2015 年 6 月 10 日 エイチアンドエフ(6163) 担当 織田真由美 レーティング: NEUTRAL NEUTRAL(2014/12/8)→ 割安感あるものの、新興国の経済減速懸念や流動性の低さが課題。 売上高 (百万円) 伸び率 (%) 連 12/3 18,208 連 13/3 23,779 連 14/3 25,474 連 15/3 24,045 連 16/3(予) 23,000 株価(2015/6/9) 期末発行済み株式数(15/3 末) 期末自己株式数(15/3 末) 時価総額 企業価値(EV) ROE(15/3 実績) 予想配当利回り 予想 PER BPS(15/3 実績) PBR CFPS(15/3 実績) PCFR EV/EBITDA(15/3 実績) +41.8 +30.6 +7.1 -5.6 -4.3 営業利益 (百万円) 伸び率 (%) 経常利益 (百万円) 705 2,716 2,848 2,781 2,580 1,448 9,850 0 14,263 6,131 16.0 2.8 8.4 1,192.22 1.2 125.5 11.5 2.0 529.6 +284.8 +4.9 -2.4 -7.2 円 千株 千株 百万円 百万円 % % 倍 円 倍 円 倍 倍 729 2,671 2,800 2,715 2,550 伸び率 (%) 483.8 +266.2 +4.8 -3.0 -6.1 純利益 (百万円) 655 1,601 1,827 1,776 1,700 伸び率 (%) EPS (円) +144.3 +14.1 -2.8 -4.3 66.53 162.57 185.54 180.35 172.59 1 株配 (円) 15.00 30.00 40.00 40.00 40.00 株価チャート(週足) 出所:エイチアンドエフ、ブルームバーグ、今村証券 日立造船グループのプレス機械メーカー。売上高のほぼ 100%が自動車向けで、ドアパネルや ボンネットなどの製造に使われる 500 トン以上の大型プレス機械に特化している。搬送装置など のプレス機械周辺自動化装置や電子制御機器なども取り扱っており、プレス装置のトータルコー ディネーションを行えることが強み。国内自動車メーカーが主たるユーザーであることから、国 内自動車メーカーの設備投資の影響を受けやすい(資料1、資料2参照) 。 2015 年 3 月期連結業績は小幅に減収減益。2014 年 3 月期の受注高が伸び悩んだ影響で減収と なったものの、利益率の高いアフターサービス工事の増加やコスト削減効果によって利益率を維 資料1:国内自動車メーカー7 社設備投資 資料2:受注高・売上高・受注残高推移 エイチアンドエフ(6163) 1 2015 年 6 月 10 日 持、過去最高の売上高、利益となった前年度 に続く水準となった。一方、受注高は前年比 10.6%減の 233 億 86 百万 円と減少した。F Aシステム製品やアフターサービス工事が 増加した反面、プレス機械が前年比 29.0%減 と大幅に減少したことが足を引っ張った。北 米やインドネシアが大きく増加したものの、 中国やタイでの自動車販売が低迷している ことを背景に、メーカーが設備投資の時期延 期など慎重な姿勢を見せだしたことが同地 域での受注減少につながった。とはいえ、同 社の受注残高は 215 億 48 百万円と高水準を 維持しており、業績の下振れ懸念は少ない。 資料3:地域別受注高 今後の事業展開については、アフターサービス強化、新技術・新商品開発のスピードアップ、 さらなるグローバル化の推進などを掲げている。トヨタ自動車が中国とメキシコに新工場を建設 するほか、三菱自動車もインドネシアで新工場の建設を計画するなど、自動車メーカーの新工場 建設案件が出てきているものの、プレス機械は大型の設備投資案件であるだけに受注には波があ る。そのため同社はアフターサービス工事の強化を図っている。米国、欧州、タイ、マレーシア で子会社を通じてアフターサービス工事を行っているほか、2014 年 8 月に親会社である日立造 船の中国現地法人を活用した営業を開始した。また、機械納入後に顧客を定期的に訪問すること で計画的なアフターサービス工事の受注、及び潜在的なニーズの掘り起こしを図っている。 一方、新技術・新商品開発では、自動車用鋼板のブランキング加工を従来のプレス加工ではな く高速レーザー切断機で切断加工するレーザーブランキング加工の開発や、車体の軽量化対応や 新素材成形などの技術開発に取り組んでいる。新素材成形については課題が多く、実用化には時 間を要しそうだが、今後の展開に期待が持たれる。 今期業績については小幅な減収減益、受注高は前期比 1.7%減の 230 億円の見通しだ。アセア ンなど新興国の経済減速などリスク要因はあるものの、200 億円を超える受注残高が業績の支え となり、高水準の業績を堅持する見通しだ。このうち注力するアフターサービス工事では、上期 の売上高を 34 億円、下期を 21 億円、通期で 55 億円(前期比 8.3%減)としており、下期につい ては上ブレ余地がありそうだ。利益率の高い部門だけに利益面の寄与が期待される。 熱可塑性炭素繊維強化プラスチック (CFRTP)のプレス成形機開発との報道で株 価は 2014 年 3 月に一時 3000 円を突破したが、 足元では 1300 円から 1700 円程度で推移して いる。予想 PER などのバリュエーションは割 安だが、同社の PER は 10 倍以下で推移する ことが多い(資料4参照)。割安感が強いこ とから株価が下押す懸念は少ないものの、新 興国経済の先行き不透明感や、流動性の低さ が課題となっている様子で、ジャスダック市 場の平均 PER18 倍程度への水準訂正には材 料がほしいところだ。投資判断はNEUTR AL継続とする。 下段 エイチアンドエフ(6163) 2 資料4:上段 株価チャート PER 推移(赤:H&F、青:日経平均株価) 出所:ブルームバーグ 2015 年 6 月 10 日 (参考)プレス機械メーカーのバリュエーション(株価は 6 月 9 日終値) 株価 6163 JQ 6118 東1部 エイチアンドエフ 1,448 アイダ 1,448 売上高 (百万円) 伸び率 (%) 24,045 23,000 76,897 78,000 -5.6 -4.3 10.5 1.4 営業利益 (百万円) 2,781 2,580 7,863 7,900 伸び率 (%) -2.4 -7.2 24.4 0.5 経常利益 (百万円) 2,715 2,550 8,208 8,100 伸び率 (%) -3.0 -6.1 22.2 -1.3 純利益 (百万円) 1,776 1,700 6,205 6,000 伸び率 (%) -2.8 -4.3 21.0 -3.3 EPS (円) 配当金 (円) BPS (円) 予想 PER (倍) 予想 配当 利回り 180.35 40.00 1,192.22 1.2 172.59 40.00 8.4 2.8% 100.99 30.00 1,088.96 1.3 97.37 30.00 14.9 2.1% (上段は2015年3月期、下段は2016年3期見通し。) ---------------------------------------------------------------------------------------------------------アナリストによる証明 本資料に示された見解は、言及されている発行会社とその発行会社等の有価証券について、各アナリストの個人的見解 を正確に反映しており、さらに、アナリストは本資料に特定の推奨または見解を掲載したことに対して、いかなる報酬 も受け取っておらず、今後も受け取らないことを認めます。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------レーティングの定義 O U T P E R F O R M:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンを 10%超上回ると予想される。 N E U T R A L:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 U N D E R P E R F O R M:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンを 10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は 12 ヵ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------本資料に記載された意見及び予想は、記載された日付における今村証券の判断であり、これらは予告なく変更される場 合があります。今村証券は本資料の記載された日付以降に内容の変更・修正を行う義務を負いません。本資料はお客様 への情報提供のみを目的としたものであり、特定の有価証券売買に関する申込または勧誘を意図するものではなく、お 客様に対して投資の助言を提供するものでもありません。また、本資料に記載されている情報もしくは分析がお客様に とって適切であると表明するものでもありません。投資に関する最終決定はあくまでもお客様ご自身の判断でなさいま すようお願い申し上げます。 本資料に記載された内容は、信頼できると思われる情報、または信頼できる情報源から得た情報を基に今村証券が作成 しておりますが、機械作業上データに誤りが発生する可能性があります。当社はその内容の正確性や妥当性、適時性ま たは完全性を保証するものではありませんし、本資料における過誤又は遺漏に対して何らの責任を負うものでもありま せん。本資料でインターネットのアドレス等を記載している場合がありますが、当社自身のアドレスが記載されている 場合を除き、アドレス等の内容について当社は一切責任を負いません。本資料は、当然にお客様の投資結果を保証する ものではございませんので、今村証券は、本資料の内容について第三者のいかなる損害賠償の責任を負うものでもあり ませんし、お客様が本資料に依拠した結果としてお客様が被った損害または損失については一切責任を負いません。ま た、今村証券は本資料に関するお客様からのご質問やご意見に対して、何ら対応する責任を負うものではありません。 当社および関係会社の役職員は、本資料に記載された証券について、ポジションを保有している場合があります。当社 および関係会社は、本資料に記載された証券、同証券に基づくオプション、先物その他の金融派生商品について、買い または売りのポジションを有している場合があり、今後自己勘定で売買を行うことがあります。また、当社および関係 会社は、本資料に記載された会社に対して、引受等の投資銀行業務、その他サービスを提供し、かつ同サービスの勧誘 を行う場合があります。 日本および外国の株式・債券への投資は、株価の変動や、発行者の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評 価の変化、金利・為替の変動などにより、投資元本を割り込むリスクがあります。 本資料は当社の著作物であり、著作権法により保護されております。当社の事前の承認なく、また電子的・機械的な方 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