ドル、ユーロ、円;pdf

株式会社 DZHフィナンシャルリサーチ
東京都中央区明石町 8-1 聖路加タワー32 階
March 27, 2015
週間展望・回顧(ドル、ユーロ、円)
■ドル円の推移
■ユーロドルの推移
123.00
122.00
121.00
120.00
119.00
118.00
117.00
116.00
115.00
1.2500
1.2000
1.1500
1.1000
来週の展望(予想レンジ ドル円 116.50-120.50 円
5日線
21日線
90日線
200日線
イエロー
オレンジ
スカイブルー
グレー
転換線
基準線
先行1
先行2
遅行
ブルー
グリーン
レッド
ピンク
ブラウン
ユーロドル
2015/3/23
2015/3/13
2015/3/5
2015/2/25
2015/2/9
2015/2/17
2015/1/30
2015/1/22
2015/1/14
2015/1/6
1.0000
2014/12/29
2015/3/23
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1.0500
1.0700-1.1300 ドル)
ドルの上値は重いか。米 2 月消費者物価指数(CPI)は、前月比で 4 カ月ぶりにプラス圏を回復した。米金融
当局が政策面で重要視する食品とエネルギーを除いた CPI は、前年比で+1.7%と下げ止まっている。2 月新築住
宅販売件数は約 7 年ぶり、製造業の購買担当者景気指数(PMI)は昨年 10 月以来の高い水準となった。久しぶり
に雇用関連指標以外でも強い結果が確認できたが、ドルは米連邦公開市場委員会(FOMC)後の持ち高調整が継
続した。最大の要因は米長期金利の低下だろう。米国の 10 年債利回りは 2 月上旬以来の水準まで低下した。市場
は米国の利上げ開始時期を明確に見極めきれないでいる。不透明な要因がぶら下がるなか、ドイツや日本と比較
して割安感のある米国債に資金が向かいやすいことも原因となっている。
来週は ADP 雇用者数や ISM 景況指数などが発表されるが、4 月 3 日の米 3 月雇用統計が本丸のイベント。そ
れまでは月末・期末のリバランスに絡んだフローやイースター休暇に向けたポジション調整も交えつつ、ドル買
い基調を強めきれない展開が続くか。
ユーロは反発継続の公算も。昨年来からのユーロ安と原油安を受け、ユーロ圏の景気回復期待が強まっている。
欧州中央銀行(ECB)の大規模な緩和策に対する市場からの評価も高い。ユーロ圏の 3 月 PMI は、新規受注や雇
用の増加を背景に総合指数が約 4 年ぶりの高水準をつけた。域内の個人消費や小売売上高は拡大傾向にあり、昨
年 10-12 月期は金融危機以降でもっとも高い伸びを示している。
金融環境も大幅に緩和している。民間部門への貸し出しは増加基調にある。ECB が実施した 3 月の長期オペ
(TLTLO)の応札額が市場予想を大きく上回ったことも踏まえれば、今後も増加ペースは維持されるだろう。原
油安による実質所得の押し上げ効果が購買力の改善をさらに加速させれば、ECB が成長見通しを上方修正する可
能性も高まりそうだ。量的緩和策の恩恵もあって、加盟国の調達コストは低下しており、各国の財政緊縮路線も
全体的には緩和方向にある。株式などのリスク資産が、流動性拡大を後ろ盾に他の地域をアウトパフォームする
との見通しも聞かれる。始まったばかりの ECB による大規模な国債購入や、ギリシャの債務問題を抱えるなかで
確かにユーロの上昇は見通しにくい。ただしファンダメンタルズ面に焦点をあてれば、下げ止まりつつあるユー
ロがもう一段買い戻しを強める場面があってもおかしくないだろう。
今週の回顧
FOMC 後のドル売りが継続した。米国の経済指標には底堅さを感じさせるものもあったが、米利上げ開始時期
に対する不透明感も背景にドル高調整が優勢。ドル円は期末のリバランスにともなう円買い戻しも背景に、約 1
カ月ぶりの安値となる 118 円台まで下値を拡大。ユーロは域内の景況感の改善に加え、ドルやポンドに対するシ
ョートカバーで下値の堅い展開。対ドルでは FOMC 直後の戻り高値 1.10 ドル半ばに接近し、対円では円高に押
されつつも 130 円台で下げ渋った。
(了)
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