ドル、ユーロ、円

株式会社 DZHフィナンシャルリサーチ
東京都中央区明石町 8-1 聖路加タワー32 階
February 20, 2015
週間展望・回顧(ドル、ユーロ、円)
■ドル円の推移
■ユーロドルの推移
122.00
120.00
118.00
116.00
114.00
112.00
110.00
108.00
106.00
1.2750
1.2500
1.2250
1.2000
1.1750
1.1500
1.1250
来週の展望(予想レンジ ドル円 116.50-122.00 円
2015/2/6
5日線
21日線
90日線
200日線
イエロー
オレンジ
スカイブルー
グレー
転換線
基準線
先行1
先行2
遅行
ブルー
グリーン
レッド
ピンク
ブラウン
ユーロドル
2015/2/16
2015/1/29
2015/1/21
2015/1/5
2015/1/13
2014/12/26
2014/12/18
2014/12/10
2014/12/2
2014/11/24
2015/2/16
2015/2/6
2015/1/29
2015/1/21
2015/1/13
2015/1/5
2014/12/26
2014/12/18
2014/12/10
2014/12/2
2014/11/24
1.1000
1.1100-1.1700 ドル)
ドル円の上値は限定的か。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨は市場の想定以上に慎重な内容だった。
多くのメンバーがゼロ金利政策を長期にわたって維持する方向に傾斜したと指摘。海外経済の悪化が与える米成
長へのリスクやドル高にも言及があった。前回の FOMC 以降に発表された経済指標は、雇用関連を除いて総じて
強さに欠けている。24-25 日のイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長による半期議会証言にも、慎重な姿勢が
引き継がれるのではないか。
先週に日銀の追加緩和に対する懐疑的な見方が報道されたこともあって思惑が高まりやすかったが、金融政策
決定会合の結果や黒田総裁会見に対する市場の反応は限定的だった。輸出や生産に関する判断は上方修正された
が、個人消費についてはやや慎重な見方を示している。物価見通しは引き下げられたものの、インフレ率がマイ
ナスに転じるとは想定されていない。昨年 12 月の国内企業物価指数は、増税の影響を除いたベースで前年比-0.9%
と大幅に鈍化している。ユーロ圏が当面のあいだ、ゼロを下回る水準での弱い動きを見越しているのとは対照的
である。原油価格の動向にもよるが、エネルギー以外の項目でも物価の伸び悩みが目立ってきているため、日銀
の見通しの甘さも指摘される。実質ベースでゼロ成長となった 10-12 月期国内総生産(GDP)の結果もかんがみ
れば、日銀の政策に対する風当たりが強くなりかねない。
ユーロは神経質な動きか。ギリシャ政府はユーロ圏に対し、支援プログラムの 6 カ月延長を正式に要請した。
欧州中央銀行(ECB)は緊急流動性支援(ELA)の継続と 683 億ユーロへの拡大を決定。ただ供給額はすぐに上
限に達するとみられ、ギリシャ国内銀行の資金ひっ迫感は解消されていない。ギリシャは支援の延長で合意済み
の債務すべてを履行すると歩み寄りもみせているが、独財務省が抜本的な解決にならないと提案を拒否している。
ユーロ圏は 20 日の緊急財務相会合で詳しい評価や対応に着手する。まずは推移を見守りたい。ユーロが週明け早
朝から波乱含みの動きとなることも想定される。
現行の支援プログラムからの決別を選挙公約に掲げたギリシャ新政権にとって、支援国側への譲歩が国内世論
の反発を招くこともありうる。弱腰の交渉と批判され、内閣が支持を得られず早い段階での解散・総選挙実施が
現実味を帯びる可能性も排除できない。今後もギリシャがユーロ相場に混乱をもたらす展開はしばらく続くか。
今週の回顧
ドル円はレンジ推移。118 円台を維持した一方で 119 円半ばは重かった。FOMC 議事要旨のタカ派とはいえな
い内容を受け、それまで期待で買われていた値幅を帳消しにするなどほぼ「いって来い」だった。弱めの米経済
指標が並んだが大きく反応していない。ユーロドルは 1.14 ドルを中心にギリシャ関連報道に振り回される展開。
債務交渉は難航し、20 日のユーロ圏財務相会合に持ち越された。ユーロ円も明確な方向感は出ず、134 円から 136
円を行き来した。(了)
本レポートはお客様への情報提供のみを目的として作成したもので、売買の勧誘を目的としたものではありません。実際に投資をなさる場合の最終ご判断は、お客様ご自身でご判断なさる
ようお願い致します。本レポートを原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については一切補償には応じません。 Copyright DZH Financial Research, Inc.