ドル、ユーロ、円;pdf

株式会社 DZHフィナンシャルリサーチ
東京都中央区明石町 8-1 聖路加タワー32 階
March 20, 2015
週間展望・回顧(ドル、ユーロ、円)
■ドル円の推移
■ユーロドルの推移
123.00
122.00
121.00
120.00
119.00
118.00
117.00
116.00
115.00
1.2500
1.2000
1.1500
1.1000
1.0500
来週の展望(予想レンジ ドル円 118.00-122.50 円
2015/3/6
5日線
21日線
90日線
200日線
イエロー
オレンジ
スカイブルー
グレー
転換線
基準線
先行1
先行2
遅行
ブルー
グリーン
レッド
ピンク
ブラウン
ユーロドル
2015/3/16
2015/2/26
2015/2/18
2015/2/10
2015/2/2
2015/1/23
2015/1/15
2015/1/7
2014/12/30
2014/12/22
2015/3/16
2015/3/6
2015/2/26
2015/2/18
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1.0000
1.0300-1.1100 ドル)
ドル円の戻りは限定的か。米連邦公開市場委員会(FOMC)は、目先のドル高地合いを調整するイベントとな
った。想定通り、声明文からは「辛抱強い」の文言が削除された。一方で景気の見通しは前回の「しっかりした
ペースで拡大」から「やや緩やかになった」に表現が下方修正された。委員会の見通しでも労働市場の改善は継
続すると判断したものの、成長・インフレ見通しは引き下げられた。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は 6
月利上げに含みを持たせたが、ドル高が輸出の足かせになっているとの見方も示している。
FOMC メンバーの 2015 年末時点のフェデラル・ファンド(FF)レート予想中央値は昨年 12 月時点から大き
く低下した。金利先物市場では 9 月の利上げ開始予想が優勢な状況であり、現段階では 0.25%ずつのペースであ
れば、今年中は多くても 2 回程度の利上げにとどまるとの見方が広がりつつある。
FOMC は「辛抱強い」の文言を消し去ることで、引き締め開始時期の選択に関する自由度が高まった。かたや、
寒波の影響もあるとはいえ、雇用指標以外のさえない米経済指標や、FRB の物価見通し引き下げを受けて市場の
早期利上げ期待が高まりにくい状態はしばらく続きそう。
「辛抱強く」待つ姿勢は、米金融当局者から市場参加者
に引き継がれる格好になったといえる。
ユーロは反発力を見極めへ。引き続き欧州中央銀行(ECB)の資産買い入れ状況と、ギリシャの融資実施に向
けた債権団との協議の行方がメインテーマ。ECB の国債購入は最初の 3 日で 100 億ユーロ程度と力強いスタート
を切ったが、3 月第 1 週の補完分が含まれている。今後のペースは鈍化するだろう。域内の金利低下圧力は以前よ
り緩みつつある。参加者が債券から株式に資金をシフトする動きもみられ、中核国の株価指数は総じて堅調に推
移している。市場ではユーロドルが 1.00 ドルのパリティ(等価)まで下落するとの予想が一段と勢力を増してい
るが、FOMC を通過してドル高に短期的な歯止めがかかった状況からは、これまでと同様の速度でユーロ安が継
続するとの見方にはやや距離を置きたい。
ギリシャは 20 日に、国際通貨基金(IMF)に対する 3 月中の返済予定の残額支払いを完了させる見込みである。
政府が流動性確保で緊急対応策の概要を議会に提出するなど、合意された延長プランが承認されるまで予断を許
さない状態。もっとも目先の返済が完了することで、短期的に市場の警戒感が薄れる可能性もある。ユーロがシ
ョートカバーを交えて一定の反発を演じることも想定しておきたい。
今週の回顧
ドルは反落。ドル円は FOMC に向けた調整で上値が重くなると、米当局者の景気や物価への慎重な見通しを嫌
気して下落。米長期金利が約 6 年ぶりの大幅な低下を演じる動きにつられ、一時 119 円前半まで下げ幅を広げた。
ユーロはドル高地合いの失速も受け、最近の下落に対するショートカバーが優勢。対ドルでは 1.10 ドル半ば、対
円では 131 円半ばまで上振れる場面があった。ギリシャと支援側による融資実施に向けた協議に目立った進展は
なかった。(了)
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