「次回の会合で政策の簡素化を開始」の意味するものは?(2015/12/24

*グローバル投資環境
No.1232 *
ご参考資料
髙木証券投資情報部
トルコの金融政策会合~ 10会合連続で主要金利を据え置き。「次回の会合
で政策の簡素化を開始」の意味するものは?
2015年12月24日作成
トルコ中央銀行は22日に金融政策会合を開催、政策金利
を7.50%で据え置いた(翌日物貸出金利は10.75%、同借
入金利も7.25%でそれぞれ据え置き)。同中銀は2015年1
月20日の政策会合で政策金利を50ベーシス、2月24日の会
合でも25ベーシス引き下げたが、その後は10会合連続で
主要金利を維持している。
トルコの景気とインフレに対する声明文の表現は以下
の通りであり、11月24日に開かれた前回会合の声明文か
ら一字一句変わっていない。
「引き締め的な金融政策スタンスとマクロ調整政策
の効果によって、ローンの伸びは引き続き合理的な
レベルにある。好ましい貿易価格と消費者ローンの
緩やかな経過が経常収支の改善に寄与するだろう。
成長の組み合わせは、EU経済からの需要に支えられ
た純輸出にシフトした。エネルギー価格の変化がイ
ンフレに好ましい変化を与えているが、為替レート
の動きがコア指標の改善を遅らせている。グローバ
ル市場の不確かさがインフレに与えるインパクトと、
エネルギーと食品価格のボラティリティを考慮して、
流動性の引き締めを必要な限り長く続けることを決
定した」
11月
9.22%
11月
8.10%
ところで、米国が今月15~16日に開いたFOMCでゼロ金
利を7年ぶりに解除して以降、トルコからの資金流出を懸
念する報道が目立ち、市場の一部には今回の金融政策会
合において利上げが実施されるとの見方もあったが、米
国の利上げ後もトルコの通貨リラは堅調に推移している。
こうした状況下、金融政策の先行きについて声明文が、
「将来の政策決定はインフレ見通し次第である。インフレ期待、価格の様態、インフレ
に影響を与える他の要素を考慮すれば、タイトな金融政策スタンスが維持されるだろ
う」と述べている点は前回と同じだが、その後に、「世界的な政策正常化の開始後にみ
られたボラティリティーの低下が続けば、次回の会合で金融政策の簡素化の歩みが開始
されるだろう」という一文が加えられた。
トルコを含むいくつかの新興国にとっては、通貨に対する売り圧力が強まるきっかけ
になる可能性が指摘された米国の利上げがボラティリティーの低下をもたらすと、中銀
がみていることは意外だが、「金融政策の簡素化」とは何をいるのだろうか?筆者には
「金利コリドー」の撤廃ぐらいしか思い付かないのだが…
(文責:勇崎 聡)
(データ出所:トルコ中央銀行及びBloombergより髙木証券作成)
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