第一位の風祭市入り ID:99684

第一位の風祭市入り
よしゆー
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小説の作者、
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︻あらすじ︼
一方通行が好きなのでRewriteとのクロスオーバーでも書こうと思います。
⋮⋮プレイ済みのゲームで内容が強く印象に残ってたのが偶々Rewriteだっ
たってだけなんだけどね。
因みに作者は受験生なので更新は遅いです。もうホントに、亀以上にね。ご了承くだ
さい。
プロローグ ││││││││││
目 次 風祭市 ││││││││││││
1
魔物との遭遇 │││││││││
学校にて │││││││││││
7
16
26
プロローグ
第三次世界大戦が終戦し少し日にちが過ぎた頃、白い髪で瞳が赤く、杖をついていて
﹂ 中性的な顔立ちをした少年が学園都市第七学区に存在する通称、窓の無いビルと呼ばれ
る場所に呼び出されていた。 あんたどうして呼ばれたのか分かる
?
内部で完結しており、窓もドアも廊下も階段も通気口も設けられておらず、
︽空間移動︾
建物内で酸素・電気を含む生活に必要なもの全てを生産できるため、各種インフラが
ており、その堅牢さは﹁核兵器を受けても耐えられる﹂とも噂されている。 窓の無いビルの外周は︽演算型・衝撃拡散性複合素材︾と呼ばれる特殊装甲で覆われ
ここで窓の無いビルについて少し説明しておこう。 は空間移動能力の一種︽座標移動︾を使用する結標淡希だ。 この窓の無いビルの内部に人を運ぶ︽案内人︾としての役割を持つ、レベル4、能力
色の布で胸を隠しただけの上半身にブレザーを引っかけている女。 を、自分の背中の方へと流しており、 冬服のミニスカートに金属製のベルトを付け、桃
そ う 問 い か け る の は、 髪 型 は お 下 げ 髪 の よ う に 耳 よ り 低 い 位 置 で 左 右 に 結 っ た 髪
﹁一方通行
?
1
系能力者でないと内部に入ることも出ることも出来ない。 簡単に言うと、何処にも抜け道、一ミリの穴もなく、どんな攻撃を受けても傷一つつ
かない箱のようなものだ。 そしてこの密閉された空間に入る方法は︽空間移動︾系能力者の力を借りなければな
アレイスターの考えてる事なンて分かンねェよ﹂ らない。そのため、
︽空間移動︾系能力者である結標が︽案内人︾を努めているのだ。 ?
など、戦闘方面に限らず多岐にわたる応用が可能だ。 風、竜巻、飛行・高電離気体・再生促進・自転操作・レールガン以上の速度の石礫⋮⋮
作による体液操作などや、鉄柱飛ばし・身体運動増幅・風向操作によるM7クラスの暴
受動的な︽反射︾だけではなく能動的な能力としても優秀で、血流逆転・体内電流操
彼の特徴的な白い髪と赤い瞳はこの︽反射︾による弊害である。 膜に触れた全ての攻撃を、自動的かつ正確に跳ね返す事が出来るようになっている。 普段は︽反射︵ベクトルの反転︶︾に設定されており、身体の周囲を覆うわずかな保護
ベクトル︵向き︶を観測し、触れただけで変換する能力である。 一方通行の能力︽一方通行︾は、運動量・熱量・光・電気量etcといったあらゆる
位である、学園都市最強の超能力者、一方通行は気怠げに答えた。 窓の無いビルについて呼び出された少年、七人しかいないレベル5の一人にして第一
﹁あァ
プロローグ
2
このように、一方通行は学園都市最強に相応しい優れた能力を持っているのだ。 ﹂ ﹁おい、態々呼び出して何のようだ くだらねェ事で呼び出したンじゃねェだろうな
には表に出ない、謎の多い人物だ。 窓のないビルに設置されたビーカー、正確には生命維持装置にて外界を伺い、基本的
にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える。 アレイスター=クロウリー、 学園都市の最高権力者であり学園都市統括理事長。男
ビーカーの中の人らしきものはそう話しかけた。 ﹁来たか一方通行﹂ りにビーカーが立っており、そしてそのビーカーの中に人らしきものが浮かんでいる。
窓の無いビル内の通路を歩いて行くと、広い場所に出た。そしてその空間の真ん中辺
﹁とにかくアレイスターに会えば全部分かンだろ﹂ ﹁そう。でも学園都市最強の男を態々呼び出すなんて面倒ごとの予感しかしないわね﹂
3
?
そうアレイスターが言うと、何も無い空間に画面が現れ、
︽風祭市︾
︽鍵︾
︽ガーディア
﹁ふむ、先ずはこの資料を見てくれ﹂ ?
ン︾︽ガイア︾︽ドルイド︾などの資料が表示された。 資料をよく読んで要約すると、風祭市という都市に魔術とも、学園都市の超能力とも
違う力を操る集団がいるらしい。そしてその集団は︽鍵︾というものを巡って争ってい
るとの事。超能力集団を︽ガーディアン︾、魔物というものを操る集団を︽ガイア︾、そ
して︽鍵︾を守ろうとしている集団は︽ドルイド︾という集団と書かれている。 ﹁オマエは俺に何をさせようとしてンだ。勿体ぶらずに早く言えよ﹂ 一方通行は資料を提示された資料を短時間で全て暗記してそう聞いた。学園都市最
高の頭脳を持つ一方通行であればこの程度の暗記など造作もないことだ。 ﹁この鍵という存在は使い方を誤れば世界を滅ぼしかねない存在なのだよ﹂ ンなこと出来ンのかよ。超能力者じゃまず無理だし、魔術師で
だ。それを魔術師はやって見せるという。 市最強、つまり超能力者の頂点だ。その一方通行でも世界を滅ぼすなんてことは不可能
アレイスターの言葉を聞いて一方通行は内心とても驚いていた。一方通行は学園都
いい﹂ ﹁極少数だが世界を滅ぼす事のできる魔術師は存在する。だが今はそんな事はどうでも
もンなこと出来る奴なンていねェだろ﹂ ﹁世界を滅ぼすだァ
?
﹁今回一方通行を呼んだのは、この鍵が原因で起こる世界の滅亡を止めて欲しいからだ。
プロローグ
4
﹂ この危機を回避出来るのなら手段は問わない﹂ ﹁⋮⋮魔術師の方はどうすンだ
﹁それについては問題ない。新しい演算補助デバイスを用意しておいた﹂ はどうするつもりだ﹂ ﹁おい、俺が演算補助デバイス無しに行動出来ねェのは知ってンだろうが。そこンとこ
風祭市に行っている間はバッテリー管理はどうするのかが気掛かりだった。 日常生活のみなら約48時間、能力を全開で使うとわずか30分しか持たないので、
だが、バッテリーで動く機器を使用する関係上、行動全てに時間制限が課せられている。
で、歩行時に杖を必要とするものの日常生活に支障なく行動できる程度まで回復したの
冥土帰しの用意した機器でミサカネットワークから演算能力を補助してもらうこと
算能力の一切を失った。 うために頭を銃弾で撃ち抜かれた経験があり、そのせいで頭蓋を損傷し、言語機能と計
一方通行はその説明に一応は納得しておいた。だが、一方通行は過去に打ち止めを救
に代わり風祭市に行って止めてもらう﹂ い。だが、もし行動に移したときに私が不在なのは色々と不味いのでね。一方通行、君
﹁魔 術 師 の 方 は 世 界 を 滅 ぼ す 力 を 持 っ て い る だ け で 今 の と こ ろ 滅 ぼ そ う と は し て い な
?
5
アレイスターがそう言うと、一方通行の前の空間からチョーカー型の演算補助デバイ
スが現れた。 来るようになっているが、能力は常時使えるようになっている。だが能力を全開で使用
﹁それは太陽光や光で充電出来るソーラー仕様だ。裏切り対策にこちらから遠隔操作出
した時のバッテリーの消費は激しいから、一日中杖無しの全開使用は出来ない。能力は
よく考えて使用してくれ﹂ 確かにこれなら専用の機器無しでも充電出来る。一方通行は新しいチョーカー型演
算補助デバイスに問題が無いことを確認すると、今つけている演算補助デバイスと取り
替えた。 ﹂ 一方通行だと何かと不便だろう。偽名を考えておく事をおすすめするよ﹂ ﹁それと君は風祭市に滞在中、 風祭学院高校に通ってもらう。学校に通う際に名前が
﹁あァ、分かった。学園都市を出るのはいつだ
﹁詳しい日程などは追って連絡する。ひとまず今話すべきことは全て話した﹂ ?
た。 そう一方通行は呟き、側で話を一緒に聞いていた結標と共に窓の無いビルを後にし
﹁そォかよ﹂ プロローグ
6
風祭市
アレイスターと窓の無いビルで話してから一週間後の今日、一方通行は風祭市のバス
停に立っていた。 冷たく乾いた風が吹き、冬の訪れが近くに感じられる。一方通行の今の服装は、第三
次世界大戦時に来ていた白い防寒着に白いズボンを着ている。髪の色も肌の色も杖の
色も白いので全身真っ白な状態である。 それなのに瞳だけは赤いので、周りの人からは稀有なような物を見る目を向けられて
いた。 自身は特に名前に執着は無いし、そもそも名前をつけるのが面倒くさかったので、打ち
一方通行が風祭学院高校に入るに当たって、偽名を使う必要があるのだが、一方通行
一方通行はまともな学校生活送った経験が無かったので、少し楽しみでもあった。 送ってくれとの事らしい。 た、
︽鍵︾がいつ現れるかは分からないので、
︽鍵︾が現れるまでは、普通に学校生活を
一方通行が風祭学院高校に通い始めるのは、キリのいい三学期になってからだ。ま
﹁ここが風祭市ねェ⋮⋮、見た感じ緑が多い以外は普通の街って感じだがなァ⋮⋮﹂ 7
止めと番外個体に丸投げしたところ、 鈴科モヤシ という名前を初めとした不名誉な名前をつけられそうになったので︵主に番外個体︶、
結局自分で考えることにした。 そして決めた名前は、 鈴科冬馬 考えたというよりも適当に、とある不幸なヒーローの名前の漢字を変えただけであ
る。一方通行にとって名前というものは、そのくらいどうでもいい事だった。 ﹁取り敢えずアレイスターが用意したマンションに行って、その後に街を見回ってみる
かァ﹂ アレイスターが用意したマンションを確認した後に、一方通行は風祭市内の地形を覚
えるのを目的に、街を見回っていた。 帰り道にコンビニでブラックコーヒーを買い占め、パンパンになったビニール袋を持
﹂ ちながらいつもの癖で路地裏に入ったのだが、その時に一方通行を違和感が襲った。 なンだここは⋮⋮
?
?
かに何かが違うのだ。 一方通行が感じた違和感。見た目は風祭市内にある路地裏にそっくりなのだが、明ら
﹁あァ
風祭市
8
通行を見ていた。 やはり白髪で赤い瞳の一方通行は目立つのか、周りにいる生徒たちがチラチラと一方
一方通行は風祭学院高校の制服に身を包み、杖をついて通学路を歩いていた。 日、つまり一方通行の学校生活一日目に当たる日だ。 一方通行が風祭市にやって来て二ヶ月ほど日にちが経ち、今日は三学期初めの登校
いだろうし、分かるような事でもなかったので、警戒レベルを上げる程度で済ませた。
さっきした経験を通して考えてみたのだが、やはり経験が一度では確定的な答えは出な
どのようにしてあそこに入り、どのようにして抜けることが出来るのかを一方通行が
一方通行は元の風祭市に戻ってきてからあの空間について考えていた。 いた。 一方通行が周りを警戒しながら路地裏を暫く歩いていると、また元の風祭市に戻って
この場所はさっきまでの所と違って生きてる感じがしねェ。死ンだ街みてェだ︶
︵やっぱこの風祭っつゥー街は何かが違うみたいだなァ。上手く言えねェが⋮⋮、今の
9
一方通行が学校に着くと、職員室に通され、担任らしき先生に詳しく話を聞き、1ー
Bと書かれた教室に案内された。 どうやら、ホームルームで転校生が来ると説明しているらしい。 ﹁鈴科君。呼ぶまでそこで待っていて下さい﹂ 暫くその場で立って待っていると先生声をかけてきた。 ﹁鈴科君。自己紹介をお願いします﹂ 教室に入ると、クラスの皆の視線が一方通行に集中する。一方通行はその視線に特に
なんの反応も示さずに自己紹介を始めた。 場合や緊急事態に陥った場合。校内事情を知ってるか知っていないかだったら、知って
一方通行は、放課後の時間を使って校内の把握を始めた。もし、校内で戦闘になった
かった。 る。一方通行が発する独特な雰囲気のおかげか、転校生特有の質問攻めに会うことはな
今日は三学期最初の登校日だったので、ホームルームが終わった後はすぐ放課後にな
こうして一方通行の学校生活が始まった。 ﹁鈴科冬馬だァ。よろしくゥ﹂ 風祭市
10
おいて損はしないと考えたからだ。 最悪学校ごと破壊することも出来るのだが、そんな事をしたらもう風祭学院高校には
いられないだろう。さらに、必要以上に能力を使用して怯えられても面倒だ。 ﹂ 人 に 名 前 尋 ね る と き は 自 分 か ら 名 乗 り ま し ょ う っ て 習 わ な
ねえねえ、いくつか質問するから答えてくれない
校内を散策しながら歩いていると目の前に一人のカメラを持った女子生徒が立ち塞
﹁ンで
?
がった。 ﹁噂の転校生発見
﹂ 誰 だ オ マ エ
?
その新聞部の井上さンが俺に何のようなンですかァ
﹂ ?
!
﹂ ?
!
きっとあなたには何か秘密があるんだって 新聞部としてここは引けないでしょ
!
﹂
何 も 分 か ら な か っ た の よ。こ ん な の 普 通 あ り え な い の ね。そ し て あ た し は 思 っ た わ。
﹁転校生君についてちょっと調べさせて貰ったんだけど、名前の鈴科冬馬ってこと以外
問ってなンだよ
﹁うさぎって言うンじゃねェ オマエ初対面の人に対して失礼すぎだろ。つゥーか質
にしてもホントに真っ白だね∼。うさぎみたい♪﹂ ﹁噂で真っ白な転校生が来たって聞いたからね。直々に確認しに来たってわけ それ
?
﹁あ、ごめんごめん。あたし新聞部の井上って言うの。はじめまして﹂ かったンですかァ
﹁あ ァ
?
!
?
11
?
その女子生徒もまさかこんな何も無い場所に人がいるとは思っていなかったのだろ
思えない物だった。 そしてその女子生徒が教室の扉を開いた時にちらっと見えた室内がとても学校とは
の女子生徒が出てきた。 ここらへんには何もないと判断して帰ろうと思った一方通行だが、ある教室から一人
校舎の端っこにあり、使用されている部屋がないため、生徒や教師の姿もない。 一方通行は寂れた感じの一画にやってきた。 その隙に一方通行は井上から離れて校内散策を再開した。 行がいつの間にか逃げて、いなくなったように映っているだろう。 と井上は相対しているように見えるが、井上本人からはちょっと目を離した隙に一方通
きを操作して、井上の目に入らないようにした。その結果、第三者から見れば一方通行
一方通行は井上が一瞬自分から視線を外したタイミングで、自分に触れている光の向
心怒りながら、これ以上の追求を避けるために逃げる判断をした。 一方通行は中途半端に自分の身分を偽ったアレイスターに帰ったら殺してやると内
﹁イヤだ。帰る﹂ 風祭市
12
う。一方通行を見た瞬間とても驚いていた。実際普通の生徒はここには来ないのだか
ら。 本棚っぽいのが見えたが図書室って訳で
一方通行はその女子生徒に疑問に思った事を聞いてみた。 ﹁おい、そこのオマエ。この教室はなンだ
﹁⋮⋮なンで俺の名前知ってンだ
﹂ ﹂ ?
た事を思い出した。 一方通行はオカルト研究会のオカルトという言葉を聞いてこの間の謎の空間に入っ
ないから勝手に教室を私室にして使ってるのだろうと納得した。 一方通行は朱音の言葉を聞いて、要するに誰にも迷惑掛けてないし、気にする人もい
こ先生も生徒も来ないから誰も文句言わないし﹂ ﹁オカルト研究会としての活動として使ってるだけよ。メンバーも私一人だけだし、こ
﹁そォか、ンで、住ンでるってのはどういう事だ
目立つ人間がこんな時期に転校してきたら嫌でも噂になるわ﹂ ﹁おまえ結構有名人なのよ。白髪で白い肌、赤い瞳、おまけに杖をついている。これだけ
?
馬﹂ ﹁私 が 住 ん で る の よ。こ こ に。あ と 私 の 名 前 は 千 里 朱 音。オ マ エ じ ゃ な い わ。鈴 科 冬
もねェし、それに何より生活感が出てるのはおかしいだろ﹂ ?
13
そして、風祭学院高校のオカルト研究会なら風祭市のオカルト事情、正確にはあの謎
﹂ ﹂ の空間について、そして︽鍵︾についても調べられるかもしれないと思い、朱音に聞い
た。 まさか入部したいの
?
部活内で共に過ごしてみて一方通行の人間性について見極めようと思った。 入部したいと言ってきた。朱音は、このチャンスを利用して、調べて出てこないのなら、
半ば諦めかけていたときに、偶然その監視対象と出くわし、さらにオカルト研究会に
である。 怪しい事この上ないくせに、調べても何も出て来ないのだからお手上げ状態だったの
なのだが、一方通行の場合は経歴が一切不明なのだ。 して朱音は逐一確認するようにしている。まぁ殆どがなんの関係もないただの一般人
ガイアに対する害となるか、それとも味方なのか、ただの一般人なのか、転校生に対
である。 調べていたが、新聞部の井上と同じで鈴科冬馬という名前しか把握出来ていなかったの
朱音は一方通行の言葉を聞いて、内心嬉しかった。朱音は真っ先に一方通行について
?
﹁なァ、オカルト研究会って部員募集してたりすンのか
﹁えっ、してないけど⋮⋮。なに
?
﹁あァ、風祭市のオカルトについて興味がある﹂ 風祭市
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なので朱音は一方通行の入部したいという願いを了承することにした。 そう朱音が言ったのに頷いて一方通行は自分の住むマンションに帰っていった。
﹁活動は、明日からにするわ。明日の放課後またここに来るように﹂ ﹁おォ、よろしくゥ﹂ ﹁結構。オカルト研究会へようこそ﹂ 一方通行は入部用紙を受け取り、サインをして朱音に返す。 ﹁ええ、分かったわ。これ入部用紙ね﹂ 15
学校にて
一方通行が朱音に初めて会い、オカルト研究会に入部する事になった日、マンション
に戻った一方通行は愛飲しているブラックコーヒーを飲もうと冷蔵庫を開けたが、買い
置きが全て無くなっていたので、コーヒーを補充する為に近場のコンビニに向かって歩
いていた。 という考えにいたり、一方通行を襲撃した訳だが、結果は一方通行の反
?
射によって全滅。そのような事が日常的に繰り返されていたのである。 ではないか
その結果スキルアウト達は、大人数で一気に叩けば学園都市最強といえども勝てるの
筋肉も少なく痩せ型だった事もあり、生身の喧嘩が強そうとは思えなかったのだ。 な能力を使うのかまでは把握していなかったし、一方通行の見た目は一般男性に比べて
スキルアウト達は一方通行を︽学園都市最強︾と理解はしていても、一方通行がどん
うしてコンビニにコーヒーを買いに行くだけでもよく絡まれていた。 学園都市では一方通行は学園都市最強だと知っている一部のスキルアウト達から、こ
こじゃあ俺については知られてねェから当たり前かァ︶ ︵この街ではスキルアウトみたいに絡ンでくる奴らがいなくて気が楽だなァ。まァ、こ
学校にて
16
一方通行自身はスキルアウト達を脅威と微塵も思ってなかったが、毎回絡んでくるの
は鬱陶しく感じていたので、今の状況は喜ばしい事であった。 れば時間は関係なく、また別の要因が絡んでいると考える事ができる。 規則性があれば時間がこの場所に紛れ込むのに必要な条件であり、またランダムであ
周期でこの場所に迷い込むのかを調べようと考えたのだ。 ている場所に入った時期を計算していた。この未知の場所を知るためにどのくらいの
一方通行は冷静に二回目の圧縮空間、ガイアからは︽石の町︾、
︽人口来世︾と呼ばれ
一回くらい入りゃその辺も分かってくるだろォな︶ 来るのは二ヶ月ぶりぐらいだが、規則性でもあンのか、それともランダムなのか、あと
︵またここかァ。この間からこの路地裏を通ってるが、ここに入るのは二回目。ここに
来た日に路地裏に入った時と同じ違和感に襲われた。 会計を終えコンビニから出て帰り道の途中、いつものように路地裏に入ると風祭市に
行為はいつもの事なので、店員も特に気にする事なく対応していた。 るブラックコーヒーを買い物かごに入るだけ入れレジに持って行く。一方通行のこの
そんな事を考えていたらコンビニに着いていたので、コンビニに入り、棚に置いてあ
がたく思うことにするかァ︶ ︵まァ、この日常も学園都市に帰るまでなンだがなァ。取り敢えず今はこの状況をあり
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明らかに非常識なこの現象は︽鍵︾に繋がるヒントになると思い、この場所について
詳しく調べようとしていた。 一方通行は路地裏の壁に手をつき、五本の指先に力を入れる。そしてその指先の力の
︵取り敢えず、今出来ることからしていくかァ︶ 向きをそれぞれが離れていくように変える。 分かりやすく言えば五個の同じ極の磁石を一箇所に集めておいたようなものだ。同
じ極の磁石は互いに離れていく性質を持っている。今回一方通行がやったのはその磁
石の部分を力にしたようなものだ。 そうした結果、路地裏の壁が破壊され、粉々になった。 対しても充分に使える︶ ︵どォやらここでも物理法則は成り立ってるみてェだな。なら俺の能力もここの物質に
一方通行は自分の能力がこの場所に干渉出来る事を確認し終えると、今度は自分にか
かる重力の向きを操作し、空に飛んだ。いわゆる、︽飛行︾と呼ばれるものだ。 一方通行はこの圧縮空間の様子を上空から観察する。 一方通行は自分の住むマンションの前に降り立ち、中に入ろうと思い共有玄関を開け
写してる事は間違いなさそうだ。やっぱこの街には普通じゃない何かがあるなァ︶ ︵風祭市そのものって感じだなァ。この間は路地裏しか分かンなかったが、風祭市を模
学校にて
18
た。そして中に入ったら、元の風祭市の生活感溢れる光景に戻っていた。 ︵危ねェ⋮⋮
反射設定切ってなかったらコイツに怪我させるとこだったぞ⋮⋮︶ 一方通行は学校内では反射設定を切っている。学校内では生徒のじゃれ合いなどに
!?
た。 てきたドアとは別のドアから出ようとしたが、それは井上に腕を引かれる形で遮られ
一方通行は井上の姿を見た瞬間露骨に顔を歪め、自分の席から立ち上がり井上が入っ
聞部の井上が入ってきた。 事を眺めていると、教室の扉が勢い良く開かれ、カメラを首から下げた少女││││新
翌日、一方通行は登校し教室の自分の席に座って周りで雑談しているクラスメイトの
の部屋へと戻っていった。 一方通行はそんな事を考えながら、ブラックコーヒーの入った袋を片手に持ち、自分
からまァいい。次に入るときに、そこンとこは調べるかァ︶ ︵元の風祭市に戻って来る条件は不明ねェ⋮⋮。取り敢えず今回は幾つか収穫があった
19
より、今のような事が起こる可能性は高いと予め考えていたからだ。 不意による襲撃に対する防御面の心配があったが、生徒に誤って攻撃してしまったら
面倒な事なる事は明確であり、尚且つ襲撃よりも生徒との接触の方が確率的に高かった
ので、反射設定を切ることにした。 しかも一方通行は学園都市の暗部に所属していた事もあり、自分に向けられる殺意に
﹂ は気づく事が出来るので、簡単に対処出来る自信があったのも要因の一つだ。 ﹂ 杖ついてンのが見えねェのか
逃げることないでしょ
腕引っ張ンじゃねェ
!
﹂ ?
えた。さすがに世界の滅亡やら能力の事を無関係の人間に話すわけにはいかない。 もう言い逃れ出来ないと思った一方通行は、妥協案を出すことで質問に答えようと考
﹁鈴科君の秘密について調べに来たの。今から幾つか質問するから答えて﹂ ﹁はァ⋮⋮。何のようだ
倒な奴に目をつけられたと思い、内心ため息をつきながら井上に向かい合った。 井上はムスッとした表情で一方通行を見る。一方通行は逃げられない事を確信し、面
!
﹁ちょっと
﹁おい
!
!
﹁鈴科君が逃げるからいけないんじゃないの﹂ !
エにも人に言いたくない秘密の一つや二つぐらいあンだろ。それが条件だ﹂ ﹁分かった。オマエの質問する中で俺が答えていいと思った事だけに答えてやる。オマ
学校にて
20
﹂ ﹁ええ、それでいいわよ。まずは⋮⋮そうね。杖をついている訳と首に巻いてある機械
について、それ何
?
﹁ふーん、なるほどね。じゃあ次の質問ね。どうして鈴科君の経歴は真っ白なの
し、一応質問には答えてもらったから今日はこれで戻るね﹂ ﹂ ﹁いや鈴科君の保護者とか知らないし⋮⋮、まあいいわ。ホームルームまで時間もない
帰ったらぶっ殺そうと再び誓った一方通行であった。 て読めるわけがないのだが、こんな面倒な事を引き起こす原因になったアレイスターを
これは一方通行も知らないことだ。そもそもアレイスターが何を考えているかなん
﹁知るか。俺の保護者に聞け﹂ ?
ち込まれた事だなんて露ほども思わないだろう。 いくら新聞部でインタビュー慣れしている井上でも、まさか交通事故が頭に銃弾をぶ
なければ杖無しに歩くことは出来ないし、チョーカーが無いと日常生活すら送れない。
一方通行は真実に嘘を混ぜつつ質問に答えた。実際、一方通行は能力を完全に使用し
械だ﹂ ねェ身体になっちまっただけだ。このチョーカーは障害のある脳の働きを補助する機
﹁⋮⋮昔、交通事故にあってよォ。脳に障害負っちまったンだよ。ンで杖無しじゃ歩け
21
井上は一方通行から聞いた交通事故について過去の記事から調べてみようと思って
いた。自分でまず調べてみて、それでも分からないところは本人に聞きに行くのが彼女
のスタンスだ。 まあいくら調べたところで一方通行の記事が見つかる事はないのだが⋮⋮。 井上が自分の教室に戻ってからは平穏に時間が過ぎていき、今は放課後になってい
る。 一方通行は昨日入部したオカルト研究会の使用している空き教室に行くため、廊下を
歩いていた。 道中特に何も起こらず、空き教室につくとドアをノックした。 ﹁おい、鈴科だ。来たから開けろ﹂ そういうとドアの鍵を開け、朱音が出てきた。 一方通行は朱音に促され空き教室に入る。そして教室内の様子に目を見開いた。 ﹁待ってたわ。入ってちょうだい﹂ ベッド、ソファ、パソコン、果てはシャワールームと完全に教室にあるものでは無かっ
た。なるほど、これなら確かに住んでいると言われて納得できる。 ﹁オマエ、マジでここに住ンでンのかよ⋮⋮﹂ 学校にて
22
﹁別に良いじゃない。誰も文句言わないんだし﹂ 一方通行は本棚のある所に行き、本棚を物色し始め、朱音はそれを一瞥した後、パソ
コンの前の椅子に座りゲームをし始めた。 一方通行はオカルトに関して書かれた本を片っ端から手に取り、朱音からは死角にな
る位置に座り、物凄いスピードで読んでいく。ここでも一方通行の学園都市最高の頭脳
はその優秀さの片鱗を見せた。 一方通行はオカルトに関しての書かれている本を片っ端から全て読んでみたが、大し
た情報は得られなかった。 ここに置いてある本のオカルトは風祭市には関係のない、小さな子供が噂して楽しむ
ようなものばかりだった。 ﹂ ?
﹂ ?
を 信 じ て な い と 言 う。そ れ な ら 何 故 オ カ ル ト 研 究 会 な ん て も の を 作 っ た の だ ろ う か。
一方通行は自分の耳を疑った。朱音はオカルト研究会に所属しているのにオカルト
﹁はァ⋮⋮
の。私、オカルトなんて信じてないから﹂ ﹁ええ、だってその本、ここがオカルト研究会って証明する為だけに置いてある本だも
﹁おい千里、オカルトについて書かれた本ってここだけか
︵チッ⋮⋮。期待していたわけじゃねェがさすがにこれはねェだろォよ⋮⋮︶ 23
﹁じゃあなんでオカルト研究会なンて作ったンだよ
したンだが、何かしらねェか
﹂ ﹂ ﹂ オカルト研究会の部長さんよォ
﹂ ﹁なァ、普通に歩いていたら雰囲気がガラッと変わって変な空間にいたっつゥー経験を
一方通行はダメ元で圧縮空間について聞いてみた。 行もそんな人間の一人だった。魔術師という非科学的な力を扱う人間に出会うまでは。
で住んでいる人間はオカルトなんて非科学的な事を信じないのが普通なのだ。一方通
く信じていなかったので強くは言えない。そもそも学園都市という科学の最先端の街
一方通行は頭を抱えたくなった。だけど一方通行もオカルトに関しては前までは全
て胡散臭い所誰も入ろうだなんて思わないでしょ
前だけよ。この空き教室が使えるなら何でもよかったの。それにオカルト研究会なん
﹁作ったわけではないわ。元々あったのを私が引き継いだだけ。それに今となっては名
?
?
?
ろう。 いと確信する。しかし、入部してしまった以上部員として活動しない訳にはいかないだ
絶対に自分の話を信じてないと一方通行は思いながら、ここで調べられる事はまず無
?
?
﹁そんな事ある訳ないでしょ。白昼夢でも見たんじゃない
学校にて
24
﹂ ﹁オカルト研究会って普段どンな活動してンだァ
ンじゃもう来なくていいのか
﹁⋮⋮してないわよ、活動なんて﹂ ﹁あァ
﹁駄目よ。おまえは部員でしょうが﹂ ?
﹂ ?
勝手に一人でやってろよ﹂ じゃあおまえは何をするつもりなのかしら この部室で時間を潰せるもの
?
に一緒にやらせるという日常が今日から始まったのであった。
PSをやる時においても発揮し、それを見た朱音が放課後、一方通行にFPSを強制的
結局一方通行は朱音に無理矢理FPSをやらされ、一方通行がその頭脳の優秀さをF
﹁⋮⋮⋮⋮﹂ なんて大して無いのだけれど﹂ ﹁あら
!
?
﹁知るか
一人じゃ捌ききれないのよ﹂ ﹁鈴科。する事無いのだったら私と一緒にFPSやりなさい。最近厄介な人達がいて私
けて言った。 朱音は少し悩んだ素振りをして、ふと何かを思いついたような顔をし、一方通行に向
﹁何してりゃあいいンだよ⋮⋮﹂ ?
25
魔物との遭遇
一方通行が朱音にFPSを強制的にやらされる事になり、結局最終下校時刻までゲー
ムをした日。 一方通行は暗くなった風祭市内を歩き、帰路についていた。 息をつくのであった。 た。恐らくこれからもゲームをやらされると一方通行は思い始めており、人知れずため
一方通行がFPS内で無双してしまったため、帰り際の朱音は随分と機嫌が良かっ
カルトなんて微塵も信じておらず、おまけにこんな時間までゲームをやらされたのだ。
る事が確定し、オカルトについて調べようと入部したオカルト研究会の部長の朱音はオ
一方通行にとって今日は散々な日だった。井上にはこれからしつこく付きまとわれ
ち止めが一番マトモってどういう事だよクソッタレ⋮⋮︶ え教室を私室化するゲーム脳で引きこもり気質の女ときたもンだ⋮⋮。一番ガキの打
に家で引きこもってるニート、性悪イタズラ女に秘密探ってくる新聞部の女、それに加
︵ったく⋮⋮俺の周りにはロクな女がいねェなァ⋮⋮。炊飯器でしか飯を作らない教師
魔物との遭遇
26
そんな事を考えながらもはや通学路となっている路地裏を歩いていた一方通行だが、
再びあの違和感に襲われた。 合だ︶ ︵狼かァ⋮⋮
ここにも生物がいンのか
こりゃまた新しい情報が手に入って好都
?
跡形もなく消えていった。 一方通行はふっ飛ばしたハウンドを確認しにいくと、一方通行の目の前でハウンドは
音速を越えるスピードで路地裏の奥の壁に突っ込んでいった。 で追撃し、地球の自転のベクトルを乗せたパンチをハウンドに叩き込むと、ハウンドは
だが一方通行の頭部に触れた瞬間、顎がありえない方向に曲がった。一方通行がそこ
を目掛けて噛み付いてきた。 一方通行がチョーカーをいじり終えるのと同時に一体のハウンドが一方通行の頭部
をいじり能力を完全に使えるようにする。 一方通行はそう考えながらも、目の前のハウンド達から敵意を感じたためチョーカー
?
ガイアの扱う魔物︽ハウンド︾が五匹現れた。 一方通行がそう結論づけ、圧縮空間内の路地裏を歩いていると、目の前に狼││││
︵二日連続ねェ⋮⋮。この空間に入るのに時間は関係ねェみたいだな︶ 27
︵死体が残らねェだと⋮⋮
これがアレイスターの言ってた魔物って奴かァ だと
?
︶ !
た。 ﹁⋮⋮
﹂ ?
魔物使いの一人が驚き目を見開くが、物凄いスピードで石が頭部にぶち込まれ、脳味
!?
﹂ いことでは無かったので、いつも通り撤収しようと思ったのだが今回は相手が悪かっ
からは離れている事が普通だ。今回のように超人にハウンドがやられる事は、別段珍し
そもそも魔物使い自身の身体能力は一般人と変わらないので、魔物使い自身は戦闘域
もって関係ないのだが︶ 返 り 討 ち に さ れ て ガ ー デ ィ ア ン の 超 人 だ と 確 信 し た。︵実 際 に は ガ ー デ ィ ア ン は 全 く
に魔物の存在を見られたために消そうと思ってハウンドに攻撃を仕掛けさせたが、逆に
ガイアの魔物使い、正確に言うなら洲崎の率いる強硬派の魔物使いの五人は、一般人
ピードで飛んだ。 から微弱に出ている別の放射線のベクトルを感じ取り、その場所に向かって物凄いス
一方通行は残りのハウンドを蹂躙し、周囲の放射線のベクトルを感知しながら、人間
してたところだしよォ、スクラップにしてやるよ三下共がァ
したら俺を襲ってきたのはガイアって事になるなァ。今日散々な目にあってイライラ
?
﹁こんにちわァ。スクラップの時間だぜェ
魔物との遭遇
28
噌を撒き散らしながら言葉を発する事なく絶命した。 残りの魔物使い達は呆然とその様子を眺めていた。 ﹂ ?
残る三人のうち一人は体内の血流を逆流させられ、また一人は全身の骨をぐしゃぐ
後先構わず逃げ出そうとしたが一方通行はそれを許さない。 事に躊躇せず、尚且つこちらが束になっても敵わない力を持っている。 魔物使い達に残っていたのはもう恐怖心だけだった。目の前の白い悪魔は人を殺す
わねェよなァ
﹁おいおい、先に手ェ出して来たのはテメェらだろォが、まさかこれで終わりだなンて言
その結果、声をあげることなくまた一人の人間の命が消えた。 電流、いわゆる身体の動きをつかさどる電気の流れをズタズタに乱す。 一方通行はその場を離れようとした一人に物凄いスピードで近づき、肌に触れ、生体
うとその場から離れようとしたが、一方通行相手にそんな事は不可能だった。 こんな化け物をガーディアンは今まで隠していたという新事実を受け、上に連絡を取ろ
ました。この超人はこれまで相手にしてきたどの超人よりも化け物じみていると思い、
魔物使い達はそれを聞いて戦慄する。この超人は音速で物を飛ばすのを﹁だけ﹂で済
でぶち込ンでやっただけだ﹂ ﹁何が起きたか分かンねェって顔してやがンな。ただそこら辺に落ちてる石ころを音速
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しゃにされ、残った最後の一人は一体目のハウンドと同様に音速を越える速さで壁に頭
から叩き込まれ、それぞれ絶命した。 一方通行はそう吐き捨て、元いた路地裏に戻って行った。 ﹁チッ⋮⋮雑魚が。つまんねェ⋮⋮﹂ 一方通行が路地裏に戻ると同時に、元の風祭市に戻り、帰路を歩きながら脳内で考え
を纏める。 ︵あそこには魔物がいた。つまりあそこはガイアの用意した拠点みたいな場所かァ
下っ端連中だとしても正直拍子抜けだぞ︶ 般人に見られるのは不味いみてェだな。それにしても魔物ってあンなもンなのか⋮⋮
いや、決めつけンのはよくねェな。それにいきなり襲い掛かって来たところをみるに一
?
も対処可能といったレベルなのだ。 4、最悪エイワス並みの戦力を想定していたのだが、いざ蓋を開けてみればレベル3で
滅ぼす原因になりうる︽鍵︾を巡って争っていると聞かされていたので、弱くてレベル
一方通行の中では今のガイアの脅威性は想定よりもかなり低くなっていた。世界を
?
分かンねェが、そういう可能性も考えていた方がいいかもな︶ よりあの場所にガイアは間違いなく関係してそォだ。あそこに鍵がいンのか よく
︵まァ、まだ下っ端連中にしか遭遇してねェから雑魚と決めつけンのも早いかァ。それ
魔物との遭遇
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?
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一方通行は今日新たに分かった情報を脳内で整理し、そのままマンションに帰って
いった。