Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン 北米 2016年11月10日 トランプ氏が切るカードは何か トランプ氏の米国大統領選挙の勝利宣言では選挙期間中の姿勢から一転、落ち着いた口調で一体感を訴え、選挙 後モードを演出しました。市場はトランプ氏の政策を再考、このことも落ち着きを取り戻した背景と思われます。 米国大統領選挙後:当初見られた市場の反 応は落ち着きを戻しつつある 予想外の結果となった2016年11月8日(開票は日本時間9日 開始)の米国大統領選挙から1日が経過、市場は当初の ショックから落ち着きを取り戻しています。例えば、9日には 101円台まで上昇した円(対ドル)は1日で105円台へと、元の 水準に戻り、市場には落ち着きが戻りつつあります。 どこに注目すべきか: 勝利宣言、通商政策、議会承認、就任100日 トランプ氏の米国大統領選挙の勝利宣言では選挙期間中 の攻撃的な姿勢から一転、落ち着いた口調で米国国民の一 体感を訴え、選挙後モードを演出しました。同時に、市場はト ランプ氏の政策を再考したことも市場が落ち着きを取り戻し た背景と思われるので、再度政策に注目します。 トランプ氏の公約(契約)は次の2つに分けられます。 1点目は、就任直後に表明されると見られる政策です。米国 大統領の権限は強力で、議会承認(立法化)がなくても様々 な政策が可能と見られます(図表1参照)。公約通りなら、就 任直後の政策は、このような大統領権限で進められる政策 が表明されるものと見られます。その中心はTPP脱退表明 など通商関連の政策が主なものとなる見込みです。 2点目は議会の承認、立法化が必要な政策です。ここで今後 トランプ氏に想定されるスケジュールは、2017年1月に大統 領就任と新しい議会の開始が見込まれます。トランプ氏は大 統領就任後の100日間で自身の掲げる政策を進めることを 選挙期間中に示唆しています。その主な内容は減税など財 政政策、廃止に膨大なコストが必要と思われるオバマケア の廃止などです(図表2参照)。不法移民対策に含めている、 物議をかもしたメキシコ国境の壁の建設も当初は米国が資 金負担、その後メキシコに請求するため、予算化は必要で す。このように、トランプ氏の政策と言われて頭に思い浮か ぶ主な政策は議会との共同作業が必要となります。トランプ 氏勝利のあとの市場の動きで、米国国債利回りが上昇した ピクテ投信投資顧問株式会社 理由は、財政拡大を見越した動きと見られます。 ただし、次の点に注意は必要です。まず、トランプ氏の公約は 米国国民のための政策と位置づけられています。米国市場 が落ち着いたのはともかくとして、通商政策の影響を受ける相 手方の海外市場が安心するのは早いかも知れません。 次に、議会承認が必要となる政策については、上院、下院共 に共和党になったとはいえ、政策内容、財源について議会と つめが必要で、具体的な話は政権人事も含めこれからです。 期待先行による市場の落ち着きならば注意は必要です。 図表1:就任後に表明が期待される政策 米国労働者を守る政策(議会不要、大統領権限で対応) 北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉または脱退を表明 環太平洋経済連携協定(TPP)脱退を表明 財務長官に命じ中国を為替操作国に 米国労働者にとって不利を生み出している貿易相手国の不正を特 定、対抗処置を命じる 米国のエネルギー関連開発の規制を緩和し雇用を確保 オバマークリントン路線で障害となっていたインフラ建設の障害と なる規制を撤廃、キーストーン・パイプライン認可 国連の気候変動プログラムへの支払い撤回、その資金を米国の 水道、環境インフラ投資へ 図表2:就任100日の主要政策 議会承認が必要な政策 減税等(中間所得層を重点とする所得減税、35%の法人税を15%へ 減税)。米国企業の海外還流資金への10%課税 学校の選択と教育機会の法案 オバマケアを廃止、ヘルス・セービング・アカウントへ 不法移民対策法案、メキシコ国境の壁の建設 安全保障の見直し(国防費の削減、廃止など) ※図表2の議会承認が必要な政策は主なものを列挙、トランプ氏は他に、企 業のオフショア活動制限、インフラ投資、育児支援、政治腐敗対策などを就 任100日の公約として公表している 出所:トランプ氏ホームページのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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