PowerPoint プレゼンテーション

*グローバル投資環境
No.1249*
ご参考資料
髙木証券投資情報部
ECB理事会~次回理事会で政策を再考する可能性を示唆
2016年1月22日作成
ECBは1月21日に開催した理事会において、政策金利である主要借換金利を0.05%、中銀貸出
金利を0.30%、同預金金利を▲0.30%でそれぞれ据え置いた。なお、ECBは12月3日に開いた前
回の理事会において以下の内容からなる追加緩和を実施している。
① 中銀預金金利を▲0.2%から▲0.3%に引き下げ(政策金利である主要借換金利は0.05%、中
銀貸出金利は0.3%で据え置き)
② 昨年3月9日に開始した資産買入プログラムの期間について、従来「少なくとも2016年の9
月まで」としていた期間を「2017年3月まで」延長、必要に応じてそれ以降も継続する
③ 資産買入プログラムで買入れた証券のうち満期が到来したものについての再投資を必要な
限り実施する
④ 従来のソブリン債(欧州機関債を含む)に加え、ユーロ圏に位置する地域及び地方政府が
発行する証券を資産買入プログラムの対象とする
⑤ 銀行に対する固定金利での無制限の流動性の供給を少なくとも2017年末まで継続する
理事会後の会見でドラギ総裁は、「定期的な経済と金融に関する
我々の分析に基づくとともに、先月実施した金融政策の見直しを
受けて、主要金利を据え置くと同時に、これを長期に亘って現状
またはそれ以下に維持することを想定する」と述べるとともに、
先月実施した追加緩和については「全く適切である」とした上で、
「銀行システムに対してかなりの追加の流動性をもたらすととも
に、金利に関する我々のフォワードガイダンスを強めるだろう」
と自己評価している。
一方、「新年の始まりとともに、新興市場経済の成長見通しに
関する不確かさの高まり、金融及び商品市場におけるボラティリ
ティー及び地政学的リスクによってダウンサイドリスクが増して
いる。想定される2016年のインフレの道筋は、12月初め時点での
見通しを相当に下回っており、それゆえに2018年が初めてカバー
される新しい経済見通しが公表される3月初めの次回会合における
レビューが必要であり、我々の金融政策のスタンスを再考する可
能性がある」と述べている。
ドラギ総裁の発言を受けてユーロ圏の債券利回りが軒並み低下
するとともに、為替市場では通貨ユーロが下落した。可能性のあ
る政策の見直しとしては、預金金利のもう一段の引き下げや、前
回理事会で見送られた資産買入規模の拡大が挙げられようが、追
加のアクションの必要性を左右するのは外部要因だと思われ、昨
年10月の理事会でのドラギ総裁の発言により高まった市場の期待
が、12月の理事会の結果を受けて失望に変わった例があるだけに、
過度の思惑は慎んだ方が良いように思われる。
(文責:勇崎 聡)
(出所:ECB及びBloombergデータより髙木証券作成)
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