2015年8月 SPOT市況 ドル円市況 3 日、123 円 85-95 銭水準で

2015年8月 SPOT市況
ドル円市況
3 日、123 円 85-95 銭水準で始まった。4 日、ロックハート・アトランタ連銀総裁が「9 月の利上
げを先延ばしするためには米経済が顕著に悪化する必要がある」と発言したことが報じられ、
米長期金利が上昇、124 円 40 銭まで上昇した。5 日、7 月米 ISM 非製造業景況感指数が市
場予想を大きく上回ると 125 円 01 銭まで上伸した。7 日、7 月米雇用統計が非農業部門雇用
者数変化が市場予想を下回り 124 円 30 銭台へ下落した。しかし、20 万人を超える増加となっ
たことから 125 円 07 銭まで買われた。しかし米長期金利の低下や米株安を嫌気したドル売り
が入ると 124 円 11 銭まで下落した。11 日、中国人民銀行が人民元の対ドル基準値を異例と
もいえる大幅な人民元安方向に設定されると NY 市場で 125 円 21 銭まで上昇した。12 日、中
国人民銀行が人民元の対ドル基準値を 2 日連続で大幅に引き下げると 125 円 28 銭まで上昇、
今月の高値を付けた。しかし中国経済の先行き懸念で米国の利上げ時期が後ずれするとの
思惑から NY ダウ平均株価が 270 ドルを超える大幅安となり 123 円 80 銭前後へ下落した。13
日、7 月米小売売上高が前回より大幅に改善されたことを好感して 124 円 63 銭まで上伸した。
その後 124 円台中心で推移していたが 19 日、FOMC 議事要旨が市場の期待していたほどタ
カ派寄りの内容でなかったことで米 9 月利上げ期待が高まらなかった為、123 円 68 銭まで下
落した。20 日、NY ダウ平均株価の大幅安で下値を模索する展開となり、123 円 33 銭まで下
落、21 日には 121 円 82 銭まで急落した。24 日、日経平均株価の大幅安や中国株安に歯止
めが掛からないことが嫌気されて軟調に推移、欧州市場でもこの流れを引き継ぎ 119 円台後
半に水準を切り下げた。NK 市場では、時間外の米株価指数先物や日経平均先物が夜間取
引で急落したことから 120 円近辺からストップロスのドル売り・円買いを巻き込んで 116 円 15
銭まで暴落、今月の安値を付けた。25 日、700 円超え安となった日経平均株価がプラスに転
じると、本邦実需筋のドル買いで 120 円 10 銭前後まで上昇した。しかし 26 日、ダドリーNY 連
銀総裁が講演で「9 月利上げ決定の見通しは低下した」と発言すると 118 円 90 銭台まで下落
した。月末にかけては月末要因のドル買い・円売りフローで一時 121 円 42 銭まで値を上げる
場面が見られたものの、NYK ダウ平均株価の続落がドルにとって重石となり、結局 121 円 20
-30 銭水準で今月の取引を終えた。
財務省が発表した7/30~8/27 の外国為替平衡操作の実施状況によると、47 ヶ月連続で
介入額ゼロ円となった。
ユーロドル市況
今月のユーロドルは 1.09 ドル台後半で始まった。5 週間ぶりに取引再開したギリシャ株式
相場が大幅安となったのをきっかけにユーロは売られ、1.09 ドル台半ばへ下落した。4 日、ロ
ックハート・アトランタ連銀総裁が「9 月利上げが適切」などの発言でドル買いが強まり 1.08 ド
ル台後半まで急落した。5 日、米利上げが意識される中、TKY、LDN 市場で今月安値となる
1.0848 ドルをつけた。しかし、下値の堅さを確認すると短期筋によるショートカバーが入り、
1.09 ドル台前半へ反発した。7 日、米 7 月雇用統計後、1.08 ドル台半ばまで急落するも、1.09
ドル台後半まで買い戻される乱高下となった。10 日、ギリシャ第 3 次支援協議が近いとの観
測で堅調に推移、ストップロスを巻き込んで 1.10 ドル台半ば付近まで上昇した。
11 日、中国人民銀行が人民元安誘導を行ったことでドル買いが誘発され、1.09 ドル台半ば
まで下落した。その後、ギリシャと国際債権団が第 3 次支援の条件で合意に達したと伝わっ
たことで 1.10 ドル台後半まで上昇した。12 日、引き続き人民元基準値が元安水準に設定され
たこで、1.10 ドル台割れへ軟化した。しかし、米国利上げ時期が後ずれするとの思惑やギリシ
ャ懸念の後退で 1.12 ドル台前半まで上昇した。13 日、3 日連続で人民元基準値を元安水準に
設定されたが、市場は比較的落ち着いて受け止めた。米 7 月小売売上高の高い伸びや 9 月
米利上げ観測が意識されたことでドルが買われ 1.10 ドル台後半まで下落した。18 日、米 7 月
住宅着工件数が市場予想を上回る高い伸びによりドルが買われ、1.10 ドル台前半まで下落し
た。19 日、注目の FOMC 議事要旨が期待されたほどタカ派寄りでなかったことでユーロ買い・
ドル売りが優勢となり、1.11 ドル台前半まで反発した。20 日、米 9 月利上げ期待後退や米株
価大幅安・米長期金利の低下で 1.12 ドル台半ばまで、翌 21 日も堅調に推移し 1.13 ドル台後
半まで上昇した。
24 日、世界的な株安を背景に、ドルに対して金利水準が低いユーロの買いが膨らみ LDN
市場で今月高値 1.1715 ドルをつけた。その後、米株価下落幅が大きく縮小すると米金利も上
昇し 1.15 ドル台へ反落した。26 日、プラート ECB 専務理事が追加緩和の可能性を示唆したこ
とや、米 7 月耐久財受注が市場予想を上回ったことで 1.12 ドル台後半まで下落した。27 日、
米 4~6 月期 GDP 改定値の強い結果を背景に 1.12 ドル台前半まで、翌 28 日にはフィッシャ
ーFRB 副議長が 9 月利上げの可能性を否定しなかったことによって、米国早期利上げ期待再
燃でドル買いが強まり 1.11 ドル台半ばまで下落した。31 日、1.11 ドル台では値ごろ感からユ
ーロを買い戻す動きも見られ、1.12 ドル台前半へ切り返して今月の取引を終えた。
ユーロ円市況
136 円台前半で始まった今月のユーロ円は、週前半は 136 円挟みで方向感の無い値動き
が続いた。4 日、ロックハート・アトランタ連銀総裁が「9 月の利上げが適切」と発言すると米長
期金利が急上昇してユーロは急落、ユーロ円も連れて翌 5 日には今月の安値となる 135 円
00 銭を付けた。その後は、米経済指標の良好な結果にドル円が値を上げてユーロ円も 136
円台を回復した。しかし、7 日に発表された 7 月米雇用統計は、雇用市場の改善が進展して
いることを示した一方で先行きのインフレ期待が高まらなかったことからドルは乱高下、ユー
ロ円も 136 円台後半まで上昇後 135 円台半ばまで急落、その後 136 円台前半まで値を戻す
荒い値動きとなった。
翌週 10 日、ユーロはギリシャ第 3 次支援合意が近いとの観測で堅調に推移、ユーロ円も
137 円台半ばまで上昇した。そして翌日には、「ギリシャと国際債権団、第 3 次金融支援の条
件で大筋合意」との報道に 138 円台前半まで値を伸ばした。その後もユーロは堅調に推移、
138 円台での取引が続いた。
18 日に発表された 7 月米住宅着工件数は 2007 年 10 月以来の水準まで回復した。これを
受けて米 FRB の利上げ期待が再燃、ドル買いが強まってユーロはじり安となり 137 円台前半
まで水準を切り下げた。しかし、翌日公表された FOMC 議事要旨には 9 月の利上げを見定め
る明確なメッセージは見当たらず、ドルは売られてユーロ円も 137 円台後半まで値を戻した。
さらに、中国株の下落をきっかけとした世界的な株安連鎖にリスク回避姿勢が強まると、米国
のインフレ期待の低下から消去法的にリスク回避の受け皿となったユーロが買われてユーロ
円も値を伸ばし 138 円台後半まで上昇した。そして、21 日に発表された中国財新 8 月製造業
PMI が約 6 年半ぶりの低水準だったことが判明すると各国の株安がさらに進み、ユーロ円も
今月の高値となる 139 円 00 銭まで上昇した。
翌週 24 日、中国発の世界同時株安がどこまで進むのかとの不安から、米株寄り付き前の
NY 序盤にリスク回避のパニック的な円買いが入りドル円が急落、ユーロ円も連れて 138 台半
ばから 136 円 00 銭まで大幅に下落した。だが、下値では値ごろ感からユーロを買い戻す動き
も見られ、直ぐに 137 円台まで値を戻した。翌 25 日は、中国の金融緩和や欧州主要株価の
反発で過度なリスク回避姿勢が和らいで円売りが進み、ユーロ円も 138 円台を回復した。しか
し、大幅高となっていた NY ダウがプラス圏からマイナス圏に沈むと再び円買いが進み、ユー
ロ円は 136 円台半ばに押し戻された。さらに 26 日、プラート ECB 専務理事が追加緩和の可
能性を示唆する発言をするとユーロ売りが進んで 135 円台半ばまで下落した。その後も、不
安定な各国株価を嫌気してユーロ円の上値は重く、135 円台後半で今月の取引を終えた。
アジア 及び オセアニア 市況
SIN$・THB・,KRW・人民元
8 月に世界中にショックを与えた中国人民元相場、他のアジア通貨に比してドル安水準に
固定され続けた人民銀行仲値が 11 日から 3 日間で都合 4.5%切り下げられた。
(この週の人民銀行仲値 8/10 6.1162 8/11 6.2298 8/12 6.3306 8/13 6.4010 8/14 6.3975)
これに伴いオフショア CNH 相場は 6.21 水準から 6.60 水準まで暴落する大混乱を見せた。
その後新たな水準で小動きとなった人民銀行仲値に落ち着きを見せるものの、他のアジア通
貨は大きく連れ安状態となった。タイバーツ相場はそもそもタイ中銀のバーツ安容認気配もあ
り、ほぼ一辺倒のバーツ売りの動きが続き、約 6 年半ぶりの安値水準となった。シンガポール
ドル相場も約 5 年ぶりの安値水準を更新し、同じように韓国ウォン相場も 5 年ぶりの安値水準
を示現することとなった。
AUD・CAD・STG
豪ドル相場は人民元の変動に大きく影響される形で急落、それまでの豪金利据え置きから
くる安定相場が崩れた。英国ポンド相場は、早期金利引き上げ思惑が撤退し、やや弱気の相
場展開となったが、米ドルとともに引き続き「利上げ通貨組」として想定されているようだ。カナ
ダドル相場は人民元相場の「切り下げ」からくる中国経済減速懸念による原油相場の暴落に
再び大きく下落基調となった。