もしもモアが殺されな かったら セブルス ︻注意事項︼ このPDFファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にPDF化したもので す。 小説の作者、 ﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作品を引用の範囲を 超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁じます。 ︻あらすじ︼ ーー新惑星ベジータ、王宮の一室。 そこに、二つの影があったーー プロローグ ││││││││││ 1 目 次 第一話 少しづつ迫る恐怖 ││ 9 ﹂ !! その一つ、鏡のような投影機で彗星をみるサイヤ人の男、パラガス。 ハ、ふぁーっはっはっはぁ ﹁いいぞ・・・どんどん近づけ、グモリー彗星よ。フゥーフッフッフ、ハァーハッハッ そこに、二つの影があった。 ーー新惑星ベジータ、宮殿の一室。 プロローグ 1 プロローグ 2 ﹁ま、まさか・・・﹂ その姿を見守るのは、銀河中かき集めたならず者達の中でも、唯一側近を務めるモア。 ﹁モア、心配する事はない。貴様はその恐怖を味わわずにすむのだからなぁ。﹂ ﹁はい、地球に移住しましても、一生懸命に・・・﹂ モアは慌てて機嫌を取る。 ﹁かぁん違いするな。﹂キュイイィン しかし、パラガスの手にエネルギーが溜まっていく。 ーーこの時、モアはパラガスの手によって死ぬはずだった。 ﹂ しかし、ここで時空のズレが発生した。 ﹁う、うわぁぁぁぁぁぁあ モアの中は、パラガスに対する忠誠心よりも、自己防衛の方が優っていたのだ。 !! 3 よって、逃げた。 ﹂ ﹁なっ・・・ふん 貴様なんぞどうでも良いわ。この計画は、最早誰にも止めること は出来んのだからなぁ ! ﹁はぁっ、はぁっ く、くそっ ﹂ ! ーーーーーーーーーーーーーーーー られるということに。 ーーパラガスは知らなかった。モアを見逃していまうことによって、自分が追い詰め そして、パラガスも見逃す。いや、見逃してしまった。 ! ! プロローグ 4 ーーモアは走っていた。自分が忠誠を誓っていた者に、裏切られたのだ。 パラガス様、私は何がいけなかったというのですか ﹂ ﹂ ﹂ ! ﹁くそぅ、くそう ーー走る。 ﹁貴方様の計画を知ってしまいましたからですか ーー走る。 ! なのに、なのに ! ﹁貴方様の命令には、全て抗う事なく従いました 角を曲がろうとする時、誰かと鉢合わせる。 ﹂ ﹁よぉ、どうしたモア。そんなに焦ってよ。﹂ ﹁アっ、アンゴル・・・ ! ! ! 5 赤いバイザーの付いたヘルメットをつけ、全体的に青で統一された戦闘服に身を包 む、アンゴル。 悩みなら俺が聞くぜ ﹂ 他の者と比べ戦闘力が高かったので、他のならず者達の指揮官として活動している。 ﹁モア、本当にどうした ? ﹁・・・あ そりゃどうして。お前さん、俺より戦闘力が上じゃねぇか。﹂ ﹁アンゴル・・・実はな。俺は、パラガス様にクビにされちまったのさ・・・﹂ り合った仲で、よく話をしていた。 モアとアンゴル。二人はかつて、パラガスによって銀河中かき集められていた時に知 ? ﹁おい、なんだその計画って奴は。﹂ ﹁恐らく、パラガス様の計画を知ってしまったからだろうな・・・﹂ たのが、モアだったからだ。 そう、モアがパラガスの側近であったのも、ならず者達の中でも特に戦闘力が高かっ ? プロローグ 6 アンゴルは興味深そうに聞く。 ﹁パラガス様は、地球という星を侵略し、自分の帝国を築き上げようとしているん だ。﹂ ﹂ いいか、パラガス様は今ここ、新惑星ベジータに迫っている ﹁はっ、なんでぇ。そりゃ俺らも万々歳じゃねぇかよ。﹂ ﹁違う、そうじゃない グモリー彗星を、後から来るサイヤ人達と俺たちを、一緒に消し去るつもりだ ﹁は・・・ははっ、なんだよ。お前も冗談がうまくなったもんだな。﹂ アンゴルは分かった。いや、分かってしまった。 モアはジッとアンゴルを見る。 ﹁・・・いや、事実だ。﹂ う。 ありえない、そんなはずが、パラガス様がそんな事をするはずがないとアンゴルは願 ! ! 7 ﹂ モアが本当の事を話していると。 ﹁・・・本当なんだな モアは頷く。 いたのだ。 ﹁・・・くっそ、だったらどうする。﹂ ﹁え・・・﹂ ﹁今この話を知っているのは、俺ら2人でいいんだな ﹁あ、ああ。そうだが。﹂ ﹁・・・仕方ない。ほれ、こいつをかぶれ。﹂ ﹁のわっ﹂ ? ﹂ けぇロケットと一人用のポッドがあるだけだ。どうせ撃ち落とされる。﹂ ﹁これでお前は他の誰とも分からんはずだ。どうせ逃げようったって、ここにはで そうやって、自分のヘルメットをモアにかぶせた。 ﹂ 自分が、新惑星ベジータの再興を願いやって来たことは、逆に自分たちの首を絞めて ? ﹁じ、じゃあどうやって ! プロローグ 8 ﹁いいか 俺らは今、パラガス様に地球へ向けてロケットを飛ばすつもりだ。とう ﹂ ! するんだ ﹂ ﹁な、なるほど・・・し、しかしだ。もしもベジータ様がやってくれなかったらどう その計画を止めてもらおうぜ ﹁ベジータ様を迎えたら、ここ新惑星ベジータに来る。そしたら、そのベジータ様に アンゴルは一つ一つ説明していく。 とうそのベジータ様を迎えようっつーワケだ。﹂ ? ﹂ 大丈夫だって、なんとかなるさ。﹂ ﹂ ﹁だぁー ﹁・・・その根拠は やる気はあるが、少々頼りないと思うモアであった。 ﹁はぁ・・・﹂ と言い切る。 ﹁俺の感が囁いている。︵ドヤァ︶﹂ アンゴルは強く自分の胸を叩き、 ? !! ﹁だが ﹁あー、まあそん時の事はそん時に考えろ。お前はいつも深く考え過ぎだ。﹂ ! ! 第一話 少しづつ迫る恐怖 ﹂ ﹁今∼∼わぁ∼たしのぉ∼、ねがぁ∼いごぉ∼∼とが∼∼、かな∼う∼な∼らば∼ ∼、つば∼さ∼が∼ほし∼い ん ツバサヲヒローゲッ トンデーユキターイヨーンヨーン ﹂なんて言われて来ているわけでは断じて無い。 あれは・・・宇宙船か ﹁なっ・・・あっ・・・﹂ キィィィィイイン げないからね ふん、俺は決して、ブルマから﹁あんたが花見にこなかったら、絶対晩御飯作ってあ 今訳あって、地球の花見とかいう訳の分からん行事に参加させられている。 俺はベジータ。誇り高きサイヤ人のエリート。王子ベジータ様だ。 ッチ。クリリンの野郎、うるせぇ歌だぜ。 !! ? ! オーゾラーニッ ! ウィイイイン コノッ ! ? ヨーン !! ! 9 第一話 少しづつ迫る恐怖 10 中から出てきた、戦闘服に身を包む集団が、俺の前に跪く。 シーミーノナイー ﹁ベジータ様・・・﹂ カナッ ! ﹁なんだ貴様ら。﹂ ジユウナソラーヘー ﹁探しましたぞ、ベジータ王。﹂ ﹁なんだ貴様は。﹂ ツバサーハタメーカーセー ユゥーーキィーー、タイーーンアッ ﹁・・・パラガスで御座います。﹂ !! 新惑星ベジータだと ﹂ ? ﹁もう一度、サイヤ人の素晴らしさを、全宇宙に知らしめて見せようではありません ﹁なに ﹁新惑星、ベジータの王になっていただきたく、お迎えに参りました。﹂ よく見ると、腰にサイヤ人特有の尻尾がある事に気がつく。 ﹁・・・お前もサイヤ人の様だな。﹂ !! すると、奥からマントを羽織った男が来る。 ! 一番先頭にいたヤツが俺に話しかける。 ! ? 11 か ﹂﹂﹂ 貴方の手で、宇宙一の最強の、宇宙帝国を築き上げるのです ﹁﹁﹁オォーー ﹂ !! ﹁・・・なに 伝説の超サイヤ人だと ﹂ ? ﹂ ! ﹁父さん 駄目です そんな話に乗っては ! ﹂ ! トランクスが何かほざいてやがるが、そんなことはどうでもよい。 !! せっかく築き上げた新惑星ベジータも、伝説の超サイヤ人に・・・﹂ ﹁南の銀河一帯を、その脅威のパワーで暴れまわっております。・・・このままでは、 ﹁伝説の・・超サイヤ人・・・﹂ 俺の中では、一つの言葉が駆け巡っていた。 ﹁父さん ﹁伝説の超サイヤ人を倒せるのは、ベジータ王。貴方しか居りません。﹂ 俺はその話に興味がわき、話を聞くことにした。 ? ﹁現在、南の銀河には、伝説の超サイヤ人が居ります。﹂ しかし、ベジータはパラガスの次の言葉を耳にする。 はっ、所詮雑魚共が集まっただけの宇宙帝国だろう。そんなものに俺は興味は無い。 ﹁ッケ、下らん。﹂ パラガスの声に呼応する様に、周りの奴らも声を上げる。 !! ! 第一話 少しづつ迫る恐怖 12 ・・・ ﹂ ベジータ王の血を引く・・トランクス王子。﹂ ﹁・・・パラガス、案内しろ。﹂ ﹁父さん ﹁あなたもどうぞ・・・ ? ﹁ま、そこは上手いとこパラガス様がやってくれることだろ。﹂ そうだ、会えたからといってそれで終わりじゃない。 ﹁よしよし・・・あとは、奴さんが俺らの話を聞いてくれるといいんだが。﹂ いのだろう。バレることはなかった。 現在、アンゴルのすぐ後ろにモアがいたが、やはり、ヘルメットを付けると分からな ﹁なるほど、あれが王の風格ってヤツだな。﹂ 初めて地球を見たが、噂通り、とても美しい星の様だ。 モアは、アンゴル達と共に地球へ来ていた。 ﹁あれが、ベジータ王・・・﹂ ーーーーーーーーーーーーーーーー ? ! ﹁ああ・・・﹂ どうにか成功することを願うモア。 ﹁・・・ん、どうやら決まったな。﹂ こうして、二つの計画は、順調に進んでいた。 ﹁・・・よし、戻るか。﹂ 13
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