ニュージーランド準備銀行は金融政策方針の中立化を示唆

<マーケット・レター>
2015年1月29日
レッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社
ニュージーランド準備銀行は金融政策方針の中立化を示唆

ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は4会合連続で政策金利を3.50%で据え置き。当面の金利据え置きの方針示す。

ウィーラーRBNZ総裁は、将来的な政策金利の調整は経済指標の結果次第と述べ、金融政策方針の中立化を示唆。

2014年10-12月のインフレ率(CPI上昇率)は前年比+0.8%へ低下し、インフレ目標の下限を下回る。

政策金利は2015年末まで据え置きとの見方が大勢。一方、ニュージーランド国債利回りは相対的な高金利を維持。
図1:ニュージーランドの政策金利とインフレ率
RBNZは今後の金融政策方針の中立化を示唆
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は、1月29日の政策
(%)
決定理事会において、政策金利を4会合連続で3.50%に
9
据え置く決定を下しました(図1)。
8
ウィーラーRBNZ総裁は声明において、当面の政策金利
の据え置きの方針を示すと同時に、「将来の政策金利の
調整は、利下げまたは利上げのいずれの場合も、今後の
経済指標の結果次第」と述べ、金融政策方針の中立化を
7
6
4
利上げの必要性に言及していました。
3
RBNZによる政策の様子見姿勢の背景には、足元でのイ
ンフレ率の低下があると考えられます。ニュージーランドの
る水準にあります。足元では、原油価格の下落がインフレ
3.50%
1
04
05
06
07
08
09
10
ニュージーランド国債は相対的に高い利回り維持
4
豪州
3
米国
2
ドイツ
的に高い利回り水準を維持しています。
(年)
3.32%
2.60%
1.72%
1
債利回りの低下が顕著となっています(図2)。こうした中、
から、ニュージーランドの10年国債利回りは3%台と相対
15
ニュージーランド
一方、主要先進国の金融環境に目を向けると、欧州や
RBNZが主要先進国に先駆けて利上げに転換したことなど
14
(%)
5
日本の量的緩和の拡大などを背景に、主要国の10年国
13
6
える側面もあると考えられます。
え置かれるとの見方が大勢となっています。
12
図2:主要国の10年国債利回りの推移
抑制を通じて、ニュージーランド経済にプラスの恩恵を与
ば、RBNZの政策金利は2015年末まで現行の3.50%で据
11
(出所)ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、ニュージーランド統計局
(期間)政策金利:2004年1月1日~2015年1月29日
消費者物価指数(CPI):2004年1-3月~2014年10-12月
一方、ウィーラー総裁も声明文中で言及したように、原
ブルームバーグ集計の最新のコンセンサス調査によれ
3.50%
0.8%
インフレ・ターゲット(現行は1~3%)
0
低下要因となっているとみられます。
油価格の下落は家計の購買力改善や、企業の生産コスト
2015年末
(予想)
2
2014年10-12月の消費者物価指数(CPI)は前年比
+0.8%へ低下し、インフレ・ターゲットの下限(1%)を下回
ブルームバーグ集計
市場予想
CPI上昇率
(前年比)
5
示唆しました。総裁は前回12月の理事会では、将来的な
インフレ率低下がRBNZによる様子見姿勢の背景
ニュージーランド準備銀行
政策金利
日本
0
11
12
13
14
0.35%
0.30%
15 (年)
(出所)ブルームバーグ
(期間)2011年1月1日~2015年1月28日
●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種データに基づいて
作成したものですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、将来の成績を予測あるいは保証す
るものではありません。また記載されている見解、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。●この書面及びこ
こに記載された情報・商品に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面による同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で
配布することはご遠慮ください。●当資料は情報提供を目的としてのみ作成されたもので、証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。