*グローバル投資環境 No.1288* ご参考資料 髙木証券投資情報部 雇用の伸びは堅調だが、平均時給は 米国2月雇用統計~ 前月比で減少 2016年3月7日作成 *米国労働省が3月4日に発表した2月の雇用統計によると、事業所 調査に基づく非農業部門雇用者数変化は24.2万人の増加となり、市 場予想(19.5万人増)を上回った。なお、過去の雇用者数変化につ いては、12月分が26.2万人増から27.1万人増へ、1月分についても 15.1万人増から17.2万人増にそれぞれ上方修正された。 *2月の雇用者数変化を業種別でみると、財生産部門とサービス部 門で明暗が分かれる結果となっている。鉱山・採石業が1.8万人減少 し、1月の0.9万人減から落ち込みが拡大したほか、製造業が1月の 2.3万人増から1.6万人の減少に転じるなどした結果、財生産部門全 体でも1月が2.9万人増だったのに対して、2月は1.5万人減少した。 一方、2月の民間サービス分野の雇用者数変化は24.5万人増となっ て、1月の15.3万人増を大きく上回った。 *失業率は4.9%となり、2008年4月以来の低水準だった1月から横 這った。また、労働参加率は前月比0.2ポイント上昇の62.9%となり、 3ヶ月連続で前の月を上回るとともに、昨年1月以来の水準となった。 一方、時間当たり平均賃金は1月の25.38ドルから25.35ドルに減少、 前年同月に比べた伸び率も1月の2.5%増から2.2%増に低下した。 *昨年12月15~16日のFOMCで利上げを実施したFRBは、1月26 ~27日に開かれた前回のFOMCでは利上げを見送ったが、それ以降 のFRB関係者の発言も総じて「ハト派」であるため、今月15~16日開 催の次回のFOMCでも、FF金利の誘導目標は0.25~0.50%で据え 置かれる可能性が高いと思われる。しかし、「ハト派」発言の主な背景 は、海外の経済と金融市場混乱の影響が米国経済に与える影響を 見極めたいというものであり、今回発表された雇用統計では、平均賃 金の減少は予想外だったものの、雇用者数変化や労働参加率に対 しては前向きな評価が可能なほか、先に発表された1月のPCEは、 FRBのインフレ目標である2%には届いていないものの、2013年2月 以来の高い伸びとなる1.7%に達していることを考えれば、「今後の金 融政策正常化のペースは経済指標次第(Data Dependent)である」 というFRBの基本方針に基づくのであれば、今月のFOMCで利上げが 議題にのぼっても不思議ではないと思われる。 《雇用統計主要計数》 12月 1月 2月 非農業部門雇用者数変化(千人) 271 172 242 平均時給($) 25.26 25.38 25.35 平均時給前年同月比(%) 2.6 2.5 2.2 労働参加率(%) 62.6 62.7 62.9 失業率(%) 5.0 4.9 4.9 *一部の市場関係者の間では、今月のFOMCでの利上げ見送りだけ ではなく、年内の追加利上げそのものが疑問視されているようだが、 昨年の10月には昨年中の利上げはないとの見方が主流になったよう に、FRBの金融政策に関する市場予想は極端な方向に傾き勝ちなた め、髙木証券ではそうした見方には賛同出来ないと考えており、グロ ーバル金融市場が落ち着きさえすれば、FRBは速やかに追加の利上 げに踏み切る可能性が高いと予想している。 (文責:勇崎 聡) (出所:米国労働省及びBloombergのデータより髙木証券作成) 《ご注意いただきたいこと》当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願い いたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありませ ん。株式、債券、投資信託等は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。また、当資料の いかなる部分も一切の権利は髙木証券に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転 送等を行わないようお願いいたします。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよく お読みください。 商号等:髙木証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第20号 【広告審査済】 加入協会:日本証券業協会 髙木証券インターネットホームページ:http://www.takagi-sec.co.jp/
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