米FOMCは「一時的」要因から景気判断を下方修正

<マーケット・レター>
2015年4月30日
レッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社
米FOMCは「一時的」要因から景気判断を下方修正
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4月のFOMC声明文は、米景気の現状判断を「一時的な」要因から下方修正するハト派色の強い内容となる。
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2015年1-3月期の米実質GDPは前期比年率+0.2%へ大幅に減速。設備投資や輸出の落ち込みが景気を下押し。
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4-6月期以降は天候改善や港湾スト収束などから、米景気は回復基調を取り戻すと予想される。
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FOMC声明文は利上げ時期に関する時間軸は示さず。今後の利上げは米景気の回復次第という様相が強まる。
FOMC声明文は米景気の現状判断を下方修正
図1:米実質GDP成長率の推移(需要項目別寄与度)
4月28-29日(現地時間)に開催された米連邦公開市
場委員会の声明文は、米国景気の現状判断を下方修正
するハト派色の強い内容となりました。FOMC声明文では、
米国景気の現状に関して、(厳冬や港湾ストなどの)「一時
(前期比年率、%)
6
月期の実質GDPは、前期比年率+0.2%へ大幅に減速す
る結果となりました(2014年10-12月期は同+2.2%)。1-
0
3月期はGDPの約7割を占める民間消費の伸びが減速し
-1
たほか、民間設備投資や純輸出の落ち込みが米景気の
-2
抑制要因となりました(図1)。
-3
実質GDP
3.5
4
的な要因を一部反映し冬季に減速した」と述べられました。 3
2
実際、29日に米商務省が公表した米国の2015年1-3
1
5.0
4.6
4.5
5
2.7
2.2
在庫・その他
1.8
0.2
民間消費
民間設備投資
純輸出
-2.1
住宅投資
政府支出・投資
-4
1Q
4-6月期以降、米景気は回復基調に回帰へ
3Q
2Q
4Q
1Q
13
ただし、声明文が米景気の減速を「一時的」と示唆した
2Q
3Q
4Q
14
1Q
15
(年)
ように、4-6月期以降は天候改善や港湾スト収束などによ (出所)米商務省
り米景気は緩やかな回復基調を取り戻すと予想されます。
FOMC声明文では、「適切な政策緩和により経済活動が
緩やかなペースで今後も拡大する」との景気見通しが維
持されたほか、市場関係者のコンセンサス予想でも、米実
(期間)2013年1-3月期~2015年1-3月期
図2:FF金利先物が織り込む米政策金利の見通し
(%)
1.75
質GDPは4-6月期以降、年率3%前後へ回復するとの見
方が大勢となっています。
今後の利上げは米景気の回復次第の様相
一方、先行きの利上げ時期に関しては、FOMCでは明確
な時間軸は示されませんでした。声明文では、「労働市場
1.50
1.25
2014年12月31日時点
1.00
0.75
が一層改善し、インフレ率が中期的に2%の目標に戻って
いくと確信した場合に、政策金利の引き上げが適切にな
る」との言及を繰り返すに留めました。
足元の金融市場では、米政策金利見通しの下方修正
が続いており(図2)、多くの市場関係者が想定する2015
0.50
2015年4月29日時点
0.25
0.00
2015年4月
2015年10月
2016年4月
2016年10月
年9月FOMCでの利上げ開始の実現には、今後の米景気
の回復次第という様相が強まりつつあります。
(出所)ブルームバーグ
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