存在が強すぎて、地球がヤバイ ID:99208

存在が強すぎて、地球がヤバイ
ホイホイ
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じます。
︻あらすじ︼
転生する前に願ったのは安全マージン。
この﹁存在﹂を
!
安全どころか自分の所為で周りが不安全に
少年は果たしてうまく手加減できるだろうか
主人公最強物です。
マジで設定的に強いんで苦手な人はご勘弁
!
!
!
プロローグ │││││││││││││││││││││││
目 次 │││││││││││││││
スーパー怪獣大戦
大乱闘
!
!
スーパー怪獣大戦2 │││││││││││││││
大乱闘
1
12
5
!
プロローグ
﹂
﹂
﹂ってやつだアアアアア
テンショ
がお詫びとし
正に至高って奴
ってな。まぁ本人、いや本神
この風を切る様な感覚
最高に﹁ハイ
﹁グオオオオオオオ
ヒャッハーー
ン上がるう→
﹁グオオオオオオオ
ホント神様、様様
この圧倒的なスピード
だ
﹂
!!
﹁グオオオオオオオ
ならここは
明らか地球じゃない。まあ大方神様のミスだろう。そ
意 味 が 分 か ら な か っ た。神 様 は 確 か に 地 球 に 送 る と 言 っ て い た。
上から雨の様に迫りくる隕石。そして全裸待機のオレ。
いてる地面。爆発音の様に響かせながら勢いよくガスを噴いてる山。
レも漏れなく始まったよ。赤黒く、ドロリとしていてコポコポと泡噴
普通は赤ちゃんからとか、野原や建物の上とかで始まると思う。オ
﹂
かな。その例に従ってオレも転生した。
びとして別の人生を歩ませてくれる。ってのが大体の転生者の定義
このオレ遊希英司は所謂転生者だ。神様に間違いで殺され、その詫
﹁グオオオオオオオ
?
!
てオレにくれた力だしな。思う存分使わせてもらう
!
!
!
た。
﹁⋮⋮わかる。わかるぞ
︳︳ ﹂
一言で表すと、そう最強だろうな。そして、こいつの名前は︳︳︳︳
点の一部だろう、知らない事まで知っている。宿っている﹁存在﹂は
左目に宿っているのは﹁存在﹂。色々とわかってしまうのはたぶん得
い。その時はもう過ぎ去ったのさ⋮⋮たぶん。仕切り直して、オレの
!
!
オレの左目に宿る﹁存在﹂が
⋮⋮別に中二病拗らせてる訳じゃな
う思う事で冷静になり、神様がくれた得点と言う奴を確認する事にし
?
1
!
!
!
!!!!
!!!
!
!
?
﹁いくぞ。ベルクロス
た。
た。んほおおお
﹂
﹂
楽しいぞおお
﹁グオオオオオオオ
﹁飽きた﹂
くさい。つか、ベルクロス状態だと、グオオとかしか言えないのな。
宿しているから﹁ノドス﹂という人間だ。ノドスの説明は省く。面倒
うしてピンピンしている。だから︵仮︶。まあ正確には、ベルクロスを
生きている人間なんてオレは知らない。だがオレは人の形をしてこ
普通の人間なら死んでるだろ、ここは。全裸でマグマの上で居座って
態で比較的堅いマグマの上で全裸待機している。︵仮︶の理由は簡単。
気出したらアレだから⋮⋮流石に飽きた。今のオレは人間︵仮︶の状
マと隕石しかない。大体、ベルクロス状態では本気出せないしな。本
長い間、思い思いに暴れまわり大いに遊んだ。だがこの場所。マグ
!!
るとあちこちからマグマが噴き出し、軽いアトラクションの様だっ
某ゴリラの下必殺技宜しく、マグマをバッシャンバッシャンする。す
マグマの海をマグマ浴した。平泳ぎに背泳ぎ、クロールに潜マグマ。
00m前後のこの身体を2m前後までちっさくなれたので、ドロドロ
思い切りに遊んだ。某オーバーオールの赤帽ヒゲおっさん宜しく、1
砕しまくり、蹴りで山を消しまくる。勿論暴れまわるだけじゃない。
ロドロ地帯を走り回り、暴れまわった。降ってくる隕石群を拳圧で粉
変身してからはもうむちゃくちゃに、ハイテンションのままこのド
﹁グオオオオオオオ
﹂
そう言うとオレの左目が発光し、粘土の様な者が全身に纏わりつい
!
分かってたけど。まあ鮫のように剥き出しの鋭い歯が並ぶこわい顔
してるし。
2
!
!!
!!
マグマの上でゴロゴロしながら思った。神様は地球に送ると言っ
ていた。もしミスで違う場所に送られた訳じゃなく、ホントにここが
地球だとしたら⋮⋮と。脳裏に過るのは地球が誕生したての頃、ドロ
リッチだったという事。
﹁この説はワンチャンあるなぁ⋮⋮﹂
いや、これしかないだろう。妙な確信感があるし、そうじゃなきゃ
困る。
ここが今の地球ならオレは地球の最初の生命なのかぁ。そうフワ
フワ感MAXな考えをしていたら不意に異変に気付いた。
﹁な、なんだこれ⋮⋮﹂
いやーすげー
ド ロ ド ロ の マ グ マ が あ ち ら こ ち ら で 物 理 法 則 無 視 で 浮 い て い る。
生まれたての地球はこんな不思議な事が起きるのか
いいもん見れたわ。そう思いながらゆっくりと上がっていくマ
今起
!
﹂
の頭にポッと浮かんだのは︳︳︳︳︳
﹁惑⋮⋮星⋮⋮
それは避けなければならない
やるしかない
!
﹂
地球が
半を占めていた。だがあの隕石は丸みを帯びている事からして、オレ
と見える範囲は丸みを帯びている。今までの隕石は尖ったものが大
こっているマグマの現象はあの隕石の所為かもしれない。よく見る
さの隕石を壊してきたが、アレはデカい。余りにもデカすぎる
上からとてつもなくデカい隕石が降って来ている。いろんな大き
﹁なんだよ⋮⋮アレ⋮⋮﹂
グマを目で追い、上を見︳︳︳︳︳︳
な
!?
今ここに惑星級の隕石が落ちて来たら、堪った物じゃない
⋮⋮消滅してしまう
!
ベルクロス
!!
オレとベルクロスで
⋮⋮、いや、やるんだ
粉砕するぞ
木っ端微塵に
!
!!
だ
﹁グオオオオオオオ
﹂
身体が形成されていく。そして完成されたのは全長100mの存在
く。四肢の付け根と鳩尾付近に球体のコアが形成され、そのコアから
オレの左目が発光し、粘土のようなものが身体に纏わり付いてい
﹁粉々に
!
!
!
!
!
!
3
!
!
いくぞベルクロス
手加減なんていらない
本気でぶっ壊すぞ
!
﹁グオオオオオオオ
﹂
響が無い距離であろう今がチャンス
この勢いを利用して壊す
空間に飛び出した。まだ隕石は遠い所にある。破壊した際、地球に影
物凄い勢いで隕石に向かうオレとベルクロス。ほんの一瞬で宇宙
マグマが衝撃で陥没したが、どうって事ないはずだ。
そう意気込み、マグマを思い切りに蹴り、ジャンプした。蹴ったさい
!
絶対
そういう思いを、ベルクロスよりも遥かに巨大な、比べるのも
拳に思い切りの力を籠める。地球は絶対に壊させはしない
にだ
!
!
!
た。やった
とした。
﹂
そう思ったオレとベルクロスは壁の様な惑星
地球を守れた
そう思いながら伸びきった腕を戻そう
!
﹂
覆えされた。
﹁グオッ
す、吸い込まれる
抗えない
ま、
ベルクロスは次元をも超
!!
えていける存在。その次元越えを意図せずして開いてしまった
まずい
﹂
!
空間に吸い込まれる
ない。気の所為かもしれない。そんな考えが、空間に穴が空いた事で
パキッとガラスにヒビが入った様な音がする。なんの音か分から
!
していき、けたたましい轟音と眩しい光を放しながら崩壊していっ
響かせ、肘まで深く突き刺さる。刹那、ヒビが物凄い速さで枝分かれ
に、勢い任せと最高のタイミングで拳を放った。ズドン、と鈍い音を
このタイミングだ
﹁グオオオオオオオオ
烏滸がましい隕石、いや、惑星に向けて強く思った。
!
﹁グオオオオオオオ
!!!! !
4
!
!!
! !!!
!
!
!
大乱闘
スーパー怪獣大戦
う無数に伸びている。正直に思った。キモっ
﹂
﹁グジュビヴナルシュウイオグブラウ﹂
﹁グオ
!!
ラッテラしていて形が﹁それ﹂だったり﹁それ﹂じゃなかったり。も
り の 口 部 分。常 時 泡 噴 い て る 様 だ し。な ん と 言 っ て も 触 手 よ。テ
している様な不安定な容姿、人間の様な歯だったり獣の様な牙だった
最初に出会った怪物は心底気持ちの悪い奴だった。常に形態変化
間に漂っているだけならまだマシ。怪物がいる。この狭間には。
やっていたらできるが、どうしても元の次元へと帰れないでいた。狭
が、いまいちこじ開ける要領が掴めず、別次元へのこじ開けは適当に
苦 茶 だ。次 元 の 狭 間 を 漂 い な が ら 次 元 を こ じ 開 け よ う と 頑 張 っ た。
惑星を破壊し、意図せず別次元へと渡ってしまってからはもう無茶
!
迫ってきた。遠くから見ていても分かる。キモイ触手を執拗にこち
らに伸ばしている。どうやら触手プレイをご所望の様だが、丁寧にい
や、荒っぽくお断りさせてもらう。
オレとベルクロスの戦い方は基本肉弾戦。パンチにキックだ。い
﹂
かんせんあんなキモイのに触りたくない。なので拳圧で応戦する事
にした。
﹁グオオオオオオオ
した。
﹁ュウイオグブラ
﹂
突き進む拳圧が、スパンッ
と軽快な音と共にキモイ奴の一部を粉砕
開いた手を拳にして、思い切りに拳圧を放った。轟音を上げながら
!
!
る。よく見ると粉砕した根本から徐々に再生していっている。 さ
今の攻撃で向こうは心底キレたらしいく、忙しく触手を動かしてい
!!
5
!
無駄にデカい怪物はオレとベルクロスを認識すると、徐々に徐々に
!!!
らによく見ると再生細胞っぽいのがウネウネしていて、キモイ。細胞
﹂
の形が﹁それ﹂なので尚の事気持ち悪い。
﹁グオグオグオグオグオ
﹂
やる気か
﹁グオオオ
お
︳︳︳︳
と意気込み、某幽波紋のラッシュ宜しく物凄い速
﹁ギャアアアアアスウウウ
﹂
と後ろを振り返ると
と思ったが、よく見るとオレ達を睨んでいるのでは
睨み付けている。
なそんな怪獣。そいつがオレとベルクロスを三つの顔、計6つの眼で
三本首。ちゃんと怪獣していた。どっかで見たことある様な、無い様
た容姿だ。黒くて堅そうな皮膚に長い尻尾。ドデカい翼に特徴的な
簡単に言うと怪獣がいた。さっきのキモイのじゃなく、ちゃんとし
みじみ思っていると、視界の端に何かいる事に気がつく。
もしなかった。次元の狭間ってのはあんな奴がいるんだなぁ。とし
た。⋮⋮正直ホッとした。あんなキモイ奴が襲ってくるなんて思い
拳圧がコアを粉砕すると、奴は風船を針で突いた様に破裂して消え
﹁ビョオオポッ﹂
出てきた。そのコアを見逃さずに、狙い定めてラッシュした。
た。徐々に徐々に削れていき、奴のコアと思わしきモノがニュルッと
していくので、その再生おも凌駕する程のラッシュをオラオラし続け
拳圧のラッシュが直撃していき、奴を粉砕していく。だが奴も再生
﹁グジュビヴナルシュウイオグブラウュビヴナルシ﹂
さでオラオラと拳圧を放った。
シュで消し飛ばす
とベルクロスの拳圧は効いたんだ。なら一発じゃなく、拳圧のラッ
絶対に触りたくないという強い気持ちが、さらに強くなった。オレ
!!
わってくる。
﹁ゴオオオオオ
﹂
横からの咆哮が聞こえた。まだいるのか
と内心焦ったが、どうや
!
!
6
!
なく、オレ達の後ろを睨んでいる様だ。なんだ
?
!
別の怪獣がいた。ここから離れているが、その咆哮はビリビリと伝
!!!
?
!
﹂
らもう一体の怪獣は敵意を別の怪獣に向けているようだ。
﹁グオオオオオオオ
と意気揚々と発した。す
!
とベルクロスも驚いているよ
!
とマジで焦り始め
!
﹂
溜め始め、破壊光線の様に周りの怪獣に放った。始まった。大乱闘が
る。暫く膠着状態が続いていたが、三本首の怪獣が口にエネルギーを
みんな敵対している。そう思って開いている手を力強く握り拳にす
る。だ が わ か る。怪 獣 達 は 全 部 が オ レ 達 を 狙 っ て い る ん じ ゃ な い。
が集まっていた。ホントに何が起きているんだ
うだ。ほんの一瞬の驚きからふと気づくと、周りには星の数程の怪獣
木霊した。一体、何が起きているんだ
ると、予想外な事が起きる。遠くの方から数え切れないほどの咆哮が
咆哮の応戦ならオレ達も負けてないぞ
!!!
﹁グオオオオオオ
﹂
﹁グオオオオオオオ
﹂
F映画宛らいや、それ以上の事が起きている。
鈍い音や軽快な音から何かのチャージ音に発射される音。一瞬でS
イズの奴、取っ組み合いの潰し合いだ。聞こえてくるのは闘争の音。
同時にそこらじゅうがおっぱじめた。山の様にデカい奴から人間サ
それからと言うもの、もうむちゃくちゃだ。破壊光線が発射したと
!!
しに全方位から襲ってくる怪獣を撃退している。しょっちゅう流れ
オレ達はと言うと、千切っては投げ千切っては投げと、引っ切り無
!!
﹂
弾や流れ光線が当たるが、なんとも無いから無視をきめて怪獣達を相
手している。
﹁グオオオオ
!!!
7
﹂
﹁グオオオオオオオ
﹂
﹁ギョヨヨオヨ
﹁グオオオ
!!
﹁カチカチカアア⋮⋮﹂
!!
!!!
!
﹁オオオオオオ﹂
まるで壁だな
と思うほどの恐ろしくデカい怪獣がオレ達の前に
そう思ったが刹那、怪獣の
!
﹂
﹂
な同種の怪獣がこれまでにも襲ってきたが、こいつは初対面だな。
﹂
なら、少しはやるほ︳︳︳︳
手の平から身体と同じエネルギーの剣を出しやがった
﹁アアア⋮⋮﹂
﹁グオ
こいつ
﹂
なるほどな⋮⋮。中ボスって訳か
﹁グウウ
﹁⋮⋮﹂
紙一重で避け
そう思いながらも人型
ノーモーションで切り付けてきやがった
あの剣は何かヤバイ
!
マジか
たが油断はできない
!
!
豪く綺麗なソプラノボイスだなぁ。と敵ながら感心する。いろん
﹁アアアア⋮⋮
ちらかと言うと女性的なフォルムをしている。
てきた。人型ではあるが、エネルギー体の様だ。のっぺらぼうで、ど
そして次の相手は目の前の人型。フワッと軽々しく漂う様に降り
種類だが、ベルクロスなら何の問題もない。
きで翻弄してくるし、光線やらなんやらで攻撃してくる。中々厄介な
てくるが、偶に人型の怪獣等も襲ってきた。人型の怪獣は、柔軟な動
くる怪獣。今のデカい奴、等様々な怪獣が襲ってくる。いろいろ襲っ
勇猛果敢に単騎で襲ってくる怪獣から、連携利かせて集団で襲って
﹁グオオオオオ
を受けた部分からヒビが入り、瞬く間に崩れ去った。
胴部分に一瞬で移動し思い切りにパンチを浴びさせた。すると衝撃
デカい割には大した事ないじゃないか
と落としてきた。その腕を避けもせず、オレ達は受け止める。なんだ
現れた。そいつはご自慢らしい巨大な腕で、オレ達をプチッと潰そう
!
!!!
!
そう思って避け続けていると、突然見覚えのある怪
!
発だが凌いだ堅い奴
こいつならあの剣を受け止めるのじゃないか
獣がオレ達と人型の間に乱入してきた。こいつはオレ達の攻撃を一
増してきている
の攻撃を最小限の動きで避け続ける。⋮⋮徐々に、徐々にだが剣速が
!
!
!
!
!
!
!?
!
8
!
避け続けている刹那にそう思った。
堅い
だが、その考えは一瞬で崩壊した。人型が何事も無かったかの様に
剣を振るモーションを続けた。オレ達はその刹那を垣間見た
奴の身体を、まるで空を切るように裂いた。堅い奴は切り口から粒子
!
人型の剣速は今も尚速くなってい
となって一瞬で消えていった。堅い奴が乱入してからほんの一瞬の
出来事。驚いているヒマは無い
る
!
獣達を真っ二つだ。とんだ怪物だよ、こいつは。
?
と。いや、そんなはずない。いいわけない
だが思う。こんな守りの戦いをしていていいのか
剣にビビってていいのか
﹁グオオ﹂
オレとベルクロスは攻めの戦いだろ
﹁グオオオ﹂
﹂
なあ
ベルクロス
細いちんけな剣にビビるわけにはいかないだろ
﹂
﹁グオオオオオオオオオ
﹁ッ
!
!!
なって消えた。
﹁グオオオオオ
﹂
きまでにかました。パンチを受けた人型は一瞬のうちに光の粒子と
ンチをかました。最高のタイミング、最高のポジショニングで完膚な
それはもう渾身の一撃を、人型ののっぺらぼうにカウンター全力パ
!!!
?
!!!!
!
!
!
﹂
﹁グオオオオオ
!
いいわけないんだよ
いいわけない
!
と。あいつの
あの剣速は。今に至っては、剣を振った余波で周囲で乱闘している怪
あれから長い間避け続けている。いったい、どれ程の速さなのか。
﹁アア⋮⋮﹂
﹁グウウウ⋮⋮﹂
!
!?
9
?
!
まったく。ベルクロスに申し訳なく思う。完全にオレに難ありだ
な。人型の剣にビビってしまった。ノドスとして、まだまだ青二才だ
な。⋮⋮ っ フ。自 虐 し て い る の を 見 か ね て 励 ま し て く れ る か。あ り
﹂
がとうな、ベルクロス。お前に似合うノドスに必ず成長してみせる
よ。
﹁グオオオオオ
互 角 ど う し の 戦 い を 繰 り 広 げ て い て、思 わ ず 魅 入 っ て し ま う
怪獣達の中に
視界の端で見えてしまった
﹁グジュビヴナルシュウイオグブラウ﹂
奴が居るぞ
この星の数ほどにいる
奴だ
!
﹂
戦った人型とは別種の様だ。どうやらター
!
﹁グオ
アレは
強敵の人型
んだか可哀想に思えてきたなぁ。
⋮⋮わかった。避けられているんだ。怪獣達に。モザイクだけど、な
周りは、この大乱闘している空間にしては怪獣一匹たりともいない。
れると思ってたけど、遂に現れたか⋮⋮。何故だろうか。モザイクの
イクがかっているが、遠くの方からでも詳細に見て取れる。いつか現
忘れもしないあの容姿・牙・泡そして﹁それ﹂。なぜか全体的にモザ
!
!
!
思っていると、気付いた。気付いてしまった
いけど、有象無象ばかり。もっと歯ごたえがある奴はいないのか。と
型との戦いからは、これといって強い奴は現れていない。聞こえが悪
長い間戦い続けて、緊張感が無くなっている証拠だな。これは。人
なぁ。と、襲ってくる怪獣達を蹴散らし、そう思いながら見ている。
う
し、すぐ隣で怪獣同士が光線射ちまくりでおっぱじめている。おうお
湧いてくる。今もこうして光線が飛び交う中怪獣を蹴散らしている
この次元の狭間はどうなっているのか。倒しても倒しても怪獣が
!!
!
﹁グジュビヴナルシュ﹂
たいどいつがターゲットなんだ
向かう先を見て見ると︳︳︳
ゲットはオレ達じゃないみたいだな。どんどん遠のいていく。いっ
!
!?
?
10
!
そいつだけは止めておいた方がいいと思うぞオレは。ベルクロス
も同意見だし。モザイクだしな。だが無情にもオレ達の思いは人型
﹂
に届かない。勇猛果敢に突撃していく人型。
﹁アアアア
﹁イオグブラウウウ﹂
突撃している人型は、遂にモザイク圏内に入ってしまった。人型の
実力ならモザイクに後れを取らないはず。けれど一向にモザイクか
ら出てこない。⋮⋮まさか。
﹁アアア⋮アア⋮﹂
これは、ダメだ⋮⋮。
モザイクから出てきたと思ったら、女性的なフォルムにモザイクが
巻き付いているじゃないか
﹁ア⋮アアア⋮⋮﹂
!
聞こえてくる筈のない人型の悲しい声が、聞こえたような気がす
人型
!
きっと助けに行ってやる
!
それまで、強
る。すまない。助けてやりたい。けどオレ達、ダメなんだよ、モザイ
﹂
!
ク。今は耐えてくれ
﹂
く生きろ
﹁グオ
﹁グオオオオ
!!
11
!
!
オレ達の戦いは、これからだ
!!
!
大乱闘
﹂
スーパー怪獣大戦2
﹁グオオオオオオ
長い時間、絶え間なく襲ってくる怪獣を相手に無双している。さす
がはベルクロス。こんなに戦っているのに、何ともない。余裕綽々ど
されてそうな人型が
ころか、戦うたびに強くなっている。不変かつ限界を持たない肉体は
﹂
伊達じゃないな。
﹁グオオ
モザイクに
××
⋮⋮あー、正直に言うと、忘れていた。結構な時間が経過
どうしたんだ、ベルクロス。ん
気になる
?
って思ったしな。思っただけだけど。
﹁グオオオ
!
なぁ。こいつは他の怪獣に比べてパワーも重量も劣る。けど速さだ
高速で人型のもとへの移動中、鳥類型の怪獣が並走してきた。出た
﹁グエエエエ
﹂
﹂
とができる。一石二鳥だ。
早く移動するため。それに亀を利用して、邪魔する怪獣を蹴散らすこ
に高速で移動できる。亀を利用した理由は簡単。助走して、少しでも
の輪郭を強調するよう青い膜がジワリとはり、それからは浮いて自由
移動手段は徒歩もある。けど、大体は浮いて移動する。ベルクロス
び、他の怪獣を巻き込みながら爆発し散った。
蹴った際、甲羅が衝撃で粉砕した様。亀怪獣は粉砕した衝撃で吹っ飛
移 動 し た。そ の 甲 羅 を 足 場 に し て 思 い 切 り に 蹴 り、高 速 移 動 す る。
る。そいつらを適当にあしらい、ひときはデカい亀似の怪獣の甲羅に
こうしたやり取りの最中でも、構うもんかと怪獣達が襲ってきてい
助ける
の 要 因 か も。じ ゃ 向 か お う か。オ レ も 思 い 出 し て 気 に な っ て き た。
しなぁ。あそこから結構な距離を離れたからってのも、忘れてた一つ
したし、あれから強敵がわんさか襲ってきてそれどころじゃなかった
?
!
12
!!!
!
!
!
けはピカイチな怪獣。ベルクロスに並走できる程の速さだからとん
でもない。基本こいつの攻撃は持前のかぎ爪。結構なかぎ爪で、妙に
﹂
﹂
つかかってくる。それともう一つ。
﹁グエエエェ。ゥウプ
﹁⋮⋮﹂
﹁オエエエオロロロロロ
ゲロだ。いや正確にはゲロじゃない。見た目はゲロだけど、こいつ
なりの光線。絵ずらが酷いゲロ光線を錐もみ回転し、辺りに撒き散ら
しながら攻撃してきた。他の光線と同じく、ベルクロスに当たっても
何とも無いので無視を決めているけど、攻撃されている身としては余
﹂
り気持ちは良くないな。
﹁オエエエエエ
﹁⋮⋮﹂
﹁⋮⋮⋮⋮
﹂
﹁オボロロロロロ
﹂
ける鳥に向けて思っていた。
ホントに物好きだなぁ。と、隣で明らかに効き目の無いゲロを吐き続
無視していてもゲロを吐き続ける鳥。明らか勝ち目無いのに⋮⋮
!!
!
⋮⋮これは宥める必要がありそうだ。
﹁⋮⋮﹂
ただのゲロの形
汚く
した光線
口に入ってないと思うしさ
いいな、落ち着け
けっしてゲロじゃないんだ
アレはゲロじゃないってベルクロス
だ
ない⋮⋮と思うしさ
!
?
ゆっくりと、触った左手を見ると。そこには︳︳︳︳
と ベ ル ク ロ ス に と っ て は 聞 き た く な い 音 が 聞 こ え る。ぷ る ぷ る と、
震える左手をゆっくりと口元に持っていき、触った。 ベチャリ、っ
聞いているのか無いのか、左手をぷるぷると震わせるベルクロス。
!
!
!
着 し た。こ れ に ベ ル ク ロ ス が ビ ッ ク リ し て 慣 性 無 視 で 急 停 止 し た。
口に、暴走した機械みたくゲロを吐き続ける鳥のゲロがベチャリと付
スに我慢ならない事が起きた。常時あんぐりしているベルクロスの
無視をきめて移動の最中。問題がおきる。オレじゃなく、ベルクロ
!
13
!!
!
!
!
ベルクロスウウ
﹂
某太陽してる刑事ドラマの
﹁⋮⋮グォオ⋮⋮グオオオオオオオオオ
落ち着けえええ
!!!!
﹂
むちゃくちゃだ。
﹁グエエエ
﹁グオオオオオオ
﹂
んこになっていった。
さい奴からデカい奴、ベルクロスの目に入った怪獣は異例なくぺしゃ
武器と化す。目障りな怪獣と鳥を大立ち回りで潰しにかかった。小
鳥を追いかけ、見つけては首根っこを掴む。思い切りに潰す様、鳥を
宥めても宥められないベルクロス。静止できずすっ飛んでいった
﹁グオオオオオオオ
﹂
争っている周りの怪獣を容赦なく吹き飛ばすほど。それからはもう、
ワ ン シ ー ン 宣 く、ベ ル ク ロ ス は 大 い に 吠 え た。そ の 怒 り の 咆 哮 は、
!!
に見られてる気がするんだよなぁ。ん
同意見だ
そうかぁ。気の
?
の点程の大きさだ。徐々に徐々に近づいていくとはっきりとその姿
しているやさき、遥か遠くの方に何かが見えた。ここから見てはほん
線を感じる。こんな事初めてだなぁ。 と、ベルクロスと意見交換を
せいじゃなかったか。さっきからこう、体中を舐めまわされてる様視
?
⋮⋮なあベルクロス。なんか視線っていうかさ、誰かにじゃなく何か
なんか淀んでるなぁここの空間は。あれだけ居た怪獣も居ないし。
﹁⋮⋮﹂
とは違い思いのほか何事もなく、目的付近に近づいた。
鳥の同種をベルクロスが見つけては、優先的に潰していった。さっき
気を取り直し、当初の目的の人型の元へ移動する。ただ移動中、ゲロ
暴れまわって気が済んだのか、落ち着きを取り戻したベルクロス。
!!!
いや、御姿が見えた
﹂
!
14
!
!!!
!!
﹁オオオオオ﹂
﹁グオオ
!
ど、どう形容しようか
正体は分かる。フォルム全体に特徴的なモ
そして色
濃いピン
ベルクロスより一回りデカかった奴は、一回りど
ころか破壊した惑星程の大きさになっている
あの頃よりえげつ
モザイクで分かりにくいけ
どどめ色
!
数は減った、その代り大きく
何より特徴的だった奴の﹁それ﹂
ク色の身体だった奴は、今は⋮⋮そう
ない
ど、無数にあったのが今は数本ていど
油断はならない
!
!
う以前に、負けていた
﹁グオオォ⋮⋮﹂
クソ
心の涙が止まらない
!
!
余り
!
⋮⋮そう
?
こ こ ま で 来 た ん だ。思
訳の分からん事言ってないで、人型を助けるぞ。だと
うだけじゃなく、実行に移そうか
だ な。そ う だ っ た な。気 負 け し ち ゃ ダ メ だ
ん
クロス。この圧倒的敗北感。何人たりともある意味勝てないだろう。
アホか。っとベルクロスに言われた。お前には分からんだろベル
!
にも⋮余りにも巨大。モザイクなんて、有って無い様な物。オレは戦
しく、奴のいや、このお方の身体は大層天にいきり立っている
か。心ではわかっている。けど、⋮⋮某目が点シリーズのご立派様宜
⋮⋮けどなぜ、なぜオレは畏怖に等しい感情を奴に抱いているの
なった
!
!
!
先ずは大きさだ
奴とは﹁根本的﹂に違う
ザイクがかかっているから、大方奴だろう。けどオレ達が知っている
!
!
!
!
!
あいつの身体。
オ
"
お前なぁ。オレに説教
クロス。オレはもう吹っ切れたから別にいいけどさ。お前は触れる
のか
﹁グオオ﹂
オ
﹂
⋮⋮とりあえず拳圧でやってみるだって
オ
﹂
"
垂れたお前が︳︳︳︳
オ
グオオオオ
﹁オ
﹁
"
モザイクの一部が欠けたにもかかわらず、ビクビクと痙攣し続けるモ
驚いたオレ達。けどすぐに拳圧を放ち、モザイクの一部を粉砕する。
突然モザイクが唸り声をあげ、身体をビクビクと痙攣させた。一瞬
!!
"
?
?
"
15
!
このお方いや、モザイクの中心部に人型の気配が感じ取れる。ベル
!
!
?
!?
ッオ
オ
オ
"
オ
"
﹂
"
ザイク。すると。
﹁オ
﹂
"
れた事によって判明した。
﹁グオオオオ﹂
﹁⋮⋮﹂
!
差だ
全部がオレ達を狙っている
﹂
!!!
﹂
﹁グオオオオオオオ
﹁グオオオオオオ
﹁⋮⋮﹂
﹁⋮⋮﹂
﹁⋮⋮﹂
!!!
マジでやるぞ
圧倒的な数の
!
!
ベルクロス
!
オ
オ
オ
﹂
切りに中から崩壊させる様、思い切りに暴れまわった。
﹂
ッオ
"
数百辺りから数えてないぞ
"
!!
ッオ
"
﹁グオオオオ
オ
"
絶倫かあいつは
!
"
!?
"
!
﹁オ
クッソ
とんでも
した。オレ達を押し潰そうと密集してきたりもした。その度に思い
ボール状を丸々粉砕したり、他のボール状の奴らにぶつけ相殺したり
し て い く。時 に 奴 ら は 大 き な ボ ー ル 状 に 固 ま り、襲 っ て く る。そ の
戦った。拳と蹴りを振るう度、拳圧や脚圧も相まって百や千単位で潰
い数の敵が増えていった。マジになったオレ達は、むちゃくちゃに
戦い始めてから幾度となくモザイクは噴射し、その度におびただし
!
いんだ。目分量だけど、百や千じゃない。億はいるぞ
い わ け じ ゃ な い。ベ ル ク ロ ス。油 断 は す る な よ。一 体 や 二 体 じ ゃ な
たちは同じ。けどビビらされた強さは感じられない。けど決して弱
見 覚 え の あ る エ ネ ル ギ ー 体。こ い つ は あ の 人 型
⋮⋮ 違 う。姿 か
⋮⋮と思っていると、噴出された何かの正体が、ベルクロスの前に現
モザイクの頂上部分から思い切りに、何かを噴射させた。最悪だぁ
﹁
"
!
"
16
!?
ない奴だ
ベルクロス
あいつ
お前も気づいてると思うけど、人型が利用さ
れ捕まってるからあいつはドピュドピュできていると思う
決まってんだろ
空いてる所は一つしかな
の噴射を止めるには、人型を助け出すしかない
﹂
だって
行くぞ
﹂
!
そう決まったからには直ぐに実
!
﹁グオオ
どうやって
いじゃないか
﹁グオオオオ
向かうは頂上
入るのは噴射口
?
今がチャンスだ
﹂
びただしい数の敵が噴射される。 構うもんか
行くぞ
一つの
!
い た ぞ
ベルクロス
勢 い 任 せ の 高 速 移 動 の 刹 那 に 見 た 光 景。
を壊して、勢い任せで辿り着いた。
していく。ブチュリブチュリと気持ちの悪い音を出す幾つもの肉壁
中は鮨詰め状態の敵で塗れていた。が、無理やりこじ開けて奥へ進撃
弾丸の様にオレ達は、噴射された敵を割る様に抜け、噴射口に入る。
!
右手を突き出し思い切りに加速した。それと同時に噴射口からお
﹁グオオオオオオオ
い
ビク痙攣していた。 ここまで来たらタイミングなんてどうでもい
射口を目指す。頂上にたどり着いたと思ったら、また噴射する様ビク
ボール状に激突し、崩壊した。頂上に向かいながら敵を蹴散らし、噴
蹴った衝撃で吹き飛んだボール状は数百数千の敵を巻き込み、他の
行した。ボール状を足場に利用し、思い切りに蹴り頂上に向かった。
!
!
!
!
﹁グオ
﹂
で幾つもの肉壁を壊し、モザイクの体内から脱出した。
いる人型を抱き着く様かっさらった。勢いを殺さずそのままの直線
触手に巻き付かれていた。フロアに入った勢いのまま巻き付かれて
もどきがへばり付いている。ブロックの間には見覚えのある人型が
ツーブロックになっているこのフロアは、貯蔵庫の様。辺り一面人型
!
助け出した
何 と か 助 け た な。噴 射 口 か ら 垂 直 に い て マ ジ で よ か っ た。
あの体内を彷徨うなんて考えただけでも鳥肌もんだ
人型はぐったりとしており、朦朧としている様にも見える。 ベルク
!
ふ う
!
!
17
!
!
!
!
!
!
!! !
!
!
ロス
﹂
幕引きにしようや
﹁⋮⋮﹂
﹁⋮⋮﹂
﹁グオオオ
あれやるぞ
!
変換していく中、範
!
思
!
えていった。
遠慮なんかするなよベルクロス
収されつくしたエネルギー体は、粒子にならず、干乾び、砂として消
生体エネルギーも吸収していく。もちろん人型は丁寧に除いて。吸
囲は低く見積もっても1000Km周囲に存在するエネルギー体の
つらえ向きに周りにいるんだ。頂いていくぞ
態エネルギーをコアに収縮させ、莫大な光熱に変換していく。 おあ
ベルクロスの四肢に付いているコアが光りだす。ベルクロスの生
!
こんなもんだろ
ぶっ放せ
!
﹁⋮⋮﹂
よ お し
いっきりに
!!
!
!
瞬間。辺りは光に飲まれた。
18
!!
!