≪藤井英彦の視点≫

No.2015-018
2015年2月13日
≪藤井英彦の
藤井英彦の視点≫
視点≫
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緩む原油需給
~ 米国原油在庫増 ~
(1)米国リグ減少を受けて原油が1月末から2月初値上がり。このところ横這いながら依然低水準。
しかし、OPECが減産に動く兆し無し(図表1)。原油価格が1バレル100ドルを割り込んだ
昨年8月を基準に産油量をみると翌9月から本年1月まで一貫して減産はカタールとアルジェリア
のみ。リビアは国内情勢流動化から12月までの増産から本年1月減産。クウェートも若干減産。
しかし11月まで減産していたUAEは12月から増産。ナイジェリアに加え、OPECの中心で
あるサウジでは本年1月、増産姿勢が一段と積極化。OPEC産油量は総じて横這い。
(2)近年の世界的な原油需給緩和は生産サイドからみれば、北米のシェール・オイル増産が主因。
しかし現下の原油価格では相当数のシェール田が採算割れの模様。OPECは北米の産油量を
次第に下方修正(図表2)。昨年12月予測の増勢持続から本年2月予測は本年入り後横這いに。
昨年12月推計と対比すると、本年10~12月は日量▲60万バレルの減産予測。もっとも消費量を
上回る産油量の余剰分は世界全体で昨年7~9月、10~12月とも同60万バレル。
(3)米エネルギー省の世界原油需給予測をみると、本年半ばに向け需給緩和が一段と進む見通し
(図表3)。昨年12月以降の各月予測を対比すると、月を追って産油量が上方修正され、とり
わけ3月から8月の年央を中心に需給緩和が拡大。産油量増はOPECとロシアが中心。本年、
産油量は消費量を日量61万バレル上回る見通し。本年10~12月の北米産油量に対するOPEC
の下方修正分とほぼ同規模。米国のリグ数は昨年12月初来ほぼ週を追って減勢が加速し、直近
本年1月末はピークの昨年10月第2週比▲24%に減ったものの、米エネルギー省は15年米国産油
量予測を本年1月前月比上方修正した後、2月は前月比ほぼ横這いとして据え置き。さらに米国
原油在庫が年初来大幅増(図表4)。例年と異なる動き。本年2月初の在庫水準は12~13年比
14%増、10~11年比22%増。需給面から推せば、原油価格が再び軟調な推移に戻る展開が視野。
(図表1)OPEC各国の産油量
(百万バレル/日)
10
8
6
(図表2)北米産油量見通し(OPEC推計)
2015年1月(左目盛)
(万バレル/日)
14年9月(14年8月差、右目盛)
60
14年10月(〃、〃)
14年11月(〃、〃)
48
14年12月(〃、〃)
15年1月(〃、〃)
36
4
24
2
12
0
0
6
216
(10万バレル/日)
(10万バレル/日)
4
212
2
208
0
204
▲2
200
▲4
-2
▲12
-4
▲24 ▲6
196
増減(①-②、左目盛)
2014年11月推計(右目盛)
2014年12月推計(〃、②)
2015年1月推計(〃)
2015年2月推計(〃、①)
192
▲8
188
2014
15
(年/期)
(出所) OPEC
(出所) OPEC
(図表3)世界の産油量と原油消費量(米EIA推計)
20
15
(図表4)米国原油在庫(除く戦略備蓄)
42
総産油量-総消費量(14年12月推計、左目盛)
〃(2015年1月推計、〃)
〃(2015年2月推計、〃)
(百万バレル/日)
95
総産油量(2015年2月推計、右目盛)
40
総消費量(〃、〃)
(10万バレル/日)
2010年4月~
2011年4月~
2012年4月~
2013年4月~
2014年4月~
(千万バレル)
94
38
10
93
5
92
0
91 34
36
▲5
90 32
2014
15
(出所) US EIA
(年/月)
04 05
06
07
(出所) US EIA
08
09
10
11
12
01
02 03
(月/週)
【ご照会先】日本総研理事 藤井英彦([email protected] , 03-6833-6373)
≪藤井英彦の視点≫は、理事・藤井英彦が独自の視点から、新興国や一次産品動向を中心とするホットなトピックスに鋭く切り込むレポートです。