マーケットウィークリー・823号 2015.4.10 企業ニュース 旭硝子 (東証1部:5201) http://www.agc.com/index2.html 作成者:冨ケ原信久 三菱系ガラスメーカー、世界トップクラス 1907年、兵庫県尼崎市で創立。創業者は岩崎俊彌氏。父 は三菱財閥を発展させた岩崎弥之助氏。社名の由来は昇る 旭になぞった説や、創立日9月9日から九日を一文字にした 説がある。硝子事業が困難なことから、万一の場合を考え 三菱の名を使わなかった。1909年、当時窓ガラス王国だっ たベルギーから技師を招き、手吹き法により国内初のガラ ス板生産に成功。ガラス製造に必要なソーダ灰や耐火物も 自社生産し、ガラス、化学、セラミックスの事業基盤も確 立した。第2次世界大戦後は建築向け、自動車向け、テレビ 向けの需要が増加し、事業が拡大。1956年、インド旭硝子 設立を機に海外展開も開始した。14.12期の事業別売上高構 成比はガラス53%、電子22%、化学23%、その他2%。 ◇売上高と営業利益の推移 (億円) 15,000 (億円) 1,000 900 営業利益 800 売上高 700 10,000 600 500 400 5,000 300 200 100 0 0 13.12期実績 14.12期実績 15.12期予想 (出所)旭硝子資料よりCAM作成 15.12期から新中計がスタート、既存事業の構造転換で収益力強化を図る 14.12期は売上高が1兆3,483億円、前期比2%増、営業利益が621億円、同22%減。液晶用ガラ ス基板や東欧での建築用ガラスの売価下落、原材料価格の上昇、円安による一部海外子会社の収 益低下で営業利益は4期連続減益だった。期中には国内リストラや欧米不採算事業の撤退のほか、 自動車ガラス需要増を見込む中国、メキシコで増産投資を行うなど事業構造転換を進めた。 15.12期の会社予想は売上高が1兆4,200億円、前期比5%増、営業利益が620億円、同微減。為 替前提は120円/ドル、同14.15円安と設定。1円安による営業利益感応度は約4億円減。前期に実 施した構造改革効果や燃料価格下落のプラス効果があるが、売価下落で営業利益はほぼ横ばいと した。だが会社側は減益に終止符を打つ姿勢を示し、会社予想は最下限の予想値といえそうだ。 15.12期から新中計がスタート。17.12期の目標値は売上高が1兆6,000億円、営業利益が1,000 億円。ROEは5%以上を目指す。これまでの事業構造改革の効果が16.12期から本格化する見通 しだが、さらなる構造改革を進める方針で収益力の改善が期待できそうだ。 [株価動向・投資判断] PBRは1倍割れ。増益転換が確認できれば、株価水準の見直しが進もう。 <業績> 決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期利益 1株利益 1株配当 百万円 (伸び率) 百万円 (伸び率) 百万円 (伸び率) 百万円 (伸び率) 円 円 13.12 1,320,006 ( 11 ) 79,894 ( ▲ 21 ) 44,381 ( ▲ 41 ) 16,139 ( ▲ 67 ) 14.0 18.00 14.12 1,348,308 ( 2) 62,131 ( ▲ 22 ) 41,163 ( ▲ 7 ) 15,913 ( ▲ 1 ) 13.8 18.00 15.12 予 1,420,000 ( 5) 62,000 ( ▲ 0 ) 65,000 ( 58 ) 35,000 ( 120 ) 30.3 18.00 850 800 750 [週足] 13週平均 700 650 600 550 500 26週平均 [主要株価指標] (売買単位:1000株) 株価(2015/4/6) 778 円 年初来高値(高値日) 813 円(15/3/27) 同 安値(安値日) 564 円(15/1/7) 予想PER(15.12予) 25.7 倍 1株株主資本(PBR算出用) 938.0 円 PBR 0.83 倍 予想配当利回り 2.31 % (1株当たり配当金年18.00円) ROE(14.12) 1.4 % 発行済み株式数 118,671 万株
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