平成15年度前期末

物理特論 前期中間試験 1.次の式を計算せよ。
(1) (1 − x )(1 + x + x 2 + x 3 + " + x n )
H.15.6.11
(2)
3
3
3
+
+
2 × 5 5 × 8 8 × 11
2.直線上を運動する物体の位置x が時刻t の関数として、次のように与えられるとき、速度を求めよ。
( g, v0 , A, ω は定数)
(1) x (t ) =
1 2
g t + v0 t
2
(2) x (t ) = A cos(ωt )
3.次の問に答えよ。
(1)直線上を運動する物体の速度v が時刻t の関数として と与えられる。ある時刻t
にお
v(t ) = Ae −k t
ける物体の位置x を求めよ。ただし、物体はt=0 のときx=0 を通ったとする。(A,k,fは定数)
A
1+x
V =
(2)距離がx 離れた二つの物体の間のポテンシャルエネルギーが で与えられているとき、
2
この物体の間に働いてる力を求めよ。ただしAは定数。
(3)ばねの弾性力は、ばねの伸びの長さをx、ばね定数をkとするとF = −k で与えられる。ばねのポテ
x
ンシャルエネルギーを積分を用いて求めよ。
4.右図のように座標x をとり、質量mの物体の落下を考える。物体は下向きにmgの力を受けている。
x
(1)この物体に対する運動方程式を微分を用いて書け。
(2)運動方程式を積分することで、時刻tにおける物体の速度v を求めよ。ただし、t=0のとき
上向きに初速 で打ち出されたものとする。
v0
(3)運動方程式の両辺にv = dx を乗じて、変形することでエネルギー保存則
/ dt
1 2
mv + mgx = 一定
2
を証明せよ。
0
mg
5.なめらかな水平面上に、右図のような車輪がついている台車を置く。その上に、ばね定数k のばねで作った
発射機がある。ばねを縮めて手を離すと質量mの小球が右へ飛び出すようになっている。
台車の質量はMとして以下の問に答えよ。
(1)最初、台車は動かないように車輪を止めておく。ばねを自然長からx だけ縮めて
から手を離した。台車から水平に飛び出した小球の速度はいくらか。
k,m を用いて表せ。
(2)車輪の止めを外し、台車は自由に動ける状態にする。(1)と同様に小球をばねにセットし手を離した。水平に
飛び出した小球の速度をv、台車の速度をV として、運動量保存とエネルギー保存則の式を書き、v,V を求めよ。
6.それぞれ質量がm, M の粒子A,Bがある。速度V でx軸方向に進んできたBに、x軸と角度αの方向から速度vで
進んできた粒子Aが衝突した。衝突後、粒子Bは方向を変えずに速度V’ でx軸方向へ、粒子Aは速度v’ でx軸と
角度βを成す方向へ飛び去った。 <before> <after>
y
B
x
V'
V
α
A
v
B
β
v'
A
(1)この系には力が全く働いていないとして、x軸、y軸方向に関して運動量保存則をかけ。またエネルギー保
存則を書け。
(2)もし、(1)の状態を次のI,IIのように変化させて、A、Bを衝突させたとき、(1)と同じ運動量保存則
が成り立つかどうか。それぞれについて簡単に述べよ。
I:『粒子A,Bが共にプラスの電気を持っている状態』でA、Bを衝突させる
II:『粒子A、Bが共にプラスの電気を持ち、かつ近くにプラスの電気を持つ別な粒子Cがある状態』で衝突させる
宇宙船を効率的に加速する方法としてスイングバイ航法が知られている。高速で動いている恒星や惑星と宇宙船を
‘衝突’させることで加速するのがその原理である。上の(1)で得た関係を用いてスイングバイを説明する。
(3)粒子Aを宇宙船、粒子Bを天体と考える。つまり質量m は天体の質量Mより非常に小さい。簡単のため
(1)の答でα=0,β=0として、x軸方向の運動量保存の式だけを考えることにする。また、天体と宇宙船
は弾性衝突したと考え衝突係数を1にした関係式 を用いてよい。運動量保
v −V = −(v '−V ') "①
存の式と①式を用いてv’ を求め、衝突後の宇宙船の速さは天体の速さの約2倍になることを説明せよ。
(4)(3)では天体と宇宙船があたかも弾性衝突をしたかのように考えて関係式①を用いた。弾性衝突の関係式
①は実際に衝突を起こさなくても、エネルギー保存と運動量保存から導けることが知られている。
運動量保存式[(3)で用いたもの]とエネルギー保存式[(1)の答]の二つから①が導かれることを証明せよ。
物理特論 H15前期中間試験 解答用紙
クラス 番号 名前
問1.(各5点)
(1) (2)
問2.(各5点) (1) (2)
問3.(5点+6点+4点)
(1) (2)
(3)
問4.(3点+7点+8点)
(1)
(2)
(3)
問5.(6点+8点)
(1)
(2)
運動量保存則: エネルギー保存則:
問6.(各12点+8点+7点+6点) (1)運動量保存x軸: 運動量保存y軸:
エネルギー保存:
(2)Iの場合:
IIの場合:
(3)
(4)