2015 年 2 月 10 日 エヌアイシ・オートテック(5742) 担当 織田真由美 レーティング: NEUTRAL(2011/8/5)→ NEUTRAL 今期上方修正期待ながら、足元の受注伸び悩みが懸念材料。 売上高 (百万円) 伸び率 (%) 単 11/3 4,992 単 12/3 5,968 単 13/3 5,363 単 14/3 5,456 単 15/3(予) 6,110 第 3 四半期累計期間 連 13/4-12 4,135 連 14/4-12 4,923 株価(2015/2/9) 期末発行済み株式数(14/12 末) 期末自己株式数(14/12 末) 時価総額 企業価値(EV) ROE(14/3 実績) 予想配当利回り 予想 PER BPS(14/3 実績) PBR CFPS(14/3 実績) PCFR EV/EBITDA(14/3 実績) 営業利益 (百万円) 伸び率 (%) 経常利益 (百万円) 伸び率 (%) 当期利益 (百万円) 伸び率 (%) EPS (円) 1 株配 (円) +95.3 +19.5 -10.1 +1.7 +12.0 84 268 192 335 355 +219.4 -28.1 +73.9 +6.0 94 274 200 344 359 +192.1 -27.1 +72.1 +4.4 46 152 120 205 225 +225.5 -21.1 +70.6 +9.8 861.79 2,805.36 22.12 37.73 41.29 800.00 1,200.00 900.00 14.00 17.00 +21.1 +19.1 256 400 615 5,500 51 3,383 3,007 6.5 2.8 14.9 599.79 1.0 5.1 121.5 3.1 +458.4 +56.4 円 千株 千株 百万円 百万円 % % 倍 円 倍 円 倍 倍 260 404 +428.8 +55.6 155 255 +465.3 +64.5 28.55 46.96 - 株価チャート(週足) 出所:NICオートテック、ブルームバーグ、今村証券 2013 年 4 月 1 日付で普通株式 1 株につき 100 株の割合で株式分割を実施。 工作機械の取扱を行う商社を母体とし、洗浄、搬送・梱包やクリーンブースなどの装置製造 (資料1参照)、アルミ製の生産設備用構造材「アルファフレーム」 (資料2参照)の製造を手が ける。それぞれの部門が相互にシナジー効果を活かし、生産ラインにおけるソリューションビジ ネスを展開している。 資料1:装置(図は洗浄装置) 資料2:アルファフレーム(マーキングシステム) NICオートテック(5742) 1 2015 年 2 月 10 日 同社の強みは生産設備構築におけるトータルソリューションにある。企業の設備投資に際し、 商社部門で工作機械などの仕入・販売を行うほか、機械に材料などを搬送する装置や、機械で加 工された部品などの洗浄、搬送、梱包を行う装置の開発・製造も行う。さらに設備構築に際して 使用されるアルミ構造材「アルファフレーム」を製造する。三つの部門で、製造ラインを一体と して提供できることが強みとなっている。 殊に構造材「アルファフレーム」では、 「カクチャ」や「マーキングシステム」が強みだ。 「カ クチャ」は 3 次元自動設計の CAD システムで、 「カクチャ」のデータから組立に必要な情報をフ レームに印刷するのが「マーキングシステム」で、同社が開発した世界初のシステムだ。これに より組立の省力化や作業時間の短縮化が図られることが強みとなっている。 構造材として鉄からアルミへの代替需要の拡大も同社の事業を支える要件である。技術向上 によってアルミの構造材の強度が向上していることに加え、鉄製構造部材では「設計+切断+溶 接+機械加工+塗装+組立」の 6 つの加工工程があることに対し、同社の「アルファフレーム」 では「設計+切断+組立」の 3 工程で済むため、リードタイムの短縮・省力化につながる。リサ イクルも可能でコスト削減が期待できるなど、今後は鉄からアルミへの代替が進むことが期待さ れている。 アルミ構造材を生産する企業は数社あるものの、前述の「カクチャ」、 「マーキングシステム」 によって他社との差別化を図ることができることが、同社の強みである。 2015 年 3 月期第 3 四半期業績は増収増益。受 注高は前年同期比 1.5%減の 44 億 86 百万円と伸 び悩んだものの、前期の堅調な受注が下支えと なった(資料3参照)。会社では通期業績予想 を据え置いているものの、第 3 四半期累計期間 の営業利益、経常利益、純利益が既に通期予想 を上回っていることから、通期業績予想は上方 修正が見込まれる。具体的には、売上高を会社 予想の 61 億 10 百万円と想定し、第 4 四半期会 計期間の売上高営業利益率を前期の 6.14%とす ると(今期第 3 四半期累計期間の売上高営業利 益率は 8.13%)、営業利益は会社予想の 3 億 55 百万円を 1 億 20 百万円程度上ぶれるとみられ、 資料3:受注高、売上高、営業利益率(年度) EPS は 50 円程度となろう。 ただ、先行きについては不透明感があるよう だ。前述の通り今期受注が前年割れとなっており、足元でもユーザーの積極姿勢が見られない様 子だ。経済指標を見ても、2014 年 7-9 月期の法人企業統計で金融機関を除く全産業の設備投資 は前年同期比 5.5%増と堅調ながら(資料4参照) 、10-12 月期の法人企業景気予測調査では全産 業の今年度の設備投資は 4.9%増加見通しと、前回調査の 5.7%増から 0.8 ポイント低下している。 資料4:法人企業統計調査 設備投資 出所:ブルームバーグ 資料5:国内自動車メーカー7 社設備投資 NICオートテック(5742) 2 2015 年 2 月 10 日 また、国内自動車メーカー7 社の 2014 年度の設備投資計画は 2013 年度に比べてほぼ横ばいの見 通しだ(資料5参照) 。同社のユーザーは幅広い業種にわたるものの、自動車関連や精密機器な どが占める割合が大きいことから、自動車メーカーの設備投資の影響を受けていると考えられる。 国内景気が回復傾向にあることから企業の設備投資は堅調に推移すると見られ、来期の同社業績 は大きく下ブレする懸念は少ないと思われるものの、受注動向を注視する必要がありそうだ。投 資判断はNEUTRAL継続とする。 尚、同社は 1 月にタイに海外初の子会社を設立することを発表した。当面はサービスや販売 を行う予定だが、将来的には現地生産も視野に入れている。タイには国内メーカーが多数進出し ており、需要が見込まれるという。今期業績への影響は軽微だが将来的な業績の寄与を期待した い。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------アナリストによる証明 本資料に示された見解は、言及されている発行会社とその発行会社等の有価証券について、各アナリストの個人的見解 を正確に反映しており、さらに、アナリストは本資料に特定の推奨または見解を掲載したことに対して、いかなる報酬 も受け取っておらず、今後も受け取らないことを認めます。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------レーティングの定義 O U T P E R F O R M:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンを 10%超上回ると予想される。 N E U T R A L:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 U N D E R P E R F O R M:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンを 10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は 12 ヵ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------本資料に記載された意見及び予想は、記載された日付における今村証券の判断であり、これらは予告なく変更される場 合があります。今村証券は本資料の記載された日付以降に内容の変更・修正を行う義務を負いません。本資料はお客様 への情報提供のみを目的としたものであり、特定の有価証券売買に関する申込または勧誘を意図するものではなく、お 客様に対して投資の助言を提供するものでもありません。また、本資料に記載されている情報もしくは分析がお客様に とって適切であると表明するものでもありません。投資に関する最終決定はあくまでもお客様ご自身の判断でなさいま すようお願い申し上げます。 本資料に記載された内容は、信頼できると思われる情報、または信頼できる情報源から得た情報を基に今村証券が作成 しておりますが、機械作業上データに誤りが発生する可能性があります。当社はその内容の正確性や妥当性、適時性ま たは完全性を保証するものではありませんし、本資料における過誤又は遺漏に対して何らの責任を負うものでもありま せん。本資料でインターネットのアドレス等を記載している場合がありますが、当社自身のアドレスが記載されている 場合を除き、アドレス等の内容について当社は一切責任を負いません。本資料は、当然にお客様の投資結果を保証する ものではございませんので、今村証券は、本資料の内容について第三者のいかなる損害賠償の責任を負うものでもあり ませんし、お客様が本資料に依拠した結果としてお客様が被った損害または損失については一切責任を負いません。ま た、今村証券は本資料に関するお客様からのご質問やご意見に対して、何ら対応する責任を負うものではありません。 当社および関係会社の役職員は、本資料に記載された証券について、ポジションを保有している場合があります。当社 および関係会社は、本資料に記載された証券、同証券に基づくオプション、先物その他の金融派生商品について、買い または売りのポジションを有している場合があり、今後自己勘定で売買を行うことがあります。また、当社および関係 会社は、本資料に記載された会社に対して、引受等の投資銀行業務、その他サービスを提供し、かつ同サービスの勧誘 を行う場合があります。 日本および外国の株式・債券への投資は、株価の変動や、発行者の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評 価の変化、金利・為替の変動などにより、投資元本を割り込むリスクがあります。 本資料は当社の著作物であり、著作権法により保護されております。当社の事前の承認なく、また電子的・機械的な方 法を問わず、本資料の全部もしくは一部引用または複製、転送等により使用することを禁じます。 NICオートテック(5742) 3
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