利下げの可能性を示唆したニュージーランド準備銀行

<マーケット・レター>
2015年4月30日
レッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社
利下げの可能性を示唆したニュージーランド準備銀行
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ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は政策金利を3.50%で据え置く一方、将来的な利下げ実施の可能性を示唆。
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ニュージーランド景気は年率3%前後の経済成長を維持するも、景気回復要因と減速要因が混在する状況。
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原油価格下落やNZドル高の影響から物価下振れへの懸念増す。中銀は今後の政策調整はインフレ動向次第と言及。
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2月以降のNZドル相場は対円、対米ドルともに持ち直し傾向。相対的な高金利がNZドル相場の下支え役に。
図1:ニュージーランドの政策金利とインフレ率
RBNZは将来的な利下げ実施の可能性を示唆
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は、4月30日の政策
(%)
決定理事会において、政策金利を6会合連続で3.50%に
9
据え置く決定を下しました(図1)。
8
一方、先行きの金融政策に関しては、RBNZは従来の中
立的姿勢から緩和姿勢への転換を示唆しました。ウィー
ラーRBNZ総裁は声明文の中で、現時点では利上げは検
討しておらず、景気やインフレの動向次第では利下げが適
切になる可能性に言及しています。
国内景気は回復要因と減速要因が混在
RBNZの景気判断に関しては、低金利環境や高水準の移
民流入、底堅い建設活動、燃料価格下落などに支えられ、
ニュージーランド経済は年率3%前後の経済成長を維持
しているとの見方が示されました。同時に、乳製品価格の
ニュージーランド準備銀行
政策金利
7
6
CPI上昇率
(前年比)
5
4
3.50%
3
2
1
インフレ・ターゲット(現行は1~3%)
0
04
05
06
07
08
09
10
11
0.1%
12
13
14
15
(年)
下落や、長引く干ばつの影響、財政緊縮策、NZドル高など (出所)ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、ニュージーランド統計局
を経済成長の抑制要因として指摘しています。
インフレ下振れへの懸念が増しつつある
インフレ動向に関しては、原油価格下落やNZドル高の影
響などから2015年1-3月の消費者物価指数(CPI)がイン
(期間)政策金利:2004年1月1日~2015年4月30日
消費者物価指数(CPI):2004年1-3月~2015年1-3月
図2:ニュージーランド・ドル相場(対米ドル、対円)
(円)
(米ドル)
0.95
95
NZドル高
対円(左軸)
フレ目標を下回る前年比+0.1%へ下落するなど、物価下
振れへの懸念が増しつつあります(図1)。ウィーラーRBNZ
90
総裁は、「今後の(利下げ等の)政策調整のタイミングはイ
ンフレ動向次第」との見方を示しました。
相対的な高金利がNZドルの見直し要因に
0.90
NZドル安
85
0.85
80
0.80
為替市場では、2月以降、NZドルは対円、対米ドルともに
緩やかな持ち直し基調にあります(図2)。世界的な低金
利環境が続く中、ニュージーランドが政策金利で3.50%、
10年国債利回りで3.39%(4月29日時点)と相対的な高
金利を維持していることが、NZ相場への見直し要因になっ
ていると考えられます。
75
70
2013年1月
対米ドル(右軸)
0.75
0.70
2014年1月
2015年1月
(出所)ブルームバーグ
(期間)2013年1月1日~2015年4月30日
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