豪州利下げ、今後はしばらく夏休みか

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オセアニア
2016年8月2日
豪州利下げ、今後はしばらく夏休みか
豪中銀は政策金利を0.25%引き下げ過去最低の1.5%とすることを決定しました。豪中銀は今回の利下げが経済の改
善につながることを期待しており、しばらく政策金利が据え置かれる可能性もあると考えます。
豪中銀金融政策決定会合:市場予想通り、
政策金利を引き下げ
オーストラリア準備銀行(中央銀行、豪中銀)は、2016年8月
2日、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートの誘導目
標を1.75%から0.25%引き下げ、過去最低の1.5%(8月3日付け
で実施)とすることを決定しました(図表1参照)。
大半の市場関係者が利下げを見込んでいましたが、一部で
は7月27日に豪中銀が公表した2016年4-6月期消費者物価
指数(CPI)トリム平均が前年同期比で市場予想を上回る
+1.7%となったことなどを背景に今回は政策金利が据え置か
れるとの予想も見られました。
しかし豪中銀は声明で持続的成長やインフレ率の目標レン
ジ(図表2参照)への回帰には利下げが必要と判断したと述
べています。
どこに注目すべきか:
インフレ率、住宅価格、今後の金融政策
据え置きを決めた7月の金融政策会合の声明に比べ、利下
げを決めた今回(8月)の声明では、目標レンジを下回るイン
フレ率や景気のてこ入れのために利下げが正当化されてい
ます。
ただし、今回の声明では、次回以降の金融政策の方向性は
明確には示されていませんが、今後の政策金利据え置きが
示唆されていると受け取れる部分もあります。
まず、インフレ率については、今回の声明でこのままでは低
インフレ率が継続する懸念があることが明確になったとトー
ンを引き上げています。背景として、雇用コストが引き続き
弱含む見込みであることなど、価格上昇圧力の要因が経済
指標に見出しがたいことが挙げられています。
2点目は、住宅価格に対する見方を引き下げたことです。従
来豪中銀はCPIが低水準でも、堅調な住宅価格を引き合い
に金融緩和に慎重な姿勢を示すこともありましたが、声明で
は堅調な集合住宅の供給が今後数年見込まれることから、
住宅価格の上昇は緩やかに止まる見込みを示唆しています。
ピクテ投信投資顧問株式会社
最後に、今回の声明文には次回以降の金融政策会合での方
針を示唆する内容は乏しいものの、今回の利下げで経済環境
が改善に向かう可能性も示唆されており、当面は政策金利が
据え置かれることも考えられます。
為替市場では豪ドルは利下げ公表直後こそ豪ドル安となりまし
たが、すぐに持ち直しています。利下げが既に相当程度織り込
まれていたことに加え、声明の内容から、今後の政策金利の
据え置きをひとつのシナリオとした動きが為替市場に反映され
ている可能性もありそうです。
図表1:オーストラリア政策金利の推移
(日次、期間:2013年8月2日∼2016年8月3日)
3.0
%
2.5
2.0
2016年8月3日付けで
0.25%の利下げ実施
1.5
1.0
13年8月
14年8月
1.5
15年8月
16年8月
図表2:オーストラリアのインフレ率(前年同期比)の推移
(四半期、期間:2011年4-6月期∼2016年4-6月期)
4.0
%
3.0
インフレ目標2∼3%
2.0
1.0
0.0
11年6月
インフレ率は目標を
下回って推移
12年12月
14年6月
15年12月
※インフレ率:消費者物価指数の対前年同期比
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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