PowerPoint プレゼンテーション

*グローバル投資環境
No.1326 *
ご参考資料
髙木証券投資情報部
予想通り利上げ見送り。海外情勢に対する警戒
米国FOMC速報~ 感はいくぶん後退
2016年4月28日作成
米国の中央銀行にあたるFRBは4月27日から28日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)を開
催、市場の大方の予想通り、政策金利であるFFレートの誘導目標を0.25~0.50%で据え置いた。
FRBは、昨年12月15日から16日にかけて開かれたFOMCで0.25%の利上げを実施、2008年12月
16日のFOMC以来継続していた実質ゼロ金利政策を解除した後、3会合続けて利上げを見送った
ことになるが、投票権を有する10名のメンバーのうちカンザスシティー連銀のジョージ総裁は、
3月15~16日に開かれた前回の会合に続いて25ベーシスの利上げを主張して反対票を投じた。
景気の現状に関する声明文の表現は、 《景気と物価に関する声明文の表現》
1月26~27日のFOMCにおける「昨年の遅
3/15~16
4/26~27
1月の会合以降に入手した情報は、ここ数ヶ
くに減速した」から、前回のFOMCでは
3月の会合以降に入手した情報は、経済活
月のグローバル経済や金融の動向にもかか
「ここ数ヶ月のグローバル経済や金融 景気全般
動の伸びは減速したようにみえるが、労働市
わらず、経済活動が緩やかなペースで拡大
の動向にもかかわらず」という但し書
場はさらに改善したことを示唆している
したことを示唆している
きを付けた上で 「緩やかに拡大した」
強い雇用増を含む幅広い指標は労働市場の
労働市場はさらに改善した
に上方修正されていたが、今回は「労 労働市場
追加的な強さを示している
働市場はさらに改善した」ことをあえ
家計消費の伸びは緩やかになったが、家計
て強調しつつ「経済活動は減速したよ 家計消費
緩やかなペースで増加した
の実質収入が堅調なペースで増加し、消費
者のセンチメントは今なお高い
うにみえる」へ再び下方修正されたこ
設備投資
軟調だった
軟調だった
とは、本日(28日)に速報値が発表さ
住宅市場
さらに改善した
さらに改善した
れる第1四半期のGDPの低成長見込みと
在庫投資
符合する。
輸出
家計消費については「緩やかになっ
た」との認識を示しつつ、「家計の実
質収入が堅調なペースで増加し、消費
者のセンチメントは今なお高い」こと
が付記されたほか、住宅市場と前述し
た労働市場に対する前向きな評価は変
わらないが、設備投資と輸出について
は前回同様に「軟調」との見方を示し
ている。インフレについては、「我々
の長期目標を引き続き下回って推移し
た。市場ベースのインフレ指標は引き
続き低く、調査に基づく長期の期待イ
ンフレについては結局のところここ
数ヶ月の間余り変わっていない」と述
べており、前回の声明文に盛り込まれ
た「ここ数ヶ月間で上向いた」という
記述は削除された。
軟調だった
軟調だった
ここ数ヶ月間で上向いたが、エネルギー価格
以前のエネルギー価格の下落と非エネル
の下落と非エネルギーの輸入価格の値下が
ギーの輸入価格の値下がりを一部反映して
りを一部反映して我々の長期目標を引き続
我々の長期目標を引き続き下回って推移し
物価
き下回って推移した。市場ベースのインフレ
た。市場ベースのインフレ指標は引き続き低
指標は引き続き低く、調査に基づく長期の期
く、調査に基づく長期の期待インフレは結局
待インフレは結局のところ余り変わっていな
のところ余り変わっていない。
い。
金融政策スタンスの緩やかな調整により、経
金融政策スタンスの緩やかな調整により、経
済活動は緩やかなペースで拡大するととも
済活動は緩やかなペースで拡大するととも
に、労働市場関連の指標は引き続き強まる
に、労働市場関連の指標は引き続き強まる
とみられるが、グローバル経済と金融の動向
とみられる。早い時期のエネルギー価格の下
が引き続きリスクである。早い時期のエネル
落を一部反映してインフレは短期的には低
ギー価格の下落を一部反映してインフレは短
景気と物価の先行き
位にとどまるとみられるが、エネルギー価格
期的には低位にとどまるとみられるが、エネ
及び輸入価格下落の一時的効果の消失と労
ルギー価格及び輸入価格下落の一時的効
働市場のさらなる改善により、インフレは中
果の消失と労働市場のさらなる改善により、
期的に2%に向けて上昇するだろう。我々は
インフレは中期的に2%に向けて上昇するだ
引き続きインフレの動向とグローバル経済と
ろう。我々は引き続きインフレの動向を注視
金融の変化を注視する。
する。
景気の先行きについては、「経済活動は緩やかなペースで拡大するとともに、労働市場
関連の指標は引き続き強まるだろう」との見方を継続、今後のインフレに関する、「短期的
には低位にとどまるとみられるが、エネルギー価格及び輸入価格下落の一時的効果の消失と
労働市場のさらなる改善により、2%に向けて上昇するだろう」という表現も前回から変
わっていない。一方、グローバル金融市場のセンチメントが悪かった時期に開かれた1月の
FOMC声明文における「グローバル経済と金融の動向が、見通しに与えるリスクのバランスを
精査している」という記述を受けるとともに、グローバル金融市場は3月FOMCの時点でも
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最終頁の「ご注意いただきたいこと」を必ずお読み下さい。
髙木証券投資情報部
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《フォワードガイダンス》
かなり落ち着いていたにもかかわらず、「金利見通しの下 FF金利のさらなる調整のタイミングと規模の
方修正など「ハト派」スタンスの背景が、国内の経済情勢 決定においては、雇用の最大化と2%のイン
ではなく、なおも主として海外の経済や金融市場に対する フレ目標に関連する経済情勢を、現実と予想
懸念であることを色濃く示した点で、前回FOMC声明文の全 の双方について再評価する。評価に際して
は、労働環境に関する指標やインフレ圧力と
文を通じて最も特徴的な部分だといえる「しかしながら、 インフレ期待、金融情勢と国際情勢の変化を
グローバル経済と金融の動向が引き続きリスクをもたらし 含む幅広い情報に注意を払う。現在のインフ
ている」という一節が削除され、「グローバル経済と金融 レが2%の目標を満たしていない観点から、
我々は、現実と期待のインフレ目標に向けた
の変化」を、インフレと並んで「注視する」項目として挙 進展を注意深くモニターする。経済情勢が極
げるにとどめている。なお、「経済情勢が極めて緩やかな めて緩やかなFF金利の引き上げに限って正
(only gradual)FF金利の引き上げに限って正当化される 当化される形で改善され、FF金利はしばらく
形で改善され、FF金利はしばらくの間、長期的に有効とさ の間、長期的に有効とされる水準を下回って
推移するだろう。しかしながら、FF金利の実
れる水準を下回って推移するだろう。しかしながら、FF金 際の道筋は今後のデータによる経済見通し
利の実際の道筋は今後のデータによる経済見通しに依存
に依存する。
する」を根幹部分とするフォワードガイダンスについては、利上げを実施した昨年12月FOMC
以降全く変わっていない。
利上げ見送りがほぼ確実視されていた中で、今回のFOMCの最大の注目点であった声明文の
表現については、先に述べた景気全般に対する判断の引き下げと、海外の経済と金融市場に
対する懸念を表現した一節の削除で、全体の印象はほぼバランスした感がある。また、6月
のFOMCでの利上げに向けた明確な「布石」と取れる表現が声明文に盛り込まれなかったこと
で、短期的には、為替市場における米ドルの下支え要因にはなりにくいとみられるが、3月
のFOMC時点では、「年内に25ベーシスの利上げが2回」がFRBのメインシナリオであったのに
対して、FF金利の先物は年内1回の利上げすら十分には織り込んでいない状態が続いている
ことを考えると、6月利上げの可能性も残したといえる点で米ドル売りの材料にもならない
と思われる。そして、前回のFOMCの時点で今回利上げの可能性がすでに議論されていたこと
が、その議事録から明らかになっているため、6月14~15日に開かれる次回のFOMCに向けて
は、利上げがより現実的な検討課題になると思われ、先に述べた通り、投資家が近い将来の
追加利上げに対して、かなり否定的なだけに、本日発表される第1四半期GDPの速報値につい
ては前述の通り低い伸びが見込まれるものの、来月に入ってから発表される4月の月次統計
が、6月利上げの可能性を投資家に意識させるものになった場合には、米国債券利回りの緩
やかな上昇を通じて、米ドルの押し上げ要因となる可能性があろう。(文責:勇崎 聡)
FOMCメンバーの金利見通し(3/16発表)
2016年末
「中央値」
=0.875%
《年内のFOMC開催日程》
議長会見
6/14~15 有り
7/26~27 無し
9/20~21 有り
11/1~2 無し
12/13~14 有り
(出所:FRB、Bloombergのデータより髙木証券作成)
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