*グローバル投資環境 No.962* ご参考資料 髙木証券投資情報部 トルコの通貨リラの現状~短期的には中央銀行の政策対応が焦点 2015年4月17日作成 米国の経済指標が総じて予想を下回っていることを背 景にしたFRBの利上げに対する思惑の後退に伴って、ロ シアルーブルが大きく上昇しているほか、ブラジルレア ルもとりあえず落ち着きを取り戻すなど、先月17日から 18日にかけて開催された米国FOMC以降、新興国の通貨は 概ね底堅く推移しているが、トルコの通貨リラはここ10 日ほどの間に大きく下落して3月11日に付けた対米ドル での過去最安値を更新した。 トルコでは、景気浮揚のための金融緩和を求める政府 の圧力が強く、中銀は1月20日に開いた金融政策会合に おいて政策金利である1週間ものレポレートを50ベーシ ス引き下げ、さらに2月24日の会合でも25ベーシスの利 下げを実施した。インフレは昨年11月の9.15%をピーク に鈍化傾向にあるものの、依然として中銀の中期的な ターゲットである5%を大きく上回っている状況での利 下げは為替市場におけるトルコリラに対する売り圧力を 高める要因となったが、3月17日に開かれた直近の政策 会合では、「さらなる金融緩和にはインフレの改善が必 要である」として、3会合ぶりに利下げが見送られたこ とを受けてトルコリラは一旦下げ止まっていた。 ところが、最近行われた世論調査において与党の支持 率が低下していることが報じられたことをきっかけにリ ラは再び急落したが、その背景としては、3月のインフ レ率は7.61%に達し、政策金利である7.50%を上回って いるため、常識的には利下げを行う環境にはないとみら れるものの、6月に総選挙を控えるタイミングでの支持 率の低下を受けて、政府からの利下げ圧力が改めて高ま ることが懸念されているようである。 足下でのトルコリラの急落に対応してトルコ中央銀行は14日に声明を発表、22日に開か れる次回の金融政策会合において、①外貨建預金金利の引き下げ、②トルコリラ建て準備 預金に対する一部の金利の引き上げという、いずれもトルコリラの下支え要因になり得る 二つの施策について議論にすることを明らかにした。政策会合の議題を事前にアナウンス することは異例であり、こうした一種の「口先介入」にも市場は目立った反応をみせていな いが、いずれにせよ、22日の会合における政策決定と、会合後に公表される声明文の内容 が注目される。 (文責:勇崎 聡) (データ出所:トルコ中央銀行及びBloombergより髙木証券作成) 当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願いいたします。当資料は信頼できると思われる各種 データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。株式への投資は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により 投資元本を割り込むおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引をご利用いただく場合は、所定の委託保証金または委託証拠金をいただきます。また、信 用取引ではその損失額が差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。国内株式取引の委託手数料は、約定代金に対して最大(税込)1.19664%【2,700 円に満たない場合は2,700円(現物取引買付および信用取引売買)】になります。株式を募集等により取得する場合には、購入対価のみをお支払いいただきます。 外国株式を委託取引により購入する場合は、所定の委託手数料をいただきます。外国株式の委託手数料は国や市場により異なります。外国株式を店頭取引によ り購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。債券をご購入いただく場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。(経過利子をお支払いいただく 場合があります)。債券は、市場の金利水準の変動等により価格が変動しますので、損失が生じるおそれがあります。また、発行体の信用状況や財務状況によっ ても価格が変動し、利金や償還金の支払遅延や不履行となる場合があります。また、倒産等により元本損失が生じる場合があります。投資信託は、主に国内外の 株式や債券を投資対象としているため、基準価額は組み入れた株式や債券の動き、為替相場の変動等の影響により上下しますので、これにより投資元本を割り 込むおそれがあります。投資信託はファンドごとに設定された購入時手数料をご負担いただきます。また、投資信託を保有期間中に間接的にご負担いただく費用 として、ファンドごとに設定された運用管理費(信託報酬)のほか、運用成績に応じて成功報酬をご負担いただく場合があります。外国株式や外国債券、外国投資 信託への投資は、上記に加え為替相場の変動等により損失が生じる場合があります。また、通貨発行国の国情の変化により投資元本割れや途中売却ができなく なるおそれがあります。当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよく お読みください。 商号等:髙木証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第20号加入協会:日本証券業協会【広告審査済】 髙木証券インターネット ホームページ:http://www.takagi-sec.co.jp/
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