米国自動車販売:販売施策強化で、年後半に盛り返す見通し

景気循環研究所レポート
米国自動車販売:販売施策強化で、年後半に盛り返す見通し
2016 年 7 月 22 日
米国自動車販売はやや頭
打ち。一部は、自動車メ
ーカーが自主的に抑制
米国の自動車販売は、現在、やや頭打ちとなっている。ただし、一部
は、自動車メーカーが利益率改善のため、自主的に販売を抑制している
側面もあるようだ。
6月の自動車販売台数は、前月比マイナス4.5%減少となり、年率換算
1,666万台に止まった(図1)
。16年上期(1-6月期)の平均は、年率換算
1,711万台と、依然、前年同期比プラスを保っているものの、16年通年で
昨年の水準を上回るのは難しい状況にある。昨年の9、10、11月の販売台
数は、年率換算1,800万台超と好調だったことから、16年通年で15年の水
準を上回るには、16年下期(7-12月期)の平均は、1,780万台を超える必
要がある。
インセンティブ販売強化
で、年後半は盛り返す見
通し
16年下期の販売台数を押し上げるためには、キャッシュバックなどの
インセンティブ販売を強化する必要があるだろう。報道によると、米国
自動車最大手のGMは、利益率を改善するために、年初から利幅の少ない
レンタカー向けフリート販売を抑制してきた。だが、他のメーカーと比
べても低調な販売が続いたため、6月から販売テコ入れに向け、ピックア
ップトラック等の販売奨励策を実施している。
業界全体の販売奨励金の推移をみると、6月は1台当たり3,116ドルと、
嶋中 雄二
景気循環研究所長
鹿野 達史
景気循環研究所副所長
シニアエコノミスト
昨年9月のピークに近づいている(次頁図2)
。今後、GMの販売施策に他の
メーカーも刺激される可能性があり、年後半の自動車販売台数は盛り返
すと予想される。
(年率、万台) 図1.米国自動車販売台数と生産台数の推移
2,300
宮嵜 浩
2,100
シニアエコノミスト
03-6627-5132
1,900
miyazaki-hiroshi@sc.mufg.jp
自動車販売台数
1,700
福田 圭亮
1,500
シニアエコノミスト
03-6627-5133
1,300
fukuda-keisuke@sc.mufg.jp
15/10
1812
1,100
900
本レポートは、嶋中雄二の見方に基づ
き、宮嵜・福田が執筆を担当しています。
景気循環研究所
東京都千代田区大手町 1-9-2
大手町フィナンシャルシティ
グランキューブ
自動車国内生産台数
700
500
300
00
01
02
03
04
(資料)米商務省、FRB
1
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
(年、月)
16
2016 年 7 月 22 日
(ドル/台)
(%)
図2.米国自動車メーカーの販売奨励金の推移
3300
3100
12.0
16/6
3116
販売奨励金
(左目盛)
11.0
2900
2700
10.0
2500
9.0
2300
2100
8.0
1900
自動車販売平均価格
に対する比率
(右目盛)
1700
7.0
1500
6.0
09
10
11
12
(出所)Bus inesswire等各種報道より作成
13
14
15
16
17
(年、月)
(以
(16.7.22
巻末に重要なお知らせを記載していますので、ご参照ください。
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上)
福田)
2016 年 7 月 22 日
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