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アジア
2017年1月4日
中国PMI、昨年の二の舞は避けられそうだが
2016年の年初から世界の株式市場が下落した原因の1つは中国(財新)製造業PMIの悪化でしたが、2017年同指
数は堅調な数字で始まりました。ただし、中国の経済は景気対策で底上げされた面も見られ注意も必要です。
中国12月の製造業PMI:当局の景気対策を
受け、引き続き高水準を維持
中国国家統計局が2017年1月1日に発表した2016年12月の
製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.4と、市場予想
(51.5)、前月(51.7)を小幅下回りましたが、景気拡大・縮小
の目安となる50は上回りました(図表1参照)。同時に発表さ
れた12月の非製造業PMIは54.5で、11月は54.7でした。
また、財新伝媒が1月3日に公表した12月の中国製造業PMI
は51.9と市場予想(50.9)、前月(50.9)を上回りました。な
お、同指標の前年同月(2015年12月)は48.2でした。
方針を示唆する中央経済工作会議(12月開催)も安定が強調
されたことなどから当局は債務問題解決の必要性を痛感して
いる模様です。経済成長支援と債務整理のバランスをどのよ
うに進めるか、当局の今後の対応に注目しています。
最後に、不透明要因なのが米国トランプ次期大統領の対中国
政策です。選挙期間中の対中国政策では中国を為替操作国
に認定することを示唆するなど強硬姿勢も見られただけに注
意は必要です。もっとも、トランプ氏の当選後のコメントからは
為替操作国認定についてトーンダウンした印象もありますが、
何をするのか分からないのがトランプ流、注視は必要です。
2017年も中国の動向から目が離せない展開が想定されます。
どこに注目すべきか:
中国経済成長率、債務問題、為替操作国
ピクテ投信投資顧問株式会社
(月次、期間:2011年12月~ 2016年12月)
60
指数
58
56
54
52
50
48
11年12月
中国非製造業PMI
中国製造業PMI
13年12月
15年12月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
図表2:債務(クレジット)対GDP比率の推移
(四半期、期間:1985年10-12月期~2016年4-6月期)
250
%
150
中国
タイ
スペイン
日本
欧州債務危機
200
日本の金融危機
アジア通貨危機
100
50
0
85年12月
悪化 信用力 改善
昨年(2016年)に年初から世界の株式市場が下落した原因
の1つは中国(財新)製造業PMIの悪化でしたが、2017年同
指数は堅調な数字で始まり、まずは好スタートとなりました。
ただし、中国の経済は景気対策で底上げされた面も見られ、
2017年の動向を占う上では次の点に注意が必要です。
1点目は中国の成長率の鈍化です。例えば、中国人民銀行
(中央銀行)の黄益平委員は先日、国営新華社通信のイン
タビューに答える形で、2017年の成長率目標を6~7%のレン
ジとすることを示唆しています。中国は16年の成長目標をレ
ンジで示すことで、実質的には成長目標の引下げを示唆し
たことと重なる印象です。ピクテでは2017年の中国の成長率
を6.3%程度と見込んでいます。構造改革を進める中国の成
長率が中長期的に低下傾向であることは避けられないにし
ても、景気対策の減少などにより、想定外に成長率が低下
するリスクには一応注意が必要です。
2点目は過剰債務問題です。中国全体の債務対GDP(国内
総生産)比率は200%を超える水準となっています(図表2参
照)。当比率は過去銀行危機を前に上昇(悪化)が見られま
す。例えば、97年からのアジア通貨危機や、2011~12年頃
の欧州債務危機前に上昇が見られ、中国の同比率も警戒
が必要な水準と見られます。ただし、中国当局の経済政策
図表1:中国製造業、非製造業PMIの推移
※クレジット対GDP比率:民間部門向け信用の対GDP比
93年12月
01年12月
09年12月
出所:国際決済銀行(BIS)のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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