ウィークリーレポート 2017/2/20-2017/2/24 材料不足の中、下値を固められるか 大きな材料を欠くため、フランス大統領選関連およびトランプ政権からの税制改革に関するヘッドライン待ちが続くか?影響 は限定的と考えられるが、週半ばには FOMC 議事録を控える点は抑えておきたい。 (先週の振り返り) 先週は、金曜日から週末にかけて行われた日米首脳会談を無難にこなし、市場のリスクセンチメントは比較的良好な状 態から始まりました。足元のイベントをこなし、目先のテーマがぼやけていく中で大半の市場でボラティリティの下落が続い たことと、週半ばに控えるイエレン議長の議会証言への期待感から為替市場では緩やかにドル買いが進みました。マイケ ルフリン米大統領補佐官の辞任、東芝の決算発表会延期の報道等から一時市場のセンチメントが悪化し、ドル円も下落す る局面がありましたが、イエレン議長による議会証言が市場予想比タカ派であったことを受け 114 円台へ上昇しました。議 会証言では 3 月の利上げの可能性に触れたこと、FED の B/S(バランスシート)縮小が優先課題ではないことが確認された ことで米利上げ確率が上昇する中でも米国株式市場は崩れることなく上昇し、それを受けて為替市場でも大きくドル買いが 進む結果となりました。その後は、本邦から大きなドル買い需要が確認されたこと及び米国 CPI をはじめとする米指標が非 常に強いものであったことからドル円はさらに上値を伸ばし一時 114.95 円まで上昇しました。しかしながら、先週は米国債償 還に伴うドル売り需要、本邦実需からのドル売り需要、通貨オプションのストライクに絡むドル売り需要が 115 円手前で大き く観測されていたことから短期的な節目である 115 円は超えることができずに反落することとなりました。加えて週後半にか けてはフランス大統領選に関しての戦況がより不透明になってきたことが市場のセンチメントを急激に悪化させることとな り、一連の流れでたまったリスクオンポジションが一気に戻される中で、ドル円は 112 円台で週を終えています。 (今週の見通し) 今週も目立ったテーマはなく、引き続きフランス大統領選に関するヘッドラインを意識する週となりそうです。ただし、先々週 まで話題だったトランプ政権による大胆な税制改革への期待感は先週の相場ではつなぎとめておくことはできなかったた め、今週何かしらの発表がされた場合には内容次第では再び市場にリスクオンの雰囲気を呼び戻す可能性があります。た だやはり大きな流れ的にはレンジ相場が形成されやすいものと考えられます。 週半ばには FOMC 議事録公表を控えていますが、先週市場はイエレン議長による議会証言をうけて一通り足元の FED の 政策に関しては織り込んだと考えられるため米利上げ織込み等に関して影響があるとは考えにくく、限定的な動きとなると 予想されます。あまりにも材料難のため大きく値幅は出るとは考えられませんが、日本株の上値の重さと、米国債の強さ、 そしてコモディティ市場が上値を伸ばすことに足踏みしている状況を鑑みますと、クロス円を中心に多少円高が進行する週 となるのではないでしょうか。
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