金融政策展望(7/28・29、日銀決定会合)

景気循環研究所レポート
景気循環研究所の
金融政策展望(7/28・29、日銀決定会合)
2016 年 7 月 26 日
追加緩和の予想
日本銀行は、7 月 28-29 日の金融政策決定会合で、追加の金融緩和を決
定する可能性がある。最近の物価動向をみると、5 月のコア CPI は前年
比マイナス 0.4%、日銀版コアコア CPI も 5 月に同 0.8%と鈍化している。
国内需要デフレーターは 15 年 7-9 月期以降、3 四半期連続でマイナスと
なり、しかもそのマイナス幅は 16 年 1-3 月期に 0.5%まで拡大した。
「展
望レポート」の物価見通しの下方修正が確実視される中、今会合での追加
緩和は避けられない。
量的緩和に回帰へ
量的拡大を伴わない金融緩和は為替相場や株価を不安定化させるとい
う、今年 1 月末のマイナス金利決定時の教訓を踏まえると、日銀は量的な
緩和に回帰する可能性が高い。今後、政府が経済対策において、建設国債
および財投機関債の増額発行を予定していると伝えられており、日銀の買
入増額との相乗効果も期待できる。QQE の枠組み変更や、2%物価目標へ
のコミットメントの修正は必要ない。なお、マイナス金利の深堀りについ
マイナス金利には副作用
ては、既に企業の借入金利負担の大幅な軽減が日銀短観等で確認されてお
り、その意味で、マイナス幅の拡大は現時点では必要ない。
嶋中 雄二
景気循環研究所長
鹿野 達史
景気循環研究所副所長
シニアエコノミスト
宮嵜
くすぶ
に拡大して、市場に 燻 る「金融緩和の限界」論を払拭したことであろう。
もう 1 つは、近い将来、住宅に続き設備の資金需要を刺激すると推測さ
れることである。弊害は、量の拡大の可能性が狭まったと誤解させたこと
に加え、24 年振りの長短逆イールドを引き起こし、金融機関の収益と株
浩
シニアエコノミスト
03-6627-5132
miyazaki-hiroshi@sc.mufg.jp
福田
マイナス金利政策による成果の 1 つは、金融政策の機能を 3 つの次元
圭亮
シニアエコノミスト
03-6627-5133
fukuda-keisuke@sc.mufg.jp
価に打撃を与えたことだ。マイナス金利政策に伴う現状の名目貸出金利水
準は、日銀が重視する「自然利子率」を既に十分に下回っていると考えら
れる中、間接金融に及ぼす副作用を軽視して、実質金利を「自然利子率」
を下回る水準に無理に引き下げる必要はないと考えられる。
現在までの量的拡大の成果は非常に大きい。マネタリーベースの増加
は、1 年半のタイムラグで着実に名目 GDP を拡大してきた。2020 年度下
本レポートは、嶋中雄二の見方に
基づき、宮嵜・福田が執筆を担当
しています。
期に名目 GDP600 兆円の目標を達成するには、19 年度上期までにマネタリ
ーベース(平残)を 676 兆円(15 年度下期 354 兆円)に拡大させること
が必要と試算される(年率 92 兆円増、20.3%増)。現在のように名目 GDP
景気循環研究所
に足踏みが見られる時こそ、追加緩和が必要な時なのではあるまいか。
東京都千代田区大手町 1-9-2
(以
大手町フィナンシャルシティ
グランキューブ
(16.7.26
1
みやざき
上)
ひろし
嶋中 雄二・宮嵜 浩 )
2016 年 7 月 26 日
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