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日本
2016年3月16日
日銀、金融機関への配慮を示す
2016年3月15日に日銀は金融政策決定会合を開催しました。その決定は概ね現状維持となりましたが、新たにMRF
をマイナス金利の適用から除外するなど、金融機関への配慮が示されています。
日本銀行:金融政策決定会合を開催、
多くは現状維持、MRFは適用除外
2016年3月15日、日本銀行はマイナス金利導入後、初めての
金融政策決定会合を開催しました。決定内容は現状維持と
なり、2016年1月末に導入したマイナス金利の効果を見極め
る姿勢が示されました。
新たに証券売買の決済口座に使われるマネー・リザーブ・
ファンド(MRF)のマイナス金利からの除外が決定されました。
一方、マネタリーベースが、年間80兆円に相当するペースで
増加するよう金融市場調整を行うことや、金融機関の当座預
金の一部に対するマイナス0.1%の金利を据え置き、指数連動
型上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(J-REIT)の買い
入れ方針も維持しました。
どこに注目すべきか:金融機関への配慮、
更なるマイナス金利引き下げの余地
今回の金融政策決定会合で日銀は基本方針は現状維持と
しながらも、銀行など金融部門への悪影響に対する配慮が
見られました(図表1参照)。
まず、金融政策で見直しが発表された主な項目はMRFの受
託残高をマクロ加算残高に加え、マイナス金利を適用の例
外措置(ただし昨年の受託残高を上限とする)とすることで
す。MRFはマイナス金利導入で元本割れのリスクが高まっ
ており、運用業界の収益悪化が懸念されていました。また貸
出支援基金および被災地金融機関支援オペの残高増加額
の2倍の金額を、マイナス金利の対象から外すこととしてい
ます。マイナス金利導入の発表後、銀行をはじめ金融機関
の株価が軟調な推移となっていたことから、日銀が金融機
関への配慮を見せた要因のひとつと考えられます。
次に、マイナス金利に対する表現に変化が見られました。今
回の声明では「必要な場合には、量・質・金利の3つの次元
で、追加的な金融緩和措置を講じる」と表明しましたが、1月
の決定時の声明にあった「今後、必要な場合、さらに金利を
ピクテ投信投資顧問株式会社
引き下げる」という文言は使いませんでした。その理由を問わ
れた黒田総裁は「恐らくマイナス金利が初めてで、新しく金利
という次元を入れたので、念のために断ったのだと思う。」と説
明していますが、市場等への配慮などからトーンダウンした印
象です。
もっとも3月16日の衆院財務金融委員会で黒田総裁は、リー
マンショックのようなことが起きたらマイナス0.5%程度までは可
能かとの質問に対し、理論的な可能性として余地があること
はその通りと答弁するなど、マイナス金利引き下げの余地を
残しています。経済情勢見通しも引き下げましたが、金融緩
和の一つの手段として温存した格好です。それでも、前回は
金融緩和策に限界がない例としてマイナス金利導入を発表し
たことに比べると、「理論的」な限界に言及した点で、取り方に
よってはトーンダウンとも考えられます。
前回1月の会合で公表された3段階の金利適用や今回のMRF
への措置など、日銀はきめ細かく市場への配慮を示していま
す。他方、日銀は既に国債を大量に購入しているなど、他の
政策に手詰まり感も見られます。
金融政策頼りとも見られる経済政策が背景にあるのかもしれ
ません。
図表1:TOPIXとTOPIX銀行業の年初来推移
(日次、期間:2015年12月30日~2016年3月15日)
110
2015年12月30日=100として指数化
2016年1月29日 日銀が
マイナス金利導入を決定
100
90
80
70
TOPIX
TOPIX銀行業
60
15年12月
16年1月
16年2月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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