マーケットウィークリー・646号 2011.8.5・8.12 企業ニュース 住友精密工業 (東証1部:6355) http:// www.spp.co.jp/ 航空宇宙事業、LNG気化装置等の産業機器が柱 作成者:安藤富士男 ◇事業別構成比 (11.3期) 120 設立は1961年(昭和36年)。住友金属工業の航空 % 98 航空宇宙 100 機器事業部を継承、現在の住友精密工業が発足。が、 産業機器 80 母体の同事業部は1916年(大正5年)に住友伸銅所 62 で航空機体材料のジュラルミンの開発を始めたほか 60 38 25年(同14年)にプロペラ翼素材の製造販売と歴史 40 は古く実績豊富。今では航空宇宙事業(11.3期売上 20 2 構成比38%)のほか、世界NO.1のLNG気化装置 0 やオゾン発生装置を含む高度水処理システムなどの 売上構成比 営業利益構成比 産業機器事業(同62%)が収益柱。 ( 出所)住友精密決算短信よりCAM作成 現在、航空宇宙事業は、次世代型旅客機B787に搭 載するロールスロイス社製エンジンTrent-1000シリーズの熱交換器やホンダが自主開発 した小型ビジネス旅客機の脚システム(降着装置)の設計・製造を担当。このほか、海上 自衛隊の飛行艇(US-1A、2A)や対潜哨戒機P3C、輸送機C-130のプロペラの製造等 を担当。産業機器ではLNG気化装置の増産などのほか、新たに油田で発生する随伴ガス から合成原油を生成する反応器を開発した。現在ブラジルの国営石油会社ペトロブラス社 の油田にパイロットプラント(日量20バレル)を設置、今1月よりテスト運転中。今12.3期中 にも同社より商用プラント(同1,600バレル)を受注する公算大。随伴ガスの多くは油田に再 圧入するか焼却処理されているだけに、原油高が続く中、今後の受注成約に期待したい。 12.3期の減収、営業・経常減益は子会社譲渡によるもの、58億円の特別益計上へ 12.3期業績は、下表のとおり、前期比8%の減収、営業利益段階で33%の減益予想。これ は、連結集計対象の英国子会社SPP社を売却、第3四半期(10-12月)以降、連結より外 れることが主因。半面、58億円の特別利益を計上、最終利益は資産の減損等を埋めて56億 円、16%増益を見込む。同社は収益変動が大きい半導体製造装置関連が主業。売却益を主 力の航空宇宙事業やエネルギー、環境分野に集中投資、高収益企業をめざす考え。 [株価動向・投資判断] 今期予想PERは特別利益の計上もありわずか5.1倍、前期実績PBR1.02倍と割安。 <連結業績> 決算期 売上高 百万円(伸び率%) 営業利益 百万円(伸び率%) 10.3 11.3 42,766(▲12) 56,236( 32) ▲799( 5,026( 12.3予 52,000( ▲8) 3,350(▲33) 1000 900 800 700 600 500 400 300 200 [週足] 13週平均 26週平均 -) -) 経常利益 当期利益 百万円(伸び率%) 百万円(伸び率%) ▲1,660( 4,113( -) -) ▲2,818(173) 4,810( -) 2,550(▲38) 5,600( 16) 1株利益 円 1株配当 円 ▲53.2 90.8 5.00 記8.00 7.00 KAR (売買単位:1000株) A 105.7 [主要株価指標] 株価(2011/8/2) 541 円 年初来高値(高値日) 780 円(6/23) 同 安値(安値日) 389 円(1/ 4) 予想PER(12.3予) 5.1 倍 1株株主資本(11.3) 528.9 円 PBR(11.3) 1.02 倍 予想配当利回り (年7円で) 1.29 % ROE(11.3) 18.5 % 発行済み株式数 5,317 万株
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