米国シェール州で雇用変調-原油在庫増(PDF:255KB)

No.2015-038
2015年4月1日
≪藤井英彦の
藤井英彦の視点≫
視点≫
http://www.jri.co.jp
米国シェール州で雇用変調
~ 原油在庫増 ~
(1)リグ数が一段と減るなか、米国主要シェール州の雇用に変調(図表1)。米国全体で原油
リグは昨年10月第2週1,609基をピークに減少。本年3月第4週813基とほぼ半減。州別にみると、
テキサス州が896基から462基へ▲434基で最大の減少。次いで、ノースダコタ州が182基から
96基で▲86基、オクラホマ州211基から133基で▲78基。主要シェール州の雇用者数は昨年末
までのハイペースの増加から本年入り後、翳り。本年1~2月雇用者数の昨年10~12月比をみ
ると、季調済前期比年率でテキサス州が昨年10~12月3.9%から2.1%、ノースダコタ州4.3%
から2.1%、オクラホマ州2.1%から1.2%。ルイジアナ州は1.9%から▲1.1%のマイナスに。
(2)州別の失業保険継続受給件数は原数のみ。そこで季節パターンを除去するために8月以降の
推移を対比してみると、主要シェール6州では従来、年初来受給件数が減るパターンが崩れ、
逆に本年1月央来、増勢(図表2)。3月入り後も引き続き高水準。新規失業保険申請件数も
同様。そうした推移から推せば、主要シェール州の雇用情勢は3月も軟調の可能性。
(3)一方、米国の原油在庫は一段増(図表3)。例年を大幅に上回る増勢。本年1月半ば以降、
毎週既往最多更新。不採算リグの停止や雇用圧縮を通じたコスト減で原油安への抵抗力増大。
そうしたなか、実物WTI取引の中心地オクラホマ州クッシングが注目。同地の貯蔵施設稼
働率は2月第3週67%から3月第2週77%に上昇。3月第3週の原油在庫は2月第3週対比734万バレ
ル増(図表4)。短期間での貯蔵設備増強は困難。貯蔵容量横這い、在庫増は本年2月以降の
1ヵ月734万バレル増のペース持続とすると、今後2ヵ月弱で容量オーバーとなる計算。パイプ
ラインでの貯蔵や洋上在庫、戦略備蓄の増大などを加味すれば単純に今後2ヵ月で在庫余力が
払底するかは不透明。しかしOPECなど主要産油国に依然減産の動きなし。加えて米国を
はじめ世界的な増産傾向から推せば、貯蔵容量制約から価格下落圧力が強まる展開が視野。
(図表1)米国の主要シェール州のリグ数と雇用者数
(図表2)主要シェール6州の失業保険継続受給件数
リグ数(2014年10月第2週、右目盛)
10
リグ数(15年3月第4週、〃)
雇用者数(14年10~12月、前期比年率、左目盛)
8
10
雇用者数(15年1~2月、〃、〃)
6
(百基)
8
(%)
5
4
(万件)
2010年8月~
2011年8月~
2012年8月~
2013年8月~
2014年8月~
4
3
6
2
4
1
2
0
0 ▲2
▲1
-2 ▲4
▲2
-4 ▲6
2
0
▲8
08
(出所) USDL など
(注) 15年1~2月は14年10~12月比。
09
10
(出所) USDL
(図表3)原油在庫(除く戦略備蓄)
11
12
01
02
(注) 各年とも対7~12月平均差。
03
(月/週)
(図表4)オクラホマ州クッシング原油在庫
24
46
(千万バレル)
(10万バレル)
在庫(対前週差、左目盛)
在庫量(右目盛)
(千万バレル)
2010年4月~
2011年4月~
2012年4月~
2013年4月~
2014年4月~
44
42
18
5
12
6
40
6
4
0
38
3
36
▲6
34
▲12
2
▲18
32
04
05
06
07
(出所) US EIA
08
09
10
11
12
01
02 03
(月/週)
1
05
06
07
(出所) US EIA
08
09
10
11
12
13
14
15
(注) 前週差は9週後方移動平均。(年/月/週)
【ご照会先】日本総研理事 藤井英彦([email protected] , 03-6833-6373)
≪藤井英彦の視点≫は、理事・藤井英彦が独自の視点から、新興国や一次産品動向を中心とするホットなトピックスに鋭く切り込むレポートです。