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アジア
2016年8月17日
インドネシア中銀、政策金利の変更と引下げ
インドネシア中央銀行は8月19日に金融政策会合を開催します。インドネシアの経済指標からは政策金利の引下げ
も想定されますが、対外要因と政策金利の変更という制度変更が利下げを思いとどまらせる可能性があります。
インドネシア貿易統計:7月は輸出・輸入共に
予想を大幅に下回る
インドネシア統計局が2016年8月15日に発表した7月の貿易
統計で輸出は機械やエネルギー輸出などの不振を受け前
年同月比マイナス17.0%と市場予想(同+1.9%)、前月(同マイナ
ス4.0%)を大幅に下回りました。また、輸入は同マイナス11.6%
と、こちらも市場予想(同+6.9%)、前月(同マイナス6.8%)を下
回りました。貿易収支は約5.98億ドルの黒字となったものの、
市場予想(6.54億ドル)や前月(8.79億ドル)を下回りました。
どこに注目すべきか:
インフレ率、通貨ルピア、リバースレポ金利
インドネシア中央銀行は8月19日に金融政策会合を開催し
ます。上記の7月の貿易統計が公表されたことで金融政策
会合前の主な経済指標は出揃った印象です。インドネシア
の経済指標からは政策金利の引下げも想定されますが、対
外要因と政策金利の変更にも注意が必要です。
まず、インドネシアの経済状況については、インドネシア中
銀の金融緩和姿勢の維持の可能性を指摘した今日のヘッド
ライン2016年6月17日号当時と同様な状況と見ています。例
えば、インフレ率は7月が前年同月比3.21%と最低水準での
推移となっています(図表1参照)。また、4-6月期GDP(国内
総生産)は前年同期比5.18%増となっています。先進国の成
長率に比べれば高い水準ですが、インドネシア政府は2016
年のGDP成長率目標を従来の5.3%から5.1%に下方修正する
などやや期待を下回っています。
加えて、輸出も鈍化したことから政策金利引下げ期待が市
場でも優勢です。ただし、2つの点で利上げを慎重にさせる
可能性も考えられます。
まず、対外要因です。特に米国の金融政策と通貨ルピアの
動向が不透明なことは利下げの抑制要因と思われます。
次に、8月19日にインドネシア中銀は政策金利の変更を予定
している点も抑制要因となる可能性があります。インドネシ
アの現在6.5%の政策金利(BI)を7日物リバースレポ金利(現
ピクテ投信投資顧問株式会社
在のレートは5.25%)へ変更する予定です。理由は政策金利
(BI)と銀行間金利が連動しない局面が過去見られたため(図表
2参照)、より銀行間市場と連動性の高いレートを政策金利とす
ることで金融政策の意図を反映させたい狙いがあります。ま
た、政策金利の上限と下限が非対称となっている現状から、今
後(将来)は上下0.75%の水準に上限と下限を設定する見込みで
あり、新たな政策金利はインドネシア中銀の金融政策の効率
性を改善させるとの期待も見られます。なお、 7日物リバース
レポ金利は6月に0.25%引き下げられるなど、現行の政策金利
と同調させており、導入に向けた準備も進んでいます。
国内経済だけを見れば引下げの可能性が高そうに思われま
すが、対外要因と新制度導入の混乱をインドネシア中銀がど
のように判断するかが今回金融政策会合の鍵と見ています。
図表1:インドネシアのマネーサプライと消費者物価指数
(月次、期間:2013年7月~2016年7月、前年同月比、M2は6月迄)
20
%
消費者物価指数
マネーサプライM2
15
10
5
0
13年7月
2016年7月3.21%
14年7月
15年7月
16年7月
図表2:インドネシア政策金利と銀行貸出レートの推移
(日次、期間:2014年8月15日~2016年8月15日、貸出は移動平均)
8.0
%
政策金利と貸出金
利の動きが異なる
7.5
7.0
6.5
6.0
14年8月
4月に新た
な政策金 %
利導入を
発表
政策金利の低下を
貸出金利が反映
政策金利(BI、左軸)
銀行貸出レート(30日移動平均、右軸)
15年8月
15.5
15.0
14.5
14.0
13.5
16年8月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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