クーデター
で誕生した軍事政権で、今後民生復帰に向け体制変更が
ピクテ投信投資顧問株式会社
想定されることから投資は控えられる傾向がありました。た
だし、今回のGDPでは民間投資が4.1%増とプラスで今後もプラ
スを維持できるかが、今後の注目です。そこで鍵となるのは主
に2つで、1つ目は実質金利の高さです。インフレ率が低下傾
向の中、政策金利を維持しているため相対的な実質金利の高
さが懸念されます。2つ目は、より大きな問題ですが、軍事政
権から民生政権へのスムースな移行です。軍事政権は当初、
2015年10月ごろ民生復帰に向けた総選挙を実施することを想
定していましたが、2014年12月に総選挙を2016年2月に延期
することを示唆している点が気がかりです。タイは原油価格の
下落がGDP成長率にプラスとなることも期待できる国であるだ
けに、政治動向と金融政策に注目しています。
図表1:タイGDP(国内総生産)成長率の推移
(四半期、期間:2009年10月-12月~2014年10月-12月、前年同期比)
20
%
15
10
5
0
-5
-10
09年12月
タイGDP成長率
10年12月
11年12月
12年12月
13年12月
14年12月
図表2:タイへの観光客数の推移
(月次、期間:2009年12月~2014年12月)
300
250
2014年5月22日
タイ軍事クーデター
万人
タイ観光客数
200
150
100
50
2010年4~5月
政情不安
2011年10月
大洪水
2013年~14年
政局不安
09年12月 10年12月 11年12月 12年12月 13年12月 14年12月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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