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基礎物理学演習 (後期 第3回)
担当:岡林潤
1. 半無限の導体の表面の前方 a の距離に点電荷 Q がある。点電荷と導体面との
間に働く引力を求めよ。また、導体の前方の点 P ( x, y, z ) につくられる電位、電
場を求めよ。
2. 半径 a の接地した導体球の外部で中心 O から距離 b (a < b) のところに点電荷
Q がある。この場合の電気鏡像と点電荷が導体から受ける引力を求めよ。
3.
(1) 内球の半径 a 、外球の半径 b の 2 つの同心導体球よりなるコンデンサーがあ
る。外球を接地した場合の電気容量を求めよ。
(2) 軸方向に十分長い、半径 a , b (a < b) の同軸円筒コンデンサーの単位長さあ
たりの電気容量を求めよ。
(3) 半径 R の十分長い直線状導体が、互いに a 離して平行におかれているときの、
単位長さあたりの電気容量を求めよ。ただし、 R << a
(4) 極板面積 A 、間隔 d の平行板コンデンサーの電気容量を求めよ。
4.
(1) 極座標表示 (r ,θ ,ϕ ) において、 φ (r ) が r にのみ依存する場合、
d 2φ (r ) 2 dφ (r ) 1 d ⎧ 2 dφ (r ) ⎫
∇ φ (r ) =
+
= 2
⎨r
⎬
dr 2
r dr
r dr ⎩
dr ⎭
が成り立つことを示せ。
(2) 半径 a の球の内部に一様な密度 ρ で分布する電荷による電位を、ポアソン方
2
程式を解くことにより求めよ。
G
5. 原点に置かれた電気双極子モーメント p による電位は、
G G
G
1 p⋅r
φ (r ) =
4πε 0 r 3
1/ 2
G
と与えられる。ただし、 r 2 = (x 2 + y 2 + z 2 ) である。この電位 φ (r ) が原点以外
の点でラプラス方程式
∇ 2φ (r ) = 0
を満たすことを示せ。
6. 図のように半径 a の導体球と同心の内径 c 外径 d の導体球殻から構成される
コンデンサーを考える。電極間の a < r < b および球殻の外側
d < r は真空 ( 誘電率ε 0 ) 、 b < r < c は誘電率 ε の誘電体である。導
体球のみに電荷 Q ( > 0 ) を与えたとき、以下の問いに答えよ。
(1) この時の電束密度 D, 電界 E, 分極 P, 無限遠を基準点と
する電位 ϕ の分布を求めよ。
(2) D, E, P, ϕ の動径座標 r に対するグラフの概形を示せ。
(3) D, E, P の場を流線で図示し、それぞれの場と ρ , ρ p の分布との関係(ど
こから発生してどこで終端するか)等を説明せよ。
7. 導体が誘電率 ε の誘電体に囲まれているとき、真電荷の面密度を σ として、
(1) 導体表面前方の電場を求めよ。
(2) 分極電荷の面密度を求めよ。
レポート課題 3-1
原点 O からの距離 r の点の電位が φ (r ) =
1 q −r / λ
e
で与えられているとき、
4πε 0 r
(1) 原点を除いた点の電荷分布 ρ (r ) を求めよ。[Poisson 方程式より求めよ]
(2) 原点を除いた点の全電荷量を求めよ。[(1)の電荷密度を 0 から ∞ まで体積
積分せよ]
(3) 電場 E (r ) を求めよ。
(4) 半径 a の球を考え、全電気力束を計算せよ。[Gauss の法則の左辺を計算せ
よ]
(5) (4)で a → 0 とすることにより、原点に点電荷 q があることを示せ。
レポート課題 3-2
半径 a の無限に長い円筒の内部に一様な密度 ρ で分布する電荷による電位を、ポ
アソン方程式を解くことにより求め、図示せよ。ただし、円筒の中心で電場は
ゼロ、側面上の点における電位は連続とする。ここで、円筒座標 (r ,θ , z ) におい
て φ (r ) が r のみによる場合、
∇ 2φ (r ) =
d 2φ (r ) 1 dφ (r ) 1 d ⎧ dφ (r ) ⎫
+
=
⎨r
⎬
dr 2
r dr
r dr ⎩ dr ⎭
と書けることを用いよ。
レポート課題 3-3
(1) 直径 3 mm の銅線と、その外側の内直径 1.0 cm の鉛管の間に、比誘電率 3.0
のゴムを満たしたケーブル 1 km あたりの電気容量はいくらか。
(2) 半径 a の導体球の電気容量を求めよ。地球を導体球とみなして、その電気容
量を求めよ。ただし、地球の直径を 6.4×106 mとする。