Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン アジア 2015年3月10日 予想を超えた中国貿易統計の何故 2015年2月の中国貿易統計は輸出は市場予想を上回り、輸入は市場予想を下回りました。全人代で中国政府は構 造改革の推進を維持する方針と見られるだけに、中国経済の下支え要因のひとつとして純輸出に注目しています。 中国貿易統計:1~2月の輸出は海外の回復 を受け予想を超える前年同期比15%増 中国税関総署が2015年3月8日発表した2015年2月の輸出 は前年同月比48%強増加し、市場予想の14%増を上回りま した。ただ春節(旧正月)の連休時期が2014年と異なるため、 統計にはゆがみが指摘されています。それでも、ゆがみが 少ない1、2月を合わせた数字で輸出を見ても前年同期比で 15%増となっています。2月の貿易黒字は606億ドル (約7兆3,200億円)と、2015年1月に記録した過去最高額(60 0億ドル)を上回りました。1、2月の対米輸出は人民元建てで 年初来前年比21%増、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けは 同38%増加しています。 李克強首相は3月5日に始まった全国人民代表大会(全人代、 国会に相当)の政府活動報告で、中国経済の問題点として 過剰生産能力や革新不足などを指摘しています。中国政府 は2015年の貿易目標を6%増に設定しています。 どこに注目すべきか 中国製造業PMI、燃料価格、輸出、人民元 ピクテ投信投資顧問株式会社 図表1:中国製造業PMIと輸入(前年同月比)の推移 (月次、期間:2012年3月~2015年2月) 54 35 % 25 15 5 0 -5 -15 -25 12年3月 輸入(前年同月比、左軸) 中国製造業PMI(右軸) 53 52 51 50 ※PMIは50が景気拡大・縮小の目安 13年3月 49 14年3月 図表2: 人民元(対ドル)レートと貿易収支の推移 (日次、期間:2012年3月5日~2015年3月5日、貿易収支は月次) 6.4 人民元/ドル 安 人民元 高 2015年2月の中国貿易統計は輸出は米国向けなどの回復を 受け市場予想を上回り、輸入は燃料価格の下落などを背景 に市場予想を下回りました。全人代で中国政府は経済成長 に多少目をつぶっても構造改革の推進を維持する方針と見 られるだけに、中国経済のプラス材料のひとつとして、純輸 出に注目しています。 今回の貿易統計に関連して以下の点に注目しています。 まず、輸入がマイナスとなった要因は国内需要の鈍化と燃料 など輸入価格の下落と見られます。通常、製造業購買担当 者景気指数(PMI)などに示される中国国内の経済活動と(原 材料の)輸入の方向性に緩やかながら関係が見られます(図 表1参照)。そのため、足元のPMIの低下傾向が輸入の減少 に寄与した可能性が考えられます。また、輸入の足元の大幅 な減少は主にエネルギー価格下落による輸入価格の低下が 背景と見ています。例えば、原油の輸入数量は年初来前年 比+4.5%であるのに対し、輸入金額は約-44%と大幅に落ち込 んでおり、価格下落の影響が大きくなっています。 次に輸出が好調だったのは、米国や景気が底堅い東南アジ ア向けを中心に輸出が回復したことが予想を上回った要因と 見ています。また、今後はユーロ圏の回復が視野に入る可能 性もあると見ています。ただし、今後は人民元の動向にも注 目しています。昨年の利下げ(図表2参照)頃から、他の新興 国同様、中国も通貨(人民元)安が進行していました。中国は 追加的な金融緩和政策を維持するなど人民元安要因はあり ますが、燃料価格下落などは短期的要因といえ、貿易収支が 過去最高額水準で推移するならば、人民元安の勢いに変化 が見られる可能性もあり注目しています。 億ドル 606億ドル 6.3 6.2 6.1 6.0 12年3月 600 100 人民元(左軸) 貿易収支(右軸) 13年3月 2014年11月の利 下げ頃から、人 民元安傾向 14年3月 -400 15年3月 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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