インドネシアの金融政策〜3会合連続で『良い利下げ』を実施

*グローバル投資環境
No.1301 *
ご参考資料
髙木証券投資情報部
インドネシアの金融政策~3会合連続で『良い利下げ』を実施
2016年3月18日作成
インドネシア中銀は17日に金融政策会合を開催、政策金 ▼政策金利及びインフレ率(%)
政策金利6.75% ↓
利を7.00%から6.75%に引き下げた。同中銀は2014年11月
18日の金融政策会合で25ベーシスの利上げ、2015年2月17日
の会合では逆に25ベーシスの利下げを行った後は10会合連
続で政策金利を据え置いていたが、今年に入ってからは1月
14日の金融政策会合を皮切りに、3会合連続で25ベーシス、
↑インフレ率 (前年同月比)
累計で75ベーシスの利下げを実施したことになる。
2月+4.42%
声明文が挙げている利下げの背景は前回会合と概ね同じ
であり、金融政策には大きな緩和余地があるとする背景に、 ▼GDP(前年同期比、%) 1Q 4.73%
2Q 4.66%
強固なマクロ経済の安定、とりわけ2016年から2017年にか
3Q4.74%
4Q5.04%
けてのインフレ圧力の根強い低減を見込むほか、グローバ
ル金融市場の不確実性の低下を挙げている点は、米国の中
央銀行であるFRBが15日から16日にかけて開いたFOMCでの利
上げを見送った背景として、「グローバル経済と金融の動
向がリスクをもたらしている」と指摘いたのとは対照的だ。
一方、グローバル金融市場の不確実性が低下した理由につ
いてインドネシア中銀が、FRBは利上げを緩やかに行うと見
込まれていることや、ECBや日銀によるマイナス金利など、
先進国の緩和的な金融政策を挙げている点も興味深い。
▼為替(インドネシアルピア)
国内経済については、「財政刺激の加速によって、2016
年の第1四半期を通して改善する可能性がある」と述べると
ともに、「第1四半期の成長は前期を上回ることが見込まれ
る」とした上で、2016年については5.2~5.6%という従来
の成長見通しを維持(2015年通年の成長率は4.79%)して
いる。一方、2月のインフレはコントロールされていると述
べて、2016年の目標(4±1%)達成に自信を示している。
▼長期債利回り(%)と株価
インドネシアの株式市場は昨年7月以来の水準を回復して
いるほか、10年国債利回りは昨年4月以来の低水準、通貨ル
ピアは米ドルに対して昨年5月以来の高値を付けている。
髙木証券では、インフレの鎮静化を背景に、中銀が景気
の底入れをさらに確かなものにするための「良い利下げ」
を継続しているインドネシアに対するポジティブな見方を
継続したい。
(文責:勇崎 聡)
(インドネシア中銀、インドネシア中央統計庁及びBloombergデータより髙木証券作成)
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