プラズマ工学特論 九州工業大学電気工学科 趙孟佑 No.2 プラズマ振動∼ ∼デバイ遮へい∼ ∼プラズマパラメータ∼ 1 デバイ遮へいとプラズマパラメータ 教科書のp154~159 2 クーロン力 • 電荷Q1と電荷Q2の間に働くクーロン力 Q1Q2 F= 4πε o R 2 R Q1 Q2 無限遠まで働く長距離力 3 ポテンシャルエネルギーと熱運動エネルギー イオン 電子 d • プラズマ中の粒子間の平均距離をdとする e2 粒子間のクーロン力のポテンシャルエネルギー eφ = 4πε d o e:荷電粒子一個ずつの電荷量 4 ポテンシャルエネルギーと熱運動エネルギー d • 粒子が温度Tのマクスウェル分布をしているとする 粒子一個の運動エネルギー(1/2)mu2の平均値 3 κT 2 5 ポテンシャルエネルギーと熱運動エネルギー e2 粒子間のクーロン力のポテンシャルエネルギー eφ = 4πε d o 粒子一個の運動エネルギー(1/2)mu2の平均値 3 κT 2 • プラズマ中では普通、熱運動エネルギーは個々の粒 子間のクーロンポテンシャルエネルギーよりも遥かに 大きい 3 κT 4πε o d 3 2 = κ T >> 1 2 e 2 eφ プラズマ粒子はお互いのクーロン力に束縛されることなく 自由に動くことができる 6 デバイ遮へい • プラズマは、外部から与えられた電界に対して、 自ら動いて反応する。 7 デバイ遮へい • プラズマは、外部から与えられた電界に対して、 自ら動いて反応する。 + - 8 デバイ遮へい • プラズマは、外部から与えられた電界に対して、 自ら動いて反応する。 + - 9 デバイ遮へい • プラズマは、外部から与えられた電界に対して、 自ら動いて反応する。 + - 帯電した導体球の影響を受けない 10 デバイ長 • どれくらいの距離で、帯電物体の影響を遮へいでき るか? – デバイ遮へいをするのは、主に電子である。 – イオンは少し動くだけ 密度n0,温度Tのプラズマ x x方向に電子が動いて、 Φ0 正電位をもったグリッドからの 11 電界を遮へいする デバイ長 • どれくらいの距離で、帯電物体の影響を遮へいでき るか? – デバイ遮へいをするのは、主に電子である。 – イオンは少し動くだけ 密度はn0で不変 x x方向に電子が動いて、 Φ0 正電位をもったグリッドからの 12 電界を遮へいする デバイ長 • 1次元のポアッソン方程式 ∇i D = ρ gaussの式 ∇i D = e(ni − ne ) D = ε 0 E より ∇i E = e(ni − ne ) ε0 ∇i( −∇φ ) = −∇ φ = 2 e(ni − ne ) ε0 E = −∇φ より e(ni − ne ) ε0 e(ni − ne ) ∂2 φ =− 2 ε0 ∂x x方向だけの一次元で考える 13 デバイ長 • 1次元のポアッソン方程式 ∂2 e(ni − ne ) φ=− 2 ∂x ε0 イオンは重いので殆ど動かないと仮定 ni=n0 電子は、グリッドの廻りでは、周囲の値から少しずれると考える ⎛ eφ ⎞ ne = n0 exp ⎜ ⎝ κ T ⎟⎠ ボルツマン分布 14 ボルツマン分布 • 電子がボルツマン分布をしている理由 ⎛ eφ ⎞ ne = n0 exp ⎜ ⎝ κ T ⎟⎠ 電子少ない 電子多い 電子少ない x Φ0 詳しくはp.63 15 ボルツマン分布 • 電子がボルツマン分布をしている理由 ⎛ eφ ⎞ ne = n0 exp ⎜ ⎝ κ T ⎟⎠ 電子少ない 電子多い 電子少ない x 電界 電子を引き寄せる力 バランスする 圧力小 圧力大 p=nκTより、密度が 多ければ、圧力高い 圧力小 集まった電子をばらそうとする圧力 16 ボルツマン分布 • 電子がボルツマン分布をしている理由 電子を引き寄せる力 バランスする 圧力小 圧力大 ∂ enE = −en φ ∂x 圧力小 集まった電子をばらそうとする圧力 ∂ ∂ ∂ − p = − (nκ T ) = −κ T n ∂ ∂ −κ T n = −en φ ∂x ∂x ∂x ∂x ∂x 1 ∂ e ∂ n= φ κ T ∂x n ∂x e ln n − ln n0 = (φ − 0 ) n0:電位がゼロのところの密度 κT ⎛ eφ ⎞ 17 ne = n0 exp ⎜ ⎟ ⎝ κT ⎠ デバイ長 • 1次元のポアッソン方程式 ∂2 e(ni − ne ) φ=− 2 ∂x ε0 ni=n0 ⎛ eφ ⎞ ne = n0 exp ⎜ ⎝ κ T ⎟⎠ を代入 電位eΦが温度κTに比べて十分に小さいと仮定 eφ ⎞ ⎛ eφ ⎞ ⎛ ne = n0 exp ⎜ ≈ n0 ⎜ 1 + ⎟ ⎝ κT ⎠ ⎝ κ T ⎟⎠ Taylor展開 ∂2 eφ e φ = n0 2 ∂x ε0 κT 18 デバイ長 • 1次元のポアッソン方程式 ∂2 eφ e φ = n0 2 ∂x ε0 κT 1 ∂2 e2 n0 φ= 2 φ ∂x ε 0κ T 1 1 ∂2 φ= 2 2 φ ∂x λD と置き換えて、 この微分方程式を満たすのは、 ⎛ x ⎞ φ = φ0 exp ⎜ − ⎟ ⎝ λ ⎠ D 19 デバイ長 • 1次元のポアッソン方程式の解は ⎛ x ⎞ φ = φ0 exp ⎜ − ⎟ ⎝ λD ⎠ ここで λD = ε 0κ T n0 e2 デバイ長 グリッドからの電界はλDのスケールで急激に小さくなる プラズマ中である電位をもったとしても、その存在が 伝わる距離は、せいぜいがデバイ長程度である。 20 デバイ長のもう一つの意味 x ie ie ie ie ie ie ie ie 準中性 ie ie ie ie i i i i i i i i e e e e i i i i e e e e e e e e ene x = E εo 分離 2 2 enx eφ = eEx = εe < kTe o 分離による電界 x< ε 0κ T n0 e 2 = λD 電荷が勝手に分離することによって生じるポテンシャルエネルギー は熱運動のエネルギーを超えられない プラズマはデバイ長よりも大きなスケールで見ている限りは 準中性を保っている 21 プラズマパラメータe e e e e e e e e e e e e e e e e e e +Q e e e e e e e e high density e e e e e e +Q e e e e e e e e e low density デバイ遮へいを行って、プラズマの大部分を準中性に保つには、 デバイ長で定義される体積中に十分な粒子の数がないといけない 22 プラズマパラメータ デバイ遮へいを行って、プラズマの大部分を準中性に保つには、 デバイ長で定義される体積中に十分な粒子の数がないといけない 4 N λ = π n0 λ D3 >> 1 3 Nλ:プラズマパラメータ Nλ ∝ ⎛3 ⎞ ⎜⎝ κ T ⎟⎠ 2 ⎛ e ⎞ ⎜⎝ 4πε ⎟⎠ 0 2 3/2 = 3/2 n1/2 0 ⎛3 ⎞ ⎜⎝ κ T ⎟⎠ 2 ⎛ e ⎞ ⎜⎝ 4πε ⎟⎠ 0 2 3/2 3/2 ⎛ 1⎞ ⎜⎝ 3 ⎟⎠ d 1/2 = ⎛3 ⎞ ⎜⎝ κ T ⎟⎠ 2 ここで 3/2 ⎛ e2 ⎞ ⎜⎝ 4πε d ⎟⎠ 0 ⎛ 1⎞ n0 ≈ ⎜ ⎟ ⎝ d⎠ 3/2 プラズマパラメータは、粒子の熱運動エネルギーと隣接粒子間のポ テンシャルエネルギーの比を意味する 23 3 プラズマ振動 • プラズマ中では電子とイオンは自由に動ける • しかし、外部から電界をかけない限り、完全に分離することは できない • 少し離れると、プラスとマイナスの電荷が引きあって、それ以 上引き離さないようにする。 – つかず、離れずの関係 • 電子とイオンは重さが全然違う 電子はイオンの1800分の1かそれ以下の質量しかない • 電子は行き過ぎて、結局イオンの廻りをいったりきたりする 24 プラズマ振動 x e e e e i i i i i i i i ei ei ei ei ei ei ei ei i i i i i i i i e e e e i i i i e e e e e e e e i i i i εo enx E= ε o 反発力 n:電子密度 E:電界 2 i i i i e e e e σ = E m d x=− eE 2 dt 2 2 d x = − e ne x 2 εo dt 単振動の式。角周波数は 2 e n ω pe = e ε o me me e e e e e e e e 25 Charge density Electric potential Quick Timeý Dz É rÉ fÉI êLí£Év ÉçÉ OÉâÉÄ Ç™Ç±ÇÃÉ sÉ NÉ `ÉÉ Ç¾å©ÇÈ Çž ǽDžÇÕï Kóv Quick Timeý Dz É rÉ fÉI êLí£Év ÉçÉ OÉâÉÄ Ç™Ç±ÇÃÉ sÉ NÉ `ÉÉ Ç¾å©ÇÈ Çž ǽDžÇÕï Kóv negative (more electrons) zero positive (more ions) zero 26 positive
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