ドル、ユーロ、円

株式会社 DZHフィナンシャルリサーチ
東京都中央区明石町 8-1 聖路加タワー32 階
April 10, 2015
週間展望・回顧(ドル、ユーロ、円)
■ドル円の推移
■ユーロドルの推移
123.00
122.00
121.00
120.00
119.00
118.00
117.00
116.00
115.00
1.2500
1.2000
1.1500
1.1000
来週の展望(予想レンジ ドル円 117.50-122.50 円
5日線
21日線
90日線
200日線
イエロー
オレンジ
スカイブルー
グレー
転換線
基準線
先行1
先行2
遅行
ブルー
グリーン
レッド
ピンク
ブラウン
ユーロドル
2015/4/6
2015/3/27
2015/3/19
2015/3/11
2015/3/3
2015/2/23
2015/2/13
2015/2/5
2015/1/28
2015/1/20
1.0000
2015/1/12
2015/4/6
2015/3/27
2015/3/19
2015/3/3
2015/3/11
2015/2/23
2015/2/5
2015/2/13
2015/1/28
2015/1/20
2015/1/12
1.0500
1.4000-1.1000 ドル)
ドル円はまだレンジか。米 3 月雇用統計では、非農業部門雇用者数の伸びが大きく鈍化した。ただ過去 1 年の
平均は前月比+26 万人と、長期的な改善傾向は明らか。緩慢な速度だが賃金上昇は続き、労働参加率の低下も一
服している。失業率も横ばいを維持しているため、現段階で過度に懸念する必要はない。天候要因や港湾労働者
のストライキによる、一時的な要因なのか見極める段階である。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録は想定内だった。多少ドル買いが入ったが、成長・物価見通しに対
するタカ派な面を見つけ出すのは難しかった。しかし、6 月利上げ開始の可能性に含みも持たせていたため、ハト
派な印象を植えつけることもなかった。ドルの上昇基調は対主要通貨で一服している。当面は先行きの金利上昇
を見越したドル先高感が下値をサポートできるかどうかが焦点となる。
日銀金融政策決定会合の声明では、企業の業況感に関する楽観的な見方が追記された一方、足元の物価判断が 4
カ月連続で下方修正された。ただ予想物価上昇率の見通しに変化はなく、サプライズに乏しいイベントだった。
総裁会見では依然として 2%の物価目標達成への自信が示された。需給ギャップが最近ではほぼゼロ付近まで解消
し、実質賃金の伸びが加速する兆しがあると強気の発言もあった。昨年 10 月時点と比べてリスクが低下したとの
認識も踏まえれば、追加緩和の可能性は当面低い。
追加緩和があるとすれば、4 月のデータが揃い出す 6 月以降となるか。消費増税の影響がはく落し、ベースアッ
プ効果で消費の拡大が確認できそうな時期に弱さがあればその可能性がある。ただし政策としては、上場投資信
託(ETF)の買い入れ額拡大や、超過準備の付利引き下げにとどまるだろう。その時点の米金融政策の状況にも
よるが、前回のように大幅に円安が進む展開は想像しづらい。
ユーロは広めのレンジで上下か。ギリシャ財務省は 9 日、目先の懸念材料だった国際通貨基金(IMF)に対す
る債務返済を実行した。国内で改革案の調整が遅々として進まず、債権団から融資を引き出すことが難しい状態
が続いている。今後も公的年金の支払いや国債の償還が続けて予定されている。一定の波乱要因はあるが、ユー
ロ圏の金融環境は安定している。欧州中央銀行(ECB)の国債を含む 1 カ月間の資産買い入れ額は、目標となる
600 億ユーロを達成した。来週 15 日の ECB 理事会では、政策の変更はないと思われる。ドラギ総裁は緩和策の
効果を強調し、今後の物価や成長見通しに楽観的な見方を示す可能性がある。ユーロにとってはサポート要因に
なりうる。
今週の回顧
米雇用者数の弱い伸びに失望したドル売りは短期間で終了した。イースター休暇明けの海外勢は、ドル買いで
参入。ドル円は 120 円半ばまで反発して、先月 20 日以来の高値圏を示現。FOMC 議事録にも買いで反応した。
ユーロは失速。ドル反発の流れを重しに対ドルでは 1.67 ドル台まで下値を拡大。景況感の改善傾向に対し、今週
発表されたユーロ圏の経済指標にはそれほど強さは感じられなかった。ユーロ円は 131 円台で戻りがいっぱいと
なり、128 円前半まで失速した。(了)
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