基礎物理学演習 (後期 第4回) 担当:岡林潤 G 1. 速度ベクトル v = (vx , v y , vz ) に対して、図のような長方 形に沿った線積分を行い、ストークスの定理 G G G G v ⋅ d s = ( rot v ) ⋅ d S ∫ ∫∫ が成り立つことを確かめよ。ただし、微小量 dx , dy に 対して ∂v vx ( x + dx, y ) = vx ( x, y ) + x dx + ... などを用いよ。 ∂x y y+dy y A4 A3 A1 A2 x x+dx x 2. xy 平面上の原点を中心とする単位円周上を反時計回りに1周する積分路を C1, xz 平面上の原点を中心とする単位円周上を反時計回りに1周する積分路 を C2 , 原 点 を 中 心 と す る 単 位 球 面 を S と す る 。 こ の と き , ベ ク ト ル 関 数 F = ( − y , x , z ) について,以下の問いに答えよ。 (1) v∫ C1 F ⋅ dl , v∫ F ⋅ dl および v∫ F ⋅ dS を求めよ。 C2 S (2) ベクトル関数 F の発散と回転を求め、(1)の結果との関係について議論せよ。 3. (1) 無限の長さをもつ直線上導線を流れる電流 i が、導線から距離 r 離れた点に 生じる磁束密度を、Biot-Savart の法則から求めよ。 (2) 一辺が l の正方形コイルに電流 i が流れている。コイルの中心における磁束 密度の向きと大きさを求めよ。 (3) 半径 a の円電流 i により、円の中心に生じる磁束密度を Biot-Savart の法則 を用いて求めよ。 (4) 半径 a の円形コイルに円電流 i が流れている。このコイルの中心軸上 z 上方 に生じる磁束密度を求めよ。 4. (1) 無限の長さをもつ直線状導線を流れる電流 i が、導線から距離 r 離れた点 P に生じる磁場を Ampere の法則より求めよ。 (2) 断面の半径 a の無限に長い円柱状導線に電流 i (導線内で電流密度は一様) が流れている。導線の内外に生じる磁場を Ampere の法則により求めよ。 (3) 上記(2)と同じ円柱状導線を 2 本、互いの中心軸の間隔が d となるように並 べた。これらの導線に互いに方向が逆の等しい電流 i (電流密度は一様)が 流れるとき、両導線間の単位長さあたりを横切る磁束を求めよ。 5. 半径 a 、長さ 2l 、総巻き数 N の導線を一様密 l l に巻いたソレノイドに電流 i が流れている。 (1) 中心軸上の点 P における磁束密度を求めよ。 θ1 a ただし θ1 , θ 2 は図のように点 P とソレノイ O θ2 P ドの端点を結ぶ直線と中心軸とのなす角度と する。 (2) 中心軸上のソレノイドの中点に生じる磁束密度 B0 と、端点に生じる磁束密 度 B1 を求めよ。 (3) ソレノイドの長さ 2l が半径 a に比べて十分長いとき、 B1 / B0 = 1 / 2 となるこ とを示せ。 (4) 点 P のソレノイドの中心軸上の中点 O からの座標を x とする。このとき、磁 束密度は B= μ0iN ⎛⎜ l+x 4l ⎜⎝ a 2 + (l + x) 2 + ⎞ ⎟ 2 2 ⎟ a + (l − x) ⎠ l−x となることを示せ。 6. 図のような、半径 a の円形断面をもつ、中心軸からの 半径が d であるようなトロイダルコイルがある。コイル は一様に巻かれており、総巻き数を N とする。コイルに 流れる電流を i とする。 (1) 円形の断面内の点 P における磁場を求めよ。 (2) トロイダルコイルの外部の磁場はどのようになるか。 (3) トロイダルコイルがドーナツ型の鉄心を用いて作ら れているとする。鉄の透磁率を μ として、鉄心の断面 を横切る全磁束、および断面での平均の磁束密度を求 めよ。 (4) d >> a のときの磁束密度を求めよ。 P(r,θ) a d O H i レポート課題 4-1 半径 a の円形コイルが 2 つある。2 つのコイルの中心軸を同じにして間隔 2b で 平行に並べた。両コイルに等しい電流 i を同じ向きに流すとき、両コイルの中心 軸上中点から z ずれた場所に生じる磁束密度を求めよ。また、 z を微少量と近似 し( z << a, b )、中点近傍での磁束密度を求めよ。 レポート課題 4-2 図のように外半径 a 、内半径 b の無限に長い中空円筒の導 体と、半径 c の円筒導体からなる同軸ケーブルがある。各 導体に大きさの等しい電流 i が互いに反対方向に流れて いるとき、中心軸からの距離 r の点での磁場の強さを Ampere の法則を用いて求めよ。結果をグラフに示せ。た だし、各導体内での電流密度は一様であるとする。 b c a r レポート課題 4-3 (1) 透磁率 μ 、一辺の長さ c の長方形の断面をもつ鉄心がある。この鉄心は内半 径 a 、外半径 b の環を構成している。鉄心に総巻き数 N のコイルを巻き、電 流 i を流した。このとき、断面の中心に生じる磁束密度をアンペールの法則 から求めよ。 (2)上問で求めた断面の中心の磁束密度を、この断面を貫く平均磁束密度と近似 する。このときの断面を通過する全時速を求めよ。 (3) 上問(2)のような近似をせず、鉄心の断面を貫く全磁束を求めよ。 [横方向 a から b まで、縦方向 0 から c まで積分する] レポート課題 4-4 次の定積分の値を求めよ。 π I= dθ ∫π a + r cosθ − (a > r )
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