＊グローバル投資環境 No.1471＊ご参考資料髙木証券投資情報部労働市場は堅調を持続。年内の利上げ米国9月雇用統計～再開に向けた最初の試金石をクリア 2016年10月11日作成 7日に米国の労働省が発表した9月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比15.6万人の増加となり、市場予想（17.2万人増）を下回った。なお、過去の雇用者数変化については、7月が27.5万人増から25.2万人増に下方修正される一方、8月が15.1万人増から16.7万人に上方修正されたが、2ヶ月トータルでの修正幅は従来発表比7千人減と小幅である。 9月の民間雇用者数は前月比16.7万人増となり、8月の 14.4万人増を上回った。これを業種別でみると、建設業が8 月の5千人減から2.3万人の増加に、鉱山・採石業が4千人減から横這いに転じ、製造業の減少も8月の1.6万人から 1.3万人に多少和らいだことから、財・生産分野の雇用は8 月の2.5万人減から1万人の増加に転じた。一方、専門ビジネスサービスの雇用者数は6.7万人増加し、8月の3.1万人増を上回る一方、教育・ヘルスケアサービスの雇用者数変化は8月の5.7万人増を下回る2.9万人増にとどまったため、民間サービス分野の雇用者数変化は8月の16.9万人増から15.7万人増に減速した。また、失業率は8月の4.9％から5.0％へ小幅に悪化したが、労働参加率は62.9％で前月比0.1ポイント改善した。平均時給は前月比6セント増加の25.79ドルで、8月の2セント増を上回る伸びとなったほか、前年同月に比べた伸びも8月の 2.4％から2.6％に拡大した。 9月20～21日のFOMC後の会見でFRBのイエレン議長は、「労働市場の改善が続き、新たなリスクの芽が出ないのであれば、多くのメンバーも私も、今年1回の利上げが適切だと考えている」と述べている。つまり、利上げ再開の条件の一つに労働市場の堅調持続を挙げていることになるが、そうした観点から今回の雇用統計をみれば、雇用者数の伸びは先に述べた通り市場の予想を下回ったものの、19.2万人増という雇用者数変化の3ヶ月移動平均は、すでに完全雇用に近づいているとの見方が支配的になっている米国の労働市場が、引き続き緩やかに拡大していることを示すには十分な水準だとみられるほか、労働参加率の上昇や前月を上回る平均時給の伸びを考えれば、年内の利上げに向けた最初の試金石はクリアしたと考えても良さそうだ。（文責：勇崎聡）《雇用統計主要計数》 7月 8月 9月非農業部門雇用者数変化（千人） 252 167 156 平均時給（＄） 25.71 25.73 25.79 平均時給前年同月比（％） 2.7 2.4 2.6 労働参加率（％） 62.8 62.8 62.9 失業率（％） 4.9 4.9 5.0 （出所：米国労働省及より髙木証券作成）《ご注意いただきたいこと》当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願いいたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。株式、債券、投資信託等は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。また、当資料のいかなる部分も一切の権利は髙木証券に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等を行わないようお願いいたします。当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよくお読みください。商号等：髙木証券株式会社金融商品取引業者近畿財務局長（金商）第20号【広告審査済】加入協会：日本証券業協会髙木証券ｲﾝﾀｰﾈｯﾄﾎｰﾑﾍﾟｰｼﾞ：http://www.takagi-sec.co.jp/