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アジア
2015年3月12日
韓国も予想外の利下げだが
韓国の利下げの注目点を声明文などに捜し求めると、デフレ懸念、韓国経済の内需の不振と、米国など海外の金融
政策の変更の3点が主な焦点であることが伺えます。
韓国金融通貨委員会:市場予想に反し利下
げ、政策金利は過去最低の1.75%に
韓国銀行(中央銀行)は2015年3月12日の金融通貨委員会
で政策金利である7日物レポ金利を2%から0.25%引き下げ過
去最低となる1.75%に引き下げました(図表1参照)。市場で
は大半が金利据え置きを予想していました。利下げの理由
として声明では内需の不振が続くことへの懸念とデフレ、外
的要因として海外の金融政策の変更などをあげています。
どこに注目すべきか
インフレ率、潜在成長率、海外金融政策
韓国の利下げの注目点を声明文などから捜すと、デフレ懸
念、韓国経済の内需の不振と、米国など海外の金融政策の
変更の3点が主な焦点であることが伺えます。
1点目は、デフレ懸念です。韓国の直近のインフレ率である
2月の消費者物価指数は前年同月比で+0.5%と低下傾向が
継続しています(図表1参照)。ただし、韓国中銀は声明文で
原油価格の影響も注目点にあげています。韓国中銀のイン
フレ目標は2.5%~3.5%でインフレ率が目標を下回る展開が続
く中、今回は利下げで対応した格好ですが、韓国中銀が今
後も緩和姿勢を続けるかを占う上で、インフレ率低下の原因
をどの程度、原油価格下落と見るかにも注目しています。
2点目は、内需の不振です。韓国のGDP(国内総生産)成長
率を見ると、2014年通年では+3.3%と概ね潜在成長率(報道
によると韓国中銀は同国の潜在成長率を2014年10月に3.5%
としています)程度となっています。ただし、GDP成長率を四
半期ごとに見ると低下傾向です(図表2参照)。その上、成長
率の内容を見ると主なプラス項目は在庫投資のマイナス寄
与の縮小で、内需の主な項目である民間消費は前年同期
比+1.4%、総固定資本形成も+1.1%と低水準です。一方、輸出
も足元では円安・ウォン高の影響や石油関連製品の価格下
落を受け不振となっています。ただし韓国は中国との自由貿
易協定(FTA)の2015年内の発効が見込まれており、締結と
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なれば輸出の下支えとなる可能性もあります。
3点目は海外の金融政策の変更です。声明文では主な国々
の金融政策変更をモニターすると述べており、米国だけでなく、
他の中央銀行の動きにも注意を払っている模様です。米国に
ついては対ドルでウォン安が進行する中(図表2参照)、韓国
中銀は資本逃避に対する懸念を表明しています。一方で、中
国や、昨日のタイのようにアジアの多くの近隣諸国が緩和姿
勢を示していることから、今回の利下げにより調整を図った格
好となっています。しかし、韓国中銀の資本逃避への懸念も
強いと見られることから、韓国中銀は当面、米国をはじめ各
国の金融政策動向を当面注視するものと思われます。
韓国中銀は今後公表予定の韓国経済予測でインフレや内需
の動向を確認しつつ、他の国の金融政策を視野に入れなが
ら慎重に政策運営を行うものと見ています。
図表1:韓国政策金利と消費者物価指数(CPI)の推移
(日次、期間:2012年3月12日~2015年3月12日、CPIは月次)
4
3.0
%
%
2.5
3
2.0
2
1.5
1.0
1
韓国政策金利(左軸)
0.5
消費者物価指数(右軸、前年同月比)
0
0.0
12年3月
13年3月
14年3月
15年3月
図表2:韓国ウォン(対ドル)レートとGDP推移
(日次、期間:2013年3月12日~2015年3月12日、GDPは四半期)
1,180 ウォン/ドル
1,150
1,120
1,090
1,060
1,030
1,000
13年3月
韓国ウォン(対ドル,左軸)
韓国GDP(右軸、前年同期比)
%
5.0
4.0
3.0
2014年
10-12月
期 2.7%
14年3月
2.0
1.0
15年3月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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