PowerPoint プレゼンテーション

*グローバル投資環境
No.903*
ご参考資料
髙木証券投資情報部
米国FOMC(1/27~28)議事録~米ドル高の弊害を明記
2015年2月19日作成
米国の中央銀行にあたるFRBは18日、1月27日から28日にかけて開いたFOMCの議事録を
公表した。
【声明文の要点】
当該FOMC声明文の内容
については、右の表に再
度まとめたのでご参照頂
きたいが、FF金利の誘導
目標を0~0.25%で維持
する一方、景気全般に関
する判断を「緩やかに
(moderate pace)拡大
した」から「堅調に
(solid pace)拡大し
た」に引き上げている。
また、FF金利引き上げの
時期に関するフォワード
ガイダンでは「忍耐強く
(can be patient)」を
維持する一方、12月16~
17日開催のFOMC声明文で
「忍耐強く」という表現
を採用する一方で形式的
に残されていた「相当程
度の期間(considerable
time)」という文言を完
全に削除していた。
上述の通り、声明文に
おける景気の現状に対す
る表現はかなり強いもの
であり、それは、労働市
場における「弛み」縮小
の継続と、エネルギー価
格の低下による個人消費
の押し上げ効果を背景と
したものだが、議事録に
はネガティブな要因もい
くつか挙げられている。
《経済の現状認識》
全般
経済活動は着実に拡大した
労働市場環境は強い雇用増とより低い失
業率を伴ってさらに改善した。活用されて
労働市場
いない労働力の減少が続いていることを
幅広い指標が示している
緩やかに増加した。最近のエネルギー価
家計消費
格の低下が家計の購買力を押し上げてい
る
設備投資
拡大した
住宅市場
回復は引き続き緩慢だ
エネルギー価格の下落を一部反映してイ
ンフレは我々の長期目標を下回ってさらに
インフレ
低下した。市場ベースのインフレ指標は最
近相当に低下したが、調査に基づく長期
の期待インフレは安定している
《景気と物価の先行き》
適切な緩和政策により、経済活動は緩や
かなペースで拡大するとともに、労働市場
景気
関連の指標は引き続き我々の責務に一
致する方向に向かうだろう。
インフレは短期的にはさらなる低下が見込
まれるが、労働市場のさらなる改善とエネ
ルギー価格、その他の一時的効果の消失
物価
により、インフレは徐々に2%に向けて上
昇するだろう。我々はインフレの動向を引
き続き注視する。
《フォワードガイダンス》
0~0.25%という現在のFF金利のレンジが
なお適切であることを再確認する。どの程
度の期間、このレンジを維持するかを決定
する際には、雇用の最大化と2%のインフ
レに向けた進展を、現実と予想の双方に
ついて再評価する。評価に際しては、労働
環境に関する指標やインフレ圧力とインフ
レ期待、金融情勢と国際情勢の変化を含
む幅広い情報に注意を払う。現在の評価
利上げ時期
に基づけば金融政策の正常化の開始に
は忍耐強くなれる。今後の情報が現在見
込んでいるよりも速いペースでの雇用とイ
ンフレの目標に向けた収斂を示唆した場
合には、FF金利のレンジの引き上げが現
在の想定よりも早まる一方、収斂が見通し
よりもゆっくりであることが判明した場合に
はターゲットレンジの引き上げは現在の想
定よりも遅くなることが見込まれる
例えば、住宅市場に対するFRBの見方は以前から慎重なものだったが、今回の議事録には、
「住宅市場の回復の緩慢さが継続した場合、家計消費を抑制する要因になり得る」ことが
初めて明記された。また、企業の景況感は総じて堅調との見方を示しているが、「何人か
の参加者は石油・ガスセクターにおけるレイオフの兆しを指摘、低いエネルギー価格が続
いた場合には、雇用の削減が強まる」ことを懸念していることも示されている。
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最終頁の「ご注意いただきたいこと」を必ずお読み下さい。
髙木証券投資情報部
ご参考資料
また、声明文が公表された時点から注目されていた点の一つに、金融政策の正常化を
決定する際に注意を払う項目に、従来の労働市場やインフレに加え、「国際情勢の変化
(international development)」が盛り込まれたことがあり、「国際情勢の変化」が
何を指しているのか?が議事録を読む上でのポイントとなっていた。この点について議
事録は、「複数の中央銀行により発表された緩和政策により海外の見通しが強まった」
ことなど、「前回会合以来の複数の変化が米国の成長に与えるリスクを減少させた」と
いうむしろ前向きな見方も示しているが、エネルギー価格の下落による家計消費の押し
上げ効果を、「最近のドルの上昇が中長期的にはほぼ相殺する」というドル高の弊害を
明記している。
以上の判断を踏まえて、「多くの参加者は政策正常化の開始時期と関連したリスクバ
ランスの評価を通じて、FF金利をより長期にわたり事実上の下限で維持するという考え
に傾いたとの認識を示した」ことを議事録は明らかにしている。また、3月17日から18日
にかけて開かれる次回のFOMCにおける最大の注目点は、先に述べた「忍耐強く(can be
patient)」の扱いだとされているが、この点については議事録は、「多くのメンバーは
これを声明文から削除すれば、利上げの開始時期に関する市場の予想が過度に狭いレン
ジに集中してしまうリスクがあると考えている」ことを明らかにしている。
昨年12月16日から17日のFOMC直後には今
年半ばでほぼ一致していた利上げ開始時期
に関する市場の見方はこのところ揺れ動い
ている。一旦大きく後退した年央の利上げ
観測は足下では多少復活しつつあったが、
今回の議事録を受けて利上げ開始時期に関
する市場の予想は後ずれしよう。FRBは金融
政策の正常化は経済指標次第だというスタ
ンスをとっているため、利上げの時期を予
想することに余り大きな意味はないように
も思われるほか、FRBの政策の方向性そのも
のは一貫しているため、今年の後半のいず
れかの時点で利上げが開始されることには
変わりがないと思われるが、今回公表され
た議事録は、短期的には米国債券利回りと
為替市場における米ドルの上昇を抑制する
方向に働くとみられ、その後については3月
17日から18日にかけて開かれるFOMC次第と
いえるだろう。
(文責:勇崎
聡)
《今後のFOMC開催日程》
開催日
議長会見
3/17~18
有り
4/28~29
無し
6/16~17
有り
7/28~29
無し
9/16~17
有り
10/27~28
無し
12/15~16
有り
(出所:FRBより髙木証券作成)
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