Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン 欧州 2015年1月20日 ECB国債購入公表の見込みが高まる中、何に注目すべきか 22日のECB政策理事会で国債購入(QE)が公表される見込みですが、関心はむしろ誰が損益を負担するのかと いったQEの設計へとシフトしています。QEの設計によっては効果半減も懸念されるため設計に注目しています。 ECB政策理事会:量的金融緩和に伴う国債 購入の可能性高まる フランスのオランド大統領は2015年1月19日、パリで開かれ た企業経営者や労組リーダーらとの会合で欧州中央銀行(E CB)は恐らく1月22日の政策理事会で、国債購入を発表する との見通しを示しました。ECBは22日にフランクフルトで定例 の政策理事会を開催し、金融政策を検討した後、ドラギECB 総裁が記者会見する予定です。 どこに注目すべきか 期待インフレ率、国債購入規模、リスク分担 報道等によれば22日にECBが政策理事会で国債購入(QE) が公表される見込みとなっています。関心はむしろ誰が損益 を負担するのかといったQEの設計へとシフトしています。19 の国(国債残高のない国も含め)で構成されるユーロ圏での 国債購入の複雑さを物語りますが、QEの設計によってはQE の効果が半減となることも懸念されるため、QEが公表された 場合その設計の内容に注目しています。 まず、QEの必要性を再確認するためにユーロ圏の期待イン フレ率を見ると、ECBのインフレ目標には程遠い水準です(図 表1参照)。なお、足元、期待インフレ率に反転が見られるの はQEの開始を織り込み始めた可能性もあります。原油価格 の下落傾向や、ユーロ圏の景気回復が鈍いことからもユーロ 圏の期待インフレ率の上昇には、ECBの政策対応としてQE の必要性は高まっていると思われます。 次に、市場が想定するQEの規模を要約します。市場が予想 する国債購入規模は5,000億ユーロ程度で、ECBへの拠出金 の比率に応じて各国の国債を2016年末までに購入すると見 込んでいます。加えて、他の債券購入(ABS(資産担保証券)、 カバード債、公表が想定される社債)の予想額を合計すると 2016年末までに5,000億ユーロ程度の購入が見込まれます。 新型長期性資金供給オペ(TLTRO)を含めるとECBのバラン スシート拡大目標額(1兆ユーロ)が視野に入ると思われます。 QEが公表となった場合、国債の購入金額だけでなく、他の債 ピクテ投信投資顧問株式会社 券の購入プログラム金額にも注目することが必要でしょう。 最後に、最も関心が高いリスク分担、国債購入の損失負担に 注目します。要約すれば次の2パターンが検討されています。 ①リスク(損益)を分担:ECBがユーロ圏国債を購入し、リスク はECBへの拠出割合に応じてユーロ圏各国で分担する。 ②各国中銀がリスクを負う:ユーロ圏各国(ドイツやイタリアな ど)の中央銀行がECBの代理で自国の国債を購入し、損益に 関しては各国中銀が無制限のリスクを負う。 ①と②の違いを明確にするために、例として小規模な高債務 国で債務不安が発生した場合を考えます。ある小規模な高債 務国で損失が発生した場合、①のケースでは損失は全体 (ユーロシステム)で負担し、(恐らく)ECBに対する拠出割合に 応じて各国で分担します。ドイツなどの負担が増す形となると 見られ、QEの効果は高いと思われます。 一方、②のケースでは、小規模の高債務国が損失を無制限で 負うことになり、QEの効果が低下する懸念があります。ただ し、表面的にはドイツなどは小規模国の責任を負わない(市場 の動揺を無視するという非現実的な仮定のもとで)点で、大規 模な国にとり受け入れやすい可能性はあります。 報道では、①か②二者択一の選択以外に、①と②を組み合わ せた妥協案も検討されている模様で注目しています。 22日にQEが公表された場合、国債購入額の規模と、バランス シートの拡大方法、さらにリスク分担が注目点と見ています。 RE 図表1:ユーロ圏期待インフレ率の推移 (日次、期間:2014年1月2日~2015年1月19日) 2.4 % 2.2 ※インフレ目標:2%弱 2.0 1.8 1.6 1.4 14年1月 ユーロ圏期待インフレ率 (5年/5年スワップ・フォ ※欧州司法裁: ワードレート) 国債購入に合法見解 14年4月 14年7月 14年10月 15年1月 ※5年/5年スワップ・フォワードレート:5年後から5年間の平均インフレ率予想 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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