ウィークリーレポート 2016/12/19-2016/12/22 日銀政策決定会合を控える中、ドル円は 120 円を目指せるか ・日本銀行による指値オペ、日銀政策決定会合でのトーンの変化に警戒。クリスマス前の流動性の低下が、調整をもたらす かに注目。 (先週の振り返り) 先週は、週半ばに FOMC 政策決定会合を控え週初からポジション調整が随所で起こり、大きく直近のレンジは逸脱しない ものの乱高下する展開となりました。その中でもドル円は非常に底堅いと言える値動きを見せ、114 円後半では本邦を中心 に断続的な買いが観測されたことで大きく下落することなく FOMC を迎えました。FOMC では市場がほぼ 100%予想していた 25bps の利上げが敢行されましたが、FED メンバーの政策金利見通しである”Dots”が予想外に上方修正されたことを受け、 市場では米金利が急騰、為替市場は米金利の上昇を追いかける形で大きくドル高が進むこととなりました。特にドル円とユ ーロドルの値幅は顕著なものであり、ドル円は 116 円を突破しその後も週末にかけて買いは止まず 118 円半ばまで上昇。 ユーロドルも、1.04 台半ばを割れこむまで動意づき 13 年ぶりに 1.03 台まで差し込む局面がみられました。 その後も米金利上昇時に起こると懸念されていた米国株の下落がさほど起こらなかったことも市場のドル高リスクオンの 雰囲気を後押し、リスクセンチメント良好という雰囲気で週を終えるかと思われていましたが、金曜日のニューヨーククロー ズにかけて中国海軍が米国潜水ドローンを接収とのヘッドラインが流れたことでドル円は一時 117.50 円を割れこむなど調整 地合いとなり週を終えています。 (今週の見通し) 今週から市場はクリスマス休暇へと突入します。例年であれば市場参加者の減少による流動性の低下および休暇入り 前のポジション調整のフローから、為替市場はドル安方向にむかうことが多くなります。しかしながら現在の為替相場では 「もうはまだ、まだはもう」、「閑散に売りなし」という相場格言が各所から聞かれるほどにドルが年末にかけて流動性の薄い 中で更なる値幅を伴い新値をうかがいにいくことの期待も膨らんでいます。足元のドル円の動向は米金利の更なる上昇へ の期待、日本国債の下落からくる日本銀行の指値オペへの期待から上値を目指しやすい環境となっています。加えてトラン プ氏の大統領戦勝利後より 17%超という異常なペースで上昇したことからも買い遅れている参加者が圧倒的に多く、上昇す ればするほど下値が底堅く切りあがっていく流れとなっています。そしてなによりも上昇のモメンタムがドル円相場を支配し ており、年末までに心理的節目である 120 円までもっていこうという雰囲気が醸成されつつあるようにも感じられ、今週も下 値では断続的な買いが観測されじりじりと上値を目指しにいく展開が予想されます。 もちろん前述の通り、ポジション調整が大きく起こりドル安となる可能性もありますが、参加者のマインドではそれよりは多 少上値警戒の方が上回っている状況ではないでしょうか。また、週半ばには今年最後の大きな市場イベントである日本銀 行政策決定会合が控えております。政策の変更は現状見込まれてはおりませんが、先週の FOMC 内において経済見通し についてタカ派への変更が垣間見られたことからも、日銀がここまで下方修正していたインフレ見通し等に多少なりとも上方 バイアスをかけてくることに注意を払っておいた方がいいかもしれません。
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