大同工業(6373)

2015 年 8 月 24 日
大同工業(6373)
担当 織田真由美
レーティング:OUTPERFORM(2014/11/25)→
NEUTRAL
新興国市場の需要鈍化、下方修正懸念あり。
売上高
(百万円)
伸び率
(%)
連 12/3
38,393
連 13/3
37,851
連 14/3
42,889
連 15/3
44,562
連 16/3(予)
46,700
第 1 四半期累計期間
連 14/4-6
10,573
連 15/4-6
11,100
株価(2015/8/24)
期末発行済み株式数(15/6 末)
期末自己株式数(15/6 末)
時価総額
企業価値(EV)
ROE(15/3 実績)
予想配当利回り
予想 PER
BPS(15/6 実績)
PBR
CFPS(15/3 実績)
PCFR
EV/EBITDA(15/3 実績)
営業利益
(百万円)
伸び率
(%)
経常利益
(百万円)
伸び率
(%)
純利益
(百万円)
伸び率
(%)
EPS
(円)
1 株配
(円)
+1.2
-1.4
+13.3
+3.9
+4.8
911
704
2,436
2,125
2,400
-36.4
-22.7
+245.8
-12.7
+12.9
993
992
2,954
2,577
2,300
-28.5
-0.1
+197.6
-12.8
-10.8
424
695
1,614
961
1,100
-49.9
+64.0
+132.1
-40.5
+14.4
9.01
14.78
34.31
20.42
23.37
3.00
3.00
6.00
5.00
5.00
+4.0
+5.0
665
746
209
47,171
103
9,859
28,451
4.9
2.4
8.9
441.56
0.5
56.3
3.7
7.4
+1.6
+12.2
円
千株
千株
百万円
百万円
%
%
倍
円
倍
円
倍
倍
722
517
-16.8
-28.5
478
111
-10.2
-76.6
10.16
2.38
-
株価チャート(週足)
出所:大同工業、ブルームバーグ、今村証券
二輪車チェーンの国内最大手で 7 割のシェアを持つ。海外では 3 割程度のシェア。大型二輪
車向けに強みがある。四輪車用や産業機械用も手がけるが、売上高の 4 割程度が二輪車用である
ことから、業績は二輪車市場の動向に左右されやすい。
生産拠点は日本、タイ、インドネシア、中国、ブラジル、インド。また、2014 年に米国で四
輪車用チェーンの生産を開始した。
2016 年 3 月期第 1 四半期決算は増収・営業
増益。主力の二輪車用で、日米欧の景気回復
を背景に大型車向けが伸びたことから国内が
順調で、昨年一貫生産を開始したインドの受
注も好調だった。四輪車用では国内が低迷し
たものの、量産を開始した米国やタイ、イン
ドネシアで堅調だったことが増収につながっ
た。営業利益は増収効果に加え、インドや米
国での本格生産によって生産効率が改善した
ことで 12.2%の増益と堅調だ(資料1参照)
。。
ただ、経常利益は為替差損を 2 億 90 百万円計
上したことで減益。対米ドルや対ユーロでは
円安が進行したものの、ブラジルレアルなど
の対新興国通貨で円高が進行したことが要因
資料1:売上高と売上高営業利益率(四半期)
大同工業(6373)
1
2015 年 8 月 24 日
だ。
足元の世界の二輪車需要は伸び悩んでいる。
二輪車需要は 2020 年頃に 7500 万台程度に拡大
すると見られるものの、足元では新興国経済の
成長鈍化が足かせとなっている。最大市場のイ
ンドが伸び悩み、インドネシアは前年比 2 桁減
少が続いている。ヤマハ発動機では 8 月に、
2015 年の世界の二輪車需要見通しを 2 月時点
の 5639 万 6 千台から 5418 万台に下方修正した
(資料2参照)。大同工業では二輪車の新車販
売が伸び悩んでも、補修市場が好調に推移する
とみており、需要減少の影響は軽微としている
ものの、新興国の需要動向には注意が必要だ。
資料2:世界二輪車総需要
出所:ヤマハ発動機
中長期的には新興国のモータリゼーション
による二輪車需要の拡大、四輪車用事業でのシ
ェア拡大、及び設備投資回復による産業機械用やコンベヤ関連の回復が収益拡大要因となる。こ
れに向けて、注力するアジア市場では、日系メーカーの海外調達に対応するとともに、現地での
補修市場をにらんで、2014 年にインドで二輪車用チェーンの一貫生産を開始した。足元のイン
ドの受注は好調が続いている様子だ。一方、米国では四輪車用チェーンの生産を開始した。これ
までは日本からの輸出で対応していたが、米国で組立生産することで、日系自動車メーカーの米
国やメキシコでの生産に対応する。
第 1 四半期決算は為替差損が想定外だったものの、今期業績予想は据え置いている。補修市
場は下期に伸びる傾向があること、利益率が高いことが据え置きの理由だ。ただ、足元の新興国
需要の低迷が懸念材料となっており、下方修正の可能性もありそうだ。投資判断はNEUTRA
Lに引き下げる。
尚、想定為替レートは 1 米ドル=110 円、1 ユーロ=130 円。為替感応度は対ドルで 1 円の円
安で 20 百万円の増益要因、対ユーロで 1 円の円安で 15 百万円の増益要因となる。ただ、新興国
通貨の下落が足を引っ張る懸念もある点には注意が必要だ。
(参考)同業他社のバリュエーション(株価 8 月 24 日終値)
直近株価 売上高
(円)
(百万円)
6373 大同工業
209
6371 椿本チエイン
910
44,562
46,700
196,738
206,000
伸び率
(%)
3.9
4.8
10.5
4.7
営業利益
(百万円)
2,125
2,400
21,427
22,000
伸び率
(%)
-12.7
12.9
23.5
2.7
経常利益
(百万円)
2,577
2,300
22,263
22,400
伸び率
(%)
-12.8
-10.8
23.7
0.6
純利益
(百万円)
伸び率
(%)
EPS
(円)
配当金
(円)
BPS
(円)
予想
PER
(倍)
予想
配当
利回り
961
-40.5
20.42
5.00 439.44
0.5
1,100
14.4
23.37
5.00
8.9
2.4%
14,153
38.6
75.65
16.00 750.63
1.2
15,000
6.0
80.17
20.00
11.4
2.2%
(上段は2015年3月期、下段は2016年3期見通し。BPSは2015年3月期実績。)
---------------------------------------------------------------------------------------------------------アナリストによる証明
本資料に示された見解は、言及されている発行会社とその発行会社等の有価証券について、各アナリストの個人的見解
を正確に反映しており、さらに、アナリストは本資料に特定の推奨または見解を掲載したことに対して、いかなる報酬
も受け取っておらず、今後も受け取らないことを認めます。
大同工業(6373)
2
PBR
(倍)
2015 年 8 月 24 日
---------------------------------------------------------------------------------------------------------レーティングの定義
O U T P E R F O R M:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンを 10%超上回ると予想される。
N E U T R A L:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。
U N D E R P E R F O R M:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンを 10%超下回ると予想される。
トータルリターン:株価変動率+配当利回り
目標株価は 12 ヵ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。
---------------------------------------------------------------------------------------------------------本資料に記載された意見及び予想は、記載された日付における今村証券の判断であり、これらは予告なく変更される場
合があります。今村証券は本資料の記載された日付以降に内容の変更・修正を行う義務を負いません。本資料はお客様
への情報提供のみを目的としたものであり、特定の有価証券売買に関する申込または勧誘を意図するものではなく、お
客様に対して投資の助言を提供するものでもありません。また、本資料に記載されている情報もしくは分析がお客様に
とって適切であると表明するものでもありません。投資に関する最終決定はあくまでもお客様ご自身の判断でなさいま
すようお願い申し上げます。
本資料に記載された内容は、信頼できると思われる情報、または信頼できる情報源から得た情報を基に今村証券が作成
しておりますが、機械作業上データに誤りが発生する可能性があります。当社はその内容の正確性や妥当性、適時性ま
たは完全性を保証するものではありませんし、本資料における過誤又は遺漏に対して何らの責任を負うものでもありま
せん。本資料でインターネットのアドレス等を記載している場合がありますが、当社自身のアドレスが記載されている
場合を除き、アドレス等の内容について当社は一切責任を負いません。本資料は、当然にお客様の投資結果を保証する
ものではございませんので、今村証券は、本資料の内容について第三者のいかなる損害賠償の責任を負うものでもあり
ませんし、お客様が本資料に依拠した結果としてお客様が被った損害または損失については一切責任を負いません。ま
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または売りのポジションを有している場合があり、今後自己勘定で売買を行うことがあります。また、当社および関係
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