豪政府予算案は緊縮政策を緩和し - レッグ・メイソン・アセット・マネジメント

<マーケット・レター>
2015年5月13日
レッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社
豪政府予算案は緊縮政策を緩和し、景気対策に重点置く
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2015年度予算案は財政緊縮策が緩和され、中小企業対策や子育て支援、インフラ投資など景気対策に重点。
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2015年度の財政収支計画は351億豪ドル(GDP比2.1%)の赤字となるも、赤字額は市場予想を下回る。
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財政赤字は段階的に削減され、2019年度にも黒字化の計画。政府は中長期的な財政健全化方針は維持。
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純債務残高は2016年度にはGDP比18.0%へ拡大するも、格下げが検討される目安水準(30%)は大きく下回る。
予算案は家計や中小企業向け景気対策に重点
豪州の連邦政府は5月12日、2015年度(2015年7月
図1:豪州一般政府の財政収支
(%)
3
~2016年6月)の予算案を公表しました。支持率低迷を
(10億豪ドル)
30
受けてアボット政権は緊縮財政政策を緩和し、中小企業
20
基礎的現金収支(左軸)
2
対策や子育て支援策、インフラ投資などの景気対策に重
10
GDP比(右軸)
1
点が置かれる予算案となりました。
 【中小企業対策(55億豪ドル)】 中小企業向け減税(50
億豪ドル規模、豪州企業の96%が対象)など。
0
-10
 【子育て支援(44億豪ドル)】 育児支援に5年間で35億
-30
豪ドル拠出、保育園プログラムに8.4億豪ドル投資など。
-40
 【インフラ開発・民営化】 2019年度まで500億豪ドル規
-50
模のインフラ投資・民営化計画を継続。新規インフラ開発
-2.6%
-20
-25.8
08
09
10
11
12
13
(GDP比、%)
35
政赤字は市場予想の400億豪ドルは下回ったほか、
30
豪州国債のAAA格付は維持される公算高い
また、純債務残高は2016年度にはGDP比18.0%へ緩
15
0
算が高いと考えられます。
17
18
計画
(年度)
米格付会社S&P社が豪国債の格下げを
15.6
17.3
18.0
17.6 16.8
2015年5月予算案時点(最新)
10
が格下げを検討し始める水準とされるGDP比30%の水準
メントしており、豪州国債のAAA格付は当面維持される公
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検討し始める純債務残高の目安水準(=30%)
20
5
案は豪州国債の格付に直ちに影響するものではない」とコ
15
25
やかな拡大が計画されているものの、米格付会社S&P社
は十分下回っています(図2)。S&P社は「2015年度予算
14
図2:豪州一般政府の純債務残高
拡大する結果となりました(図1)。ただし、2015年度の財
中長期的な財政黒字化の方針を維持しています
-5
(出所)豪財務省 (注)年度は各年7月~翌年6月。
年度の財政収支の計画は-351億豪ドル(GDP比-2.1%)
財政収支は2019年度にも黒字化となる計画で、政府は
-4
-6
07
鉄鉱石価格下落や景気低迷による税収減もあり、2015
2016年度以降は財政赤字の縮小が計画されています。
-3
-35.1
-41.1
実績
と、前年度予算案での想定(-171億豪ドル)よりも赤字が
-2
-60
では豪州北部のインフラ投資(8億豪ドル)などを実施。
政府は中長期的な財政黒字化の方針を維持
-0.4%
0
-0.8%
-1.5%
-6.9 -1
-2.1%
-14.4
2014年5月予算案時点
-5
計画
-10
(年度)
05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18
(出所)豪財務省
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