ドル、ユーロ、円

株式会社 DZHフィナンシャルリサーチ
東京都中央区明石町 8-1 聖路加タワー32 階
February 6, 2015
週間展望・回顧(ドル、ユーロ、円)
■ドル円の推移
■ユーロドルの推移
122.00
1.2750
120.00
1.2500
1.2250
118.00
1.2000
116.00
1.1750
1.1500
114.00
1.1250
来週の展望(予想レンジ ドル円 115.00-120.00 円
5日線
21日線
90日線
200日線
イエロー
オレンジ
スカイブルー
グレー
転換線
基準線
先行1
先行2
遅行
ブルー
グリーン
レッド
ピンク
ブラウン
ユーロドル
2015/2/2
2015/1/23
2015/1/15
2015/1/7
2014/12/30
2014/12/22
2014/12/12
2014/12/4
2014/11/26
2014/11/18
2015/2/2
2015/1/23
2015/1/15
2015/1/7
2014/12/30
2014/12/22
2014/12/12
2014/12/4
2014/11/26
2014/11/18
2014/11/10
2014/11/10
1.1000
112.00
1.1150-1.1750 ドル)
ドル円の上値は限定的か。米国を除く主要国の金融緩和スタンスは明確さを増している。今週は豪準備銀行
(RBA)が、市場の大方の予想に反して利下げへ舵を切った。中国も預金準備率を引き下げた。トルコ中銀はイ
ンフレ指標の鈍化が限定的だったため緊急会合の開催を見送り、インドも政策金利の据え置きを決定したが、新
興国でもインフレ鈍化が鮮明となれば追加的な利下げに前向きな姿勢を崩していない。米国の量的緩和終了で、
流動性拡大の先導役となった日銀の追加緩和は、欧州中央銀行(ECB)の国債買入れ実施や全般的な金融緩和傾
向のなかでインパクトが薄れている。
本邦 12 月の消費者物価指数は、増税の影響を除いたベースでコアが前年比+0.5%へ鈍化した。先行指標となる
1 月東京都区部の同データは+0.2%と、先行きへの不透明感を高めている。想定されたエネルギー価格以外にも、
大半の項目で物価の上昇圧力は緩んでいる。日銀のさらなる緩和策導入には期待が高まるが、インフレ鈍化は世
界的な現象のため、追加緩和が継続的な円安につながるか判断が難しい。政策面での円安圧力が後退する可能性
に警戒したい。
足元ではさえない米経済指標やユーロの下げ渋りでドル高が小休止している。昨年半ばから 7 カ月連続と、変
動相場に移行してから最長期間の上昇となったドルインデックスも伸びが鈍った。6 日の米雇用統計に弱さがあれ
ば、株高や原油価格の底入れ感、ギリシャ懸念の後退などで、リスクオンへの回帰に期待を寄せつつある市場の
マインドが再び悪化する可能性もありそう。ドル円は円高方向で調整を進めることへの警戒感もあわせ持ちたい。
ユーロは反発力を見極めへ。ギリシャ新政権の歩み寄りを示すような報道で反発したユーロは、ECB がギリシ
ャ国債への特例措置を解除したことで急落するなど振り回された。ECB の国債購入開始は 3 月からのため、目先
はギリシャ情勢に一喜一憂する展開が続きそうだ。もっともギリシャ与党は当初から否定していたものの、ユー
ロ圏離脱という最悪のシナリオも織り込みながら 2 年 7 カ月ぶりの高水準まで進んだ通貨先物市場でのユーロシ
ョートが、巻き戻しを進める余地は十分にある。中長期的には ECB のバランスシート拡大を見守りながらユーロ
安が継続するとの見通しを意識しつつも、短期的には戻りのめどを見極める展開となるか。
今週の回顧
ドル円は 116 円台へ下押すなど、ややレンジを下方に切り下げる動きもみせたが方向感に乏しい推移。117 円
台を中心とした振幅だった。原油価格の反発やギリシャ懸念の後退、主要国の緩和スタンスを受けた株価の底堅
さは下値をサポートした。本邦長期金利の急騰で、円売りポジション圧縮を強めた流れも一時的だった。ユーロ
ドルはギリシャの債務交渉に対する楽観的な見方が浮上したことで 1.15 ドル台を回復。ユーロ円も 135 円台まで
買い戻されたが、いずれもネガティブな報道を受けて上げ幅を削るなど上下に振らされる展開となった。(了)
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