PowerPoint プレゼンテーション

*グローバル投資環境
No.1352 *
ご参考資料
髙木証券投資情報部
インドネシアの金融政策~利下げの条件は整っているが…
2016年5月20日作成
インドネシア中銀は18日から19日にかけて金融政策会 ▼政策金利及びインフレ率(%)
政策金利
合を開催、政策金利である1年ものレファレンスレートを
6.75% ↓
6.75%で据え置いた。同中銀は、今年の1月から3月にか
けて3会合連続で25ベーシス、累計で75ベーシスの利下げ
を実施したが、その後は2会合続けて政策金利を据え置い
ている。また、金融政策の伝達効果を改善する目的で、8
↑インフレ率 (前年同月比)
月19日をもって政策金利とされることが決まっている7日
4月+3.60%
ものリバースレポ金利についても5.5%で据え置いた。
去る5月4日に発表された第1四半期のGDPは前年同期比 ▼GDP(前年同期比、%)
1Q 4.92%
4.92%増となり、昨年第4四半期の5.04%増から減速し、
中銀による事前予想(5.1~5.2%増)を下回ったが、未
達の背景について中銀は、政府による資本支出が加速し、
物価の安定を背景に家計消費が堅調な伸びを維持する一
方で、政府消費と民間投資の伸びが限定的だったことを
挙げている。中銀は一方で、インフラプロジェクトの加 ▼経常収支(百万米ドル)
速や、インフレの緩和とインカム増加期待を背景に、家
計消費がモメンタムを得るとの見方から、今後の成長は
リバウンドすることを見込んでいるものの、2016年通年
の成長見通しについては5.0~5.4%とし、従来の5.2~
5.6%から引き下げたが、その理由としては、先に述べた
通り、第1四半期の目標未達に加え、グローバル経済の成 ▼為替(インドネシアルピア)
長が従来の想定よりも低いことを挙げている。
一方、第1四半期の経常赤字は、GDP比で2.1%となり、
昨年第4四半期の2.4%から低下した。また、インフレ率
は3月の4.45%から4月は3.60%に低下、中銀は2016年の
インフレは4±1%のターゲットの範囲にとどまることを
引き続き予想するなど、マクロ環境は総じて落ち着いて
いる。髙木証券では、次の利下げは先に述べた新政策金 ▼10年国債債利回り(%)と株価
利が定着した後となる可能性が高いと考えているが、マ
ルトワルドヨ総裁は、マクロ経済状況が十分に維持され
れば、新政策金利導入までの移行期間に政策を変更する
ことが可能だとの認識を示しており、必要があれば追加
の利下げも辞さない構えのようだ。
(文責:勇崎 聡)
(インドネシア中銀、インドネシア中央統計庁及びBloombergデータより髙木証券作成)
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