Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン 北米 2016年12月15日 FOMC、想定される利上げ回数の意味 12月のFOMCにおけるサプライズは2017年に想定される利上げ回数が3回となったことです。利上げ回数を見込む にあたり、トランプ政権の影響の大きさを改めて認識させられる結果となっています。 FOMC:政策金利は市場予想通りの引き上げ だがFOMC参加者予測は市場予想を上回る 米連邦公開市場委員会(FOMC)は2016年12月13、14両日 に定例会合を開き、市場予想通り政策金利を0.25%引き上 げ0.5〜0.75%のレンジとしました。FOMCは声明で景気見通 しを上方修正し、労働市場も改善しているとの見方を示唆し ました。一方、インフレ率見通しについては概ね据え置いて います(図表1参照)。今回のFOMCで最も注目されたFOMC 参加者の政策金利の見通しで、ドットチャートに示された予 測中央値から想定される2017年の利上げ回数が3回(各 0.25%の利上げを前提)と見込まれます(図表2参照)。市場 では2017年の利上げ回数を概ね2回と見込んでいました。 どこに注目すべきか: FOMC、ドットチャート、経済予測、完全雇用 12月のFOMCにおけるサプライズは2017年に想定される 利上げ回数が3回となったことです。利上げ回数を見込む にあたり、トランプ政権の影響の大きさを改めて認識させら れる結果となっています。ただし、米国の金融政策動向を 占う上では次の点を明らかにする必要があると見ています。 まず、FOMC参加者の経済予測を見ると経済成長率、雇用 市場(失業率)は改善していますがインフレ率については 見通しを据え置いています。また経済成長率の修正幅は わずか0.1%と小幅です。トランプ次期大統領が公約として いる向こう10年間のインフラ投資額1年分をGDP(国内総 生産)対比で見ると概ね0.6%程度です(乗数効果などを無 視)。9月時点でどの程度トランプ次期大統領の政策が FOMC予測に織り込まれていたのか不明ですが、今回の 上方修正0.1%は小幅な印象です。今後公表される議事要 旨や当局のコメントなどから、FOMC参加者がどの程度、ト ランプ氏の政策を反映しているのか確認が必要です。 2点目は、労働市場が完全雇用なのかです。米連邦準備 制度理事会(FRB)イエレン議長は完全雇用の状態に戻る のに、財政政策による景気刺激は必要ないとまで述べて ピクテ投信投資顧問株式会社 います。仮に完全雇用の状態で財政拡大政策が導入されれ ば、金融政策は引き締め度合いを強める可能性もあり、『年3 回』の必然性が高まることも考えられ、確認が必要です。 最後に、2017年の利上げ回数が2回から3回に修正されたの は、中央値から想定される利上げ回数で、算術平均で利上げ 幅を見ると、0.06%程度に過ぎない点に注意が必要です。イエ レン議長も会見で政策金利予測の修正は微調整との認識を 示唆しており、FOMC内で本当に利上げ1回分の意識の変化 があったのかについて確認が必要です。 今回のFOMCでは再確認が必要な項目も多く、拙速な変更は 控えるべきと見られますが、公表内容のトーンは引き締め方 向にシフトしている面もあり、来年2回の利上げを想定するも、 財政政策等の内容次第では年3回の可能性も考えられます。 図表1:FOMC参加者の2017年米国経済予測の比較 (時点:2016年9月(左、前回)、2016年12月(右、今回)FOMC予測) 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 % 2.0 2.1 経済成長率 4.5 4.6 9月 12月 1.9 1.9 失業率 インフレ率 図表2:FOMC参加者の政策金利予想のドットチャート (時点:ドットチャートは2016年12月、中央値(実線)は9月と12月) 4.0% 3.0% 12月時点の予想 9月時点の予想 市場予想(12月14日時点) 2.0% 1.0% ※ドットは各年末におけるFOMC参加者 による政策金利予想値 2017年 2018年 2019年 2016年 出所:FOMC関連資料のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 0.0% ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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